井の頭歯科

歯周病とは、昔でいう歯槽膿漏のことで、歯を支えている組織に炎症がある状態の総称です。歯に虫歯が無くても、歯を支えられなくなってしまったら残念ながら歯を抜くことになります。現在の歯を抜く理由の1位は虫歯ではなく歯周病です。歯周病の恐ろしいところは『自覚症状が比較的無い』という事です。歯肉が多少腫れた状態ではどんな方でも気が付きにくいのです。ブラッシング時の出血によって気が付く方もいらっしゃいますが、それ以前に腫れていたはずなのです。さらに進行すれば歯がグラグラと揺れてきます。ここでほとんどの方が気付くのですが、この状態で歯科医院に駆け込まれても手遅れになった状態である可能性が高いのです。もちろん極力歯を抜かないで治療いたしますが、残念ながら歯を残すことにリスクが高い場合は抜かざるをえません。

また、ある程度進行した状態を治療する場合には、外科的な処置(歯肉を切ったり、歯を支えている骨を整えたり、つまり出血を伴う処置の事です)が必要になりますし、当然元通りになるのではなく歯肉の見た目は劣ってきます、いわゆる歯の根が見えたになってしまうこともありえます。できるだけ治療をしないようにしていきたいのです、やはりここでも予防する事が最高の治療だと私は考えます。つまり定期健診がとても重要なのです。

歯周病は生活習慣病でもあります、患者さんそれぞれにあった生活指導をさせていただく事もあります。当然患者さんによって状況が異なりますので、それぞれに対して細かくお話しさせて頂きます。ただ、特に血糖値、つまり糖尿病との合併することで症状の悪化が指摘されていますので、是非ご注意をしてください。

歯周病の進行

健康な歯
・コーラルピンク色をしていて、弾力がある
・ブラッシングなどによる出血はない
・歯肉がしっかりと引き締まっている
初期(歯肉炎)~
中程度(歯肉炎)
・歯肉に赤いところがある
・歯を磨くと血が出る
・歯が浮いた様な感じがする
・歯肉にかゆみがある
重症(歯周炎)
・歯肉が時々赤くはれて痛む
・歯肉から血や膿みがでることがある
・口臭が気になる
・冷たい物を食べると歯がしみる(知覚過敏)
末期(歯周炎)
・歯がぐらぐらする
・歯肉がブヨブヨして血や膿みがでる
・口臭がひどい
・食べ物が噛みづらい

歯周病の及ぼす影響について

歯周病はお口(歯茎)の病気と考えられがちですが、実は全身の健康にも影響を及ぼす病気です。

歯周病は糖尿病の6番目の合併症」と捉えられるようになっています。ところが最近の研究では歯周病が糖尿病を引き起こす原因になることもわかってきました。糖尿病にかかると、体がだるいだけでなく、網膜症や腎臓病など、全身の疾患に悩まされることになります。さらに体中の悪玉細菌と戦う機能が極端に低下しますから、 歯周病菌にも十分抵抗できず、口の中での増殖を一方的に許してしまいます。そのため歯周病はどんどん悪くなっていきます。

また、タバコを吸う人は、非喫煙者に比べて歯周病になる危険度が3倍以上になるという報告もあります。喫煙が歯周病を引き起こしやすくすること、または悪化させることは、今や常識となっています。喫煙がヒトに対して免疫抑制作用を発揮し、細菌をはじめとする寄生体との相互関係に有害作用を及ぼします。

歯周病にならないために

歯周病は生活習慣病です。軽度の歯周病は正しいブラッシングと日々の口腔ケアにより改善が期待できます。しかし、重度の歯周病は外科的処置が必要になるケースもあります。しかし、たとえ手術により改善したとしても日頃のお手入れがおろそかになっては意味がありません。

大事なのは良い習慣を身につけることです。適切な歯みがき方法を学び、歯間ブラシやデンタルフロス等をこまめに使用するなどセルフケアが大切です。そして定期的な検診を受けて健康な歯ぐきを維持しましょう!

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