井の頭歯科

「地下室のヘンな穴」を観ました

2022年10月4日 (火) 09:27

 

カンタン・デュピュー監督     ロングライド     吉祥寺アップリンク

 

 

 

 

段々と、映画館もレイトショーをやってくれるようになってきました。ので、21時スタートとかなり遅い時間でもやってくれている吉祥寺アップリンクさんに観に行きました。逆に言うこれしか観れる作品が無かったので。

アランとマリーの夫婦が、新しい一軒家に引っ越そうとするのですが、その一軒家には地下室に穴があって・・・というのが冒頭です。

予告編でも流れていますので、舞台設定として大まかですが、説明しますと、

1 アランは50前くらい?男性 マリーも40代女性 の夫婦が引っ越した一軒家には地下室に穴がある

2 穴に入ると、本人に自覚は無いが12時間経過している

3 そして、3日分若返る事が出来る

という設定です。ここに、アランの上司でジュラ―ルとその彼女が主な登場人物です。

この設定をどう生かすか?という脚本の面白さ、練られた面白さを見せて欲しいですし、凄くヘンテコリンな設定なので、飲み込ませるのも難しいですけれど、そこを頑張って欲しい所です。

役者陣はけっこう頑張ってくれていますし、中でも、この4人を凌駕する演技を、おキャットさまが魅せてくれるので、その点ははっきり素晴らしかった、可愛かった、と思います。

シリアスではない、ギャグ、ナンセンス映画なんだから、細かい所には眼をつぶって楽しむべき、という人は楽しめる作品だと思います、私はそういう風にどうしても考えられないので、結構気になりました。

ただ、少しの間映画に集中する事で現実を忘れる事が出来た事や、レイトショーをやってくれている事に感謝したいです。

猫が好きな人、軽い映画で笑いたい人に、オススメ致します。

 

 

アテンション・プリーズ!

 

ここからはネタバレありの感想です、未見の方はご注意ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まず、地下室から入ると、屋上のダクトから出てくる、という設定を思いつくのはなかなか素晴らしい。

 

 

 

 

が、その設定を説明する努力は割合放棄していると思いますし、ここでナンセンスギャグ的な事をする事も出来たと思いますが、まぁそれは1つ目の大きな現実離れした嘘でもあり、この映画の設定ですので、その設定を飲み込んだうえで、面白味を出してくれようとしている訳ですから、まぁいいでしょう。

 

 

 

 

でも、全然この設定が生かされないのが本当に残念・・・・全然、全く、1mmも生かされてない・・・・

 

 

 

 

この映画の中で能動的なのは、とにかく若返って人気女優になる、という、凄く平面的な欲望を持つマリーだけなんです・・・・

 

 

 

 

若くなってちやほやされたい!という割合表明するのに羞恥心を感じるのが一般的な感覚なんじゃないかな?と思われる(フランスではどうなんでしょうね)若さへの単純な思い込みは、まぁいいでしょう、そういう人もいますし。 でも、この人だけなんですよ、アクティブに動いてくれるのは・・・

 

 

 

 

しかも夫アランは、このマリーをどうにかしよう、という考えも無く、ただ、うろたえる、というだけなんです・・・

 

 

 

 

割合寒がられる下半身ギャグ担当と言っても良い、ジュラ―ルは日本の技術を称賛しているようで、あまり心地よくはないかも知れないですし、全体的に幼稚、なだけのギャグなんで、そこからの発展が無いんですよね・・・もっと幼稚にするなら、徹底的に幼稚にならないと面白くない、中途半端なんですよね・・・

 

 

 

 

そして恐ろしい事に監督もその事を理解しているからこそ、物語の後半、結構な尺を使って、数年経過していく場面は、セリフ無し、BGMでごまかし、割合ジャンプカットを用いていて、説明を放棄した、と思います・・・もしかするとプロデューサーの指示があったかも。だってこのテンポで残りの時間を写されたら、多分かなり長く退屈に感じたと思う。 精神科医を訪ねる冒頭と、その不穏感を出しているのに、そこに戻ってきてもあっさり通過するだけ、なんで、どうにも腑に落ちないんですよね。

 

 

 

 

しかも、何で蟻にしたのか?ま、ハエの子供だと、もっとグロ方向になてしまうからだと思いますが、どうせなら、もう少し尖った笑いを入れた方が良かったんじゃないかな、と思います。

 

 

 

 

せっかく、12時間経過、3日若返る、という面白い設定なのに、全然生かされてなくて、本当に残念。

 

 

 

 

ですが、猫は美しく、大きな画面で観られて嬉しかったので、善しとします。

「シークレット・ヴォイス」を観ました

2022年9月30日 (金) 09:29

カルロス・ベルムト監督     クロックワークス     Netflix

 

 

 

カルロス・ベルムト監督は「マジカル・ガール」のデビュー作から恐ろしいまでの完成度で、ジグソーパズルのラスト1コがハマらない感覚になる(←比喩じゃなく)物凄い完成度なんですけれど、今作のわけのわからなさ、はちょっと強烈でした・・・

浜辺で横たわる女に心臓マッサージをする女、すると!というのが冒頭です。

歌手になってみたい、という人が好む映画、スペイン語の曲が好きな方、にオススメします。

正直、何が起こっているのか?全然分かりませんでした・・・これは4人の女性の話しなんですけれど、私には理解不能で、もう私からすると、見えているけれど、その意図が不明過ぎて気持ち悪くなる感じがします。字幕もありますが、読めるんですけれど、意味が分からないのです・・・これ、女性が見たらどう見えるのか?凄く聞いてみたいです。

以下、ネタバレかつ、不満というか?何故意味不明なのか?を探る文章なんで、ほとんど不快な感覚になりますので、基本スルーでお願いします・・・

 

 

アテンション・プリーズ!

 

 

 

 

不快な文章で映画紹介になっていますので、興味のある方だけお読みください・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まず、かつての偉大な歌手リラ・カッサン(本当に、演出上仕方ないんですけれど、手の甲とかって年齢を如実に、分からせてくれますよね、この方凄く顔は若く見えるけれど、多分50手前くらいなんじゃ・・・設定的には多分30代後半?)は10年くらい前に突然引退(後に母親の死のショックが原因)、しかしレコードの印税での生活も続かなくなり、マネージャーのブランカ(女性でリラよりもさらに年上)により復帰コンサートの準備中だったのに、病室で目覚め、記憶喪失になっている、という所から、物語は始まります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ええ、なんとなく、憑依したんでしょう、乗り移ったんでしょう、そんな感じで自分の顔やら触ってる。だとすると、この冒頭では誰から、何が、乗り移ったんでしょうね・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

で、この記憶喪リラ・カッサンに、歌真似する素人女性ユーチューバーのヴィオレッタ(割とファンである事に躊躇や恥じらいも無く、寄せるタイプで、性的関係へのハードルがゆるい・・・設定としては多分40代前半【若い時に産んだ娘が23歳なんで】)をリハビリに呼んできます・・・この人選ミスというか、素人かよ!というツッコミは置いておこう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

で、だんだん思い出していくし、踊れるようになってく、ように見えるけれど、それほどはっきりした描写も無いんですよね・・・結構な有名な復帰コンサートなら、もう少しちゃんとしたスタッフとか会場とかいろいろ人が出入りすると思うんですけれど、それももう脇に置いちゃいましょう。とにかく、リラ・カッサンの復帰コンサートの為にブランカは尽力している(ように)見えます。復帰コンサートなら、多分、新曲とかプロモーションとかいろいろあるとも思いますがね・・・そういう部分も、目をつむりましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃ヴィオレッタは娘23歳にして、中二病真っただ中な俺様何も仕事してない金が欲しい時は自分を傷つける真似してヴィオレッタから金をくすめるマルタはヴィオレッタから相手にされなくてやさぐれて、友人とケンカしたり殴られたりしているのですが、母親を付けて、有名人リラ・カッサンと母親が関りがある事を突き止め、ヴィオレッタを詰問、リハビリの件を聞いて取った行動が、テレビ局に情報流して金儲けヒャッハー、というこれまた中二病全開の頭の悪さ・・・も置いておきましょう・・・もうミンナスキニスレバイイヨ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

んで、最後のリハビリで、実はリラ・カッサンは母親の歌を盗作、んでヴィオレッタも娘を産んだ時に歌手活動やら作詞作曲活動を停止していた、という驚くべき事実が発覚。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

や、確かに知らなかったけど、別にそんなに驚く事じゃないし、そのクオリティがどの程度なのか?が問題だろ、というのは多分野暮なんでしょうね・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

で、リラ・カッサンに指導していたヴィオレッタは急に歌い上げてたらコンサート会場になってて、しかもヴィオレッタ・カッサンのコンサートになってたよ!驚き!!!展開の飛躍!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

えっと、現実にはリラ・カッサンは居たんだよね?リアルな偉大な歌手なんだよね?その復帰コンサートなんだよね?どうしてヴィオレッタ・カッサンという別人というか別名義をみんな簡単に受け入れているの? あと、10年前に引退→復帰コンサート目前→記憶喪失(誰かの記憶や曲を奪った?)→ヴィオレッタを探し出した、という順番なはず(冒頭の場面は、あるならラストのリハビリの後)。なので、記憶喪失は本当に意味も無く、記憶喪失なの?そんなに都合よく?んで復帰コンサートに別人、もしくは別名義が出てきたら普通客は帰るか暴動じゃないの?なんでみんな都合よくヴィオレッタを受け入れてるの?ヴィオレッタにリラが乗り移ったのだとしたら、また最初から売り込みにいかないといけないんじゃないの?中二病を23まで引きずってるマルタが都合よく死んじゃうのなんで?こういう人は絶対自分じゃ死なないタイプなんじゃ?ブランカは何処まで何を知ってたの?というか多分全然知らなかったんじゃ、とすれば必要なのは歌真似ユーチューバーじゃなくてちゃんとしたボイストレーニングとかバンドとの練習とか、過去の映像とかなんじゃないのか?ブランカのマネージャーのレベル低くないか?とか、とにかく、ぐるぐる気になる事や辻褄の合わない事が多すぎて、気持ち悪くなってきました・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

記憶喪失になってリリがリラを思い出したのだとしても、急過ぎない?都合良過ぎない?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とにかく、乗れない作品だった・・・あ、歌は悪くないけど、2019年の作品でスマートフォンを使ってるから多分どんなに古い時代設定でも、2009年の10年くらい前は1990から2000年代で、まぁ確かにウィスパーヴォイスもあったとは思うけど、曲調とかが何気に年代が古臭く感じるんですよ・・・曲が古いっていうか、ダサい・・・あ、本人も言ってるけど、振付も結構ダサい・・・歌は悪くないんですけれど、ね・・・それに、髪型もどうかと思うぞ。

「NEW ORDER」を観ました

2022年9月27日 (火) 09:20
ミッシェル・フランコ監督     クロックワークス     U-NEXT
ミッシェル・フランコ監督作品は非常に人を選ぶ作品だと思います。思いますが、私は結構好きな方で、全部で6作品ありますが、私は「父の秘密」と「ある終焉」の2作品は映画館で観ていますけれど、今作は映画館に間に合わなかったので、U-NEXTで観ました。とにかく初めて見た「父の秘密」が凄すぎて。
極めて極限状態に陥った状況を思わせるショットが数秒ごとに切り替わるセンセーショナルな画像が続き、とあるパーティー会場が写され・・・というのが冒頭です。
え~また、映倫さんの独自の猥雑基準を監督の意向を無視して、結構な大きさのボカシが入ります。何をもって卑猥とか判断しているのか?が全然判然としないです・・・もうこの話題は散々話してきたのですが、常識とはテクノロジーの発達においても、文化的な素地の変更があっても、その他さまざまな理由で変化していくものです。家にしか電話が無かったから常識的に、深夜の電話を控えたり、待ち合わせ場所や時間を前もって決めておかねばならなかったりするのは常識的な事でしたが、携帯電話の普及によって常識は変わりました。当たり前ですが、常識は変化しますので、そろそろ、監督の意向を、そのまま上映出来るようになるべきだと思います・・・監督の意向を変更しないと上映出来ないってそもそもがおかしくないですか?安心安全なだけの中で育てられた生き物は、環境の変化に負けやすいとも思いますね。もうレーティングの最上位を作って、ある程度の規制を外すべき状況にあると思います・・・凄く幼稚な規制になってしまっていると思うのです・・・
閑話休題
かなりはっきりと、いわゆる暴力、を描いた作品です。そして、階層社会が通常な場合、その反動はかなり大きなものになる、という感じがします。押さえつける暴力が多き程、その反動も大きな暴力になる、という事です。
いわゆる、反体制側が暴力をもって、体制側に反抗する場合の混乱、を描いた作品。なかなかショッキングで、そして映像美としてある程度のプランを持って作り上げられている作品です。
NEWORDER 普通に訳すると、新しい要求 とも取れますし、新しい秩序とか治安とかにも取れるかと思います。ただ単に暴力によって何かが破壊される、とかいう世界を撮りたいわけではないのではないか?と思うのです。これまでのフィルモグラフィー的にこの監督がそんなに単純な混乱を描いているとは思えないのです。様々な細部に意匠があると思うのです。その辺を読み取りたい、という人にはいくつものヒントはあると思います、でもなかなか全部がワカラナイ。その辺を誰かと話し合ってみたいです。
こういう階層社会であるなら、パンクという思想が生まれるのも分かりますが、日本だと「どうなんでしょうね。
暴力により、秩序が失われた瞬間の人の暴力性について、興味のある方にオススメ致します。
アテンション・プリーズ
ココからネタバレアリの感想になります。未見の方はご遠慮ください。
統治が行えている状態は、まだ安心できる、と所得の高い人間なら思えたでしょうけれど、最底辺の生活を送る人間にとってはどっちでも同じで、だからこそ暴動が起こるのか?とも思いますが、あまりの生活の一変には驚愕しかないです・・・
善意で行動を起こしたマリアンは、しかし、持てる者であって、だからこそ、持たざる者になった瞬間、身代金とか身体的な意味しか成さなくなる事の恐怖は、なかなかだと思います。他に選択肢もありましたけれど、その中でもより良いベクトルの動きをしていたのは彼女だけなのに。
しかしそんな個人の想いや行動は社会の中では些末な出来事であり、理不尽で恐ろしいまでにコントロールの効かない、先の見えない、今の日本であってもどうなるかワカラナイのが同じなのが恐ろしいです。
しかも、軍部にコネがあろうとも、組織防衛が優先されるわけで、当然これも現代日本でも十分ありうるというか、既に起きていますよね、残念ながら。多分どの時代のどんな国でも起こっているんでしょう。だから特別な事ではないのかも知れません、ただ、私が忘れているだけ。
今こうして映画を観られる事の平穏さを享受しようとと思います、いつ何が起こるか分からないのだから。

「地下水道」を見ました

2022年9月24日 (土) 08:50
アンジェイ・ワイダ監督     KADR     Amazon prime video
いつか観なくちゃと思ってから四半世紀が過ぎ、50の大台も超え、もういつ何時『死』が訪れてもオカシクナイので、やり残しを潰していこうと思います、それでも時間は足りないんでしょうけれど。
ポーランドの国民的映像作家、という事くらいしか知らないです。あと、観る前にワルシャワ蜂起について、少しだけ調べましたけれど、本当に暗澹たる気持ちになります・・・でも、今のウクライナでも、同じくらい恐ろしい事が起こっています。
1944年のワルシャワ。ポーランド軍が市民兵で蜂起、しかし絶望的な状況下にあり・・・というのが冒頭です。
閉所恐怖症の人には耐えられない映像表現ではないか?と思いますし、ワルシャワ蜂起の話しはもう少し詳しく調べてみたいです・・・物凄く悲惨で、悲しい事件ですね・・・
映像表現として、今観てもフレッシュな感覚、モノクロだからこその陰影の差、それこそカラヴァッジョさながらのキアロスクーロのような絵画を観ているような感覚がありました。
また、私が精神的にネガティヴ思考が平常運転なために、このラストがなかなかに染み入ります。現実世界も不条理な世界ですけれど、だからって映画の中だけでもハッピーエンドが良いかと言われても、そんなことは無いんじゃないか?と思ってしまいます、だって現実に生きているから、映画を観に行けるわけで。リアリティある(映画内リアリティで構いません、時々CGじゃなく実際に、という方がいらっしゃいますけれど、では飛行機墜落とか火事とか宇宙とかをすべて本物でなければならないわけではありませんよね?本物を写す事が不可能な事は様々にあって、表現する手段はたくさんあっていいと思うけれど・・・)映画を観ているからこそ、現実を忘れる事が出来るんじゃないでしょうか?それが娯楽作品、ひいてはエクスタシーと言うモノだと思います。自分を忘れ去る事が出来る(たとえ一瞬でも)なんて、なかなか無い事だと思います。
ポーランドに興味のある方に、モノクロ映画が好きな方にオススメ致します。
現実のポーランド、つまりウクライナの周囲の国、いや、地球の上で影響が出ていない国は無い、と言い切っても良いかと思います。しかし、地理的に近い事もあり、影響は大きいと思います。恐ろしいのは、ロシアのウクライナとの戦争に、いや、その報道に、慣れつつある、という事実です。この映画の中でも、戦争状態やレジスタンス状態に、あまりになれてしまった人間の、人間性が剥奪される瞬間が描かれていて、恐ろしいです。

「サッド・ヒルを掘り返せ」を観ました

2022年9月20日 (火) 08:54

 

 

ギレルモ・デ・オリベイラ監督     スターチャンネル     DVD(友人宅シアター)
『狂気』2本立ての2本目は、こちらです。めちゃくちゃ有名なセルジオ・レオーネ監督の傑作、マカロニウェスタンの頂点とも言える「続・夕日のガンマン」のラストに登場するある墓場についてのドキュメンタリーです。
私は幼少期に育った家庭では、浴びるように西部劇を観てきました。およそジョン・ウェインが主演するものばかりだったと記憶していますし、まぁジョン・ウェイン以外の西部劇もかなりの本数観ている方だと思います。はっきり覚えているものもあれば、うる覚えのモノもありますが、そういう趣味趣向を持つ人物と同居していたとお考えください。そしてこの人物は、西部劇とは、アメリカのモノであり、マカロニウェスタンと言うモノは西部劇では無い、と言い切る人物でした。勧善懲悪で何が悪い、明快でいいじゃないか。カウボーイの仕事は名誉とか誇りによる仕事なんだ。というアメリカプロパガンダを肯定的に捉える人物です。そして、こういう過程環境で育った場合は2種類の結末が用意されていて、素直に西部劇にはまるパターンと、ひねくれた性格の為に忌避するパターンで、私は後者になりました。
なのでマカロニウェスタンと言うモノに触れたのは、もちろんみんな大好きタランティーノ監督のおかげです。そして友人たちのおかげですね。
この友人宅で豪華なホームシアターで、まず「続・夕日のガンマン」のラスト40分ほどを鑑賞し、満を持してこの映画に臨みました。
「続・夕日のガンマン」セルジオ・レオーネ監督のラストシーンは、荒野に広がった墓地で行われます。かなり広大な土地で、近代的なビル、電線、そういったモノが全くない荒野と呼ぶにふさわしい場所です。映画の製作は1966年、南北戦争中の西部の出来事を扱った作品。当然1865年くらいの時代を撮っています。
その後およそ50年、誰もが見捨てていたスペインのブルゴスにあるそのロケ地を、当時のように再現しようとする人間を追ったドキュメンタリーです。
まず、この「続・夕日のガンマン」が大変愛される映画である事実、それもかなり偏ったと言えるかもしれない愛に支えられている映画だという事です。メタリカのライブでは必ずと言って良いほど、出囃子として、エンニオ・モリコーネの音楽がかかりますが、それはこの映画が好きだからですね。そしてこの映画が好きな人達は、何よりもこの映画が好き、というようなある種の狂気を感じさせてくれます。
まず、再現しようとする前に、このロケ地を見つける事から始まるのです・・・探し出すのにも苦労するかのように、ほとんどの人に忘れ去られていました・・・
映画内のリアルな状況を観た事がある人からすれば、ファンがその地を発見した時、まるで違った緑の大地となっていました・・・映画内では荒廃した荒野で砂だらけの場所の中に、岩で出来た円形の踊り場(直系30メートルくらいか?)から放射状に十字に道があり、その空白地に無数の墓標が並んでいたのです。
およそ50年分の土砂に埋もれたその場所を、元通りの踊り場を掘り起こし、再現しようとする数名の男達が、この作業は簡単にいかない、と悟ったのはまさに初日の出来事だったと思います。人力ではどうにもならない程の広さがあり、且つ、大量の土があり、草が芽生えているのですから・・・
ここからが本当の狂気の沙汰なんですけれど、それでも全く諦める気が無く、ネットで堀手を募集し、スペインだけでなく、ヨーロッパの各地の「続・夕日のガンマン」偏愛者が、飛行機に乗って農具を持って集いだす様は、本当に圧巻です。
発掘の主要な登場人物4名はどなたも無名の人であり、しかもどこか今でいうオタク器質、よく言えば少しの変わり者に見えるごく普通の人なんですが、この運動に関する動きの早さや行動力、映画について語る際の目の輝きに、美しさと同時に、確かに狂気を感じるのです。
実際にどうなったのか?は観て戴くしかないのですが、ラストにたどり着いた決断もかなり素晴らしいモノだと思います。
狂気に興味がある方に、「続・夕日のガンマン」が好きな方に、オススメ致します。
友人宅の業かなホームシアター、凄かったです。
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