井の頭歯科

「クラウン」を観ました

2022年1月21日 (金) 09:34

今回はあまりオススメではないのですが・・・この後、この監督の非常に良い作品を観たので、一応。

あまり好きなタイプの映画ではありません・・・また、私はホラー作品に好きな作品もありますが、基本的に「愛」がありません。とても子供だましな感覚があります。ただ、好きな方もいらっしゃるでしょうし、あくまで個人的な感覚です。上手に意味があるようにしていただけたら、と思うのですがチープさがタマラナイ、という事もありますよね?昔から好きという事もあると思います。

ホラー作品で私が好きな作品もあります。アリ・アスター監督は多分ホラー作品を撮る監督で最も信頼している監督だと思います。それから、好きな監督で私の中ではホラーに入れていいのはミヒャエル・ハネケ監督ですね。

しかし、そもそも私はホラーとは相性が悪いと思います。だって、そりゃびっくりはしますよ、突然大きな音を出したりすれば、ね・・・でも、それに理由が、必然性があるのか?を考えてしまいます。そして、ほとんどの(私が観た事ある)ホラー作品って、その意味が無い。単純に驚かせたいから。そしてそれの連続なだけ・・・なんかこの映画を観ている意味は?って考えると、無駄に思えてしまうんですね・・・相性が悪いのは私の問題だと思います。

アテンション・プリーズ!


基本的にネタバレありの感想です・・・

まず、凄い退屈です。また、テンポが悪いと思います。

そもそも、なんでピエロ、では無かったクラウンの起源が悪魔なんでしょうね・・・逆ではないでしょうか?

道化とかがいる、非常に何を考えているかワカラナイし表情が読めないし、道化だからこそ主君に批判的な事をいう事が許された存在、それが変化して怖さが出てくるんであって、最初が怖い存在や悪魔ではないと思うのです。そして時系列を考えると、ジョン・ゲイシーの存在があるから、人はクラウンを恐れるようになったのだと思います。

それに、服を着た主人公(かと思いきや、どうなんでしょう?)に救いの道や何かしらの落ち度があったのか?が気になります。ただ単にそういう嫌な目に遭った人に見える。それに妻は結局最後は子供を選んで(とは言え他人の子供を贄として差し出そうとした・・・)、旦那を信じてるつもりが最終的な行為はこの妻が行ってるんですよ・・・ご都合的な感じしかしないんです・・・特に信念とか人間の意思の強さもなく、悪魔もなんでか首切られるくらいで死にます。また、大変知能が低く見えるのが、首に鎖かけられたら、まず、鎖を外して子供を追いかけると思うのです。悪魔なのに知能が低いと思います。

それに何かを知ってそうな男はアニキとは複雑で、とか言いながら、音信不通なら訪ねると思いますし、思わせぶりなだけで何をしたいのか?この人に意思を感じないのです、生死をかけての争いに向かうのに、です・・・ただ引っ掻き回すだけ・・・

という愛の無い感想になってしまうので、多分この後もっと出来るんですけど、不毛だから止めます・・・

1番驚いたのがこの監督、この後「コップ・カー」を撮ってるんです、私は大好きな映画です。

この監督の力量が良く分からない・・・デビュー作なせいかもしれません。

「ゼロシティ」を観ました

2022年1月18日 (火) 09:31

友人からお借りしました。好みの作品でした、いつもありがとうございます!

モスクワからかなり離れたある街に降り立つ男ヴァラーキン(レオニード・フィラトフ)はホテルに向かうのですがタクシーは1台きりですし、街全体にもやがかかっていて・・・というのが冒頭です。

何と言いますか、確かにカフカっぽい不条理なんでしょうけれど、カフカというよりは間違いなくこれは「ツイン・ピークス」デビッド・リンチ監督の影響を感じますし、これ絶対笑っていいのか?いけないのか?のギリギリを責めている作品です。それもかなり壮大なお金をかけている、と思われます・・・ロシア映画としては、という事になるかもですけれど。

私が今までで1番見返しているドラマは間違いなく「ツイン・ピークス」です。大学時代にレンタルビデオやに朝早く並んでみた作品です。もちろん、字幕でも吹き替えでも、多分10回は観ていると思いますし、とにかくこの世界が大好きになってしまいました。不条理さが前面に押し出されつつ、ミステリーであり、オカルトな作品ですが、同時に笑ってはいけないのに笑ってしまう瞬間が散りばめられた素晴らしい作品です。

そういう意味でデビッド・リンチ監督と同じなんですけれど、笑いのセンスとして、笑っている人が演者の中に出てこない、演じている、映っている人は誰1人として笑わそうとしていない、しかし何かがオカシイ、という笑いです。こういう笑いは私はセンスを感じますし、好みです。誰でも笑っている人の声を聴いていると笑いたくなるのですが、それは本当の意味での笑いではなく共感しているのではないか?と思うのです。しかし、不条理な笑いに知性を感じます。それに誰も傷つかないです。他者を貶めて笑うのは結構下品な行為ですけれど、まぁその人がスケープゴートになると、それ以外の全員の結束が異常に強くなるTHE・日本的な感じを私が受けるからかもしれません。

主演のヴァラーキンを演じているレオニード・フィラトフさんの困り顔が哀愁を感じさせてくれます。それに「そうだ!蝋人形って生きた人間の肌感を暗くして動かないようにすれば経費削減!」とかの思い付きで始めたかのような、異常に現場の人がキツくなるだけ、まばたきも出来ないから多分やたらとCUTがかかったであろう事が映像からも分かる感じで修羅場だったんだろうな、というシーンも凄かったです・・・

そして基本的には説明をしているようで全くしないので(言葉の意味性がどんどん失われていくのがサイコー)、よりどんどん言葉巧みに、現実感を薄れさせる感覚を徹底的に連続して起こしているので、どんどん訳が分からなくなっていくのですが、演者や撮影スタッフ、監督に映画に関わった全ての人の苦労を考えると、真剣に俺は何をしているのだ?という瞬間がたくさんあったであろう事も理解出来てより深い感覚になりますし、それでもちゃんと笑える。

もちろんとある秘書は面白いんですけれど、現実に居たら、きっと嫌でしょうし、ラッキーって感覚は個人的には無いかなぁ・・・目のやり場に困るし日常には向かないと思います。親密になればこそすれ、日常では、ね。

それとケーキは、ちょっとどうかと思うけど、かなり似てますね、相当大変だったでしょうね。でも、そのかなり大変に作ったケーキを、何の思い入れも無くナイフとフォークでの切り取り方が本当にリンチ作品の匂いしません。ロシアにもフォロワーを作り出したデビッド・リンチ監督はやはりただものでは無い、と改めて感じました。

不穏さと不条理。そしてその積み重ねで意味を失う言葉や現実、その上でのもう何が何やらで起こる笑いには、リリシズムさえ感じさせます。だって私の現実だって、よく考えると大して変わりないですよ、まさに不穏さと不条理の連続でしかない。しかし、これを日常としていくしかなくて、それをことごとく考えていくと、狂気になっていくのではないかと思うのです。

大筋すら決まっていなかったけど、そこを無理くり繋げるスリリングで意味不明にしてやろう感がたまりませんし、個人的には博物館のシーンがサイコーでした。

ロシア映画の世界もかなり広大なんでしょうねぇ。

「イスラエル博物館所蔵 印象派・光の系譜」を観てきました

2022年1月14日 (金) 09:39

印象派、凄く人気がありますよね。私は絵には全然(すみません、よく考えたら全ての事象について、ですね・・・)詳しくないのですが、最近見ているYoutubeのチャンネル「オトナの教養講座」で山田五郎さんが絵画について凄く俯瞰できる解説動画を行なっていて、絵画により興味が出てきましたので、足を運びました。

最近の美術館では写真を撮っても良い部分があるのが面白いです。後でも見ることができますし、写真を所有している、というワクワクも感じます。もちろん、写真に撮る前に(撮った後でも可)じっくり生で見れる事に時間をかけたいですけれど。

今回見た中では、初めてみるジャン=バティスト・カミーユ・コローの「魚を運ぶ釣り人」がとても良かったです。川面に木陰があり、遠くでは日没が始まっている感じで、その他もいくつか同じようなモチーフの絵がありましたけれど、この絵は別格に綺麗で鮮明に感じました。

そしてもちろん、俺たちのアニキであり、こういう人に私はすぐに降参してしまうギュスターヴ・クールべの海景色や林檎などの静物画もありました。クールべの出来れば人物画が見たかったですけれど、4点も見られたし、ありがたいと感じました。

セザンヌ作品もモネ作品もゴッホ作品もいろいろ来ていましたが、これは!という好みの作品には出会えなかったです、残念。

その代わり、凄くいい!と思ったのがポール・セリュジエの風景、という作品で、すっごく和田誠な感じなんです!この作品の写真を探しているんですけれど、全然見つかりません・・・色合いも素晴らしいですし、すっごく気に入りましたが、残念、ポストカードにもなっていなかったです・・・悔しい・・・

それと今回の主役はレッサー・ユリィだと思います。楽しみにしていた「夜のポツダム広場」は確かに良かったです。でもそれ以上に、「冬のベルリン」と1番良かったのは「赤い絨毯」です。今回の中で私の1番は間違いなく「赤い絨毯」でした。

多分、印象派展だからだと思いますが、俺たちのドガも1点だけ来てて、それも良かったです、もう少し良いのが来て欲しかったですけれど。

もっとゆっくり巨大都市東京を散策したかったのですが、午後から仕事だったので・・・

あと印象に残ったのは、すごく、ジャンヌ、な作品と、そして時々見かけるボーダーにボーダーを重ねる、とか水玉に、水玉を、重ねるという表現を思い起こさせる絵とか、です。

凄く目がチカチカしました。

本当に駆け足で観たのでもう少し時間があればなぁ、という感じです。

「劇場版「鬼滅の刃」無限列車編」を観ました

2022年1月11日 (火) 09:25

外崎 春雄監督     東宝/アニプレックス

熱心な友人が是非、という事でDVDをお借りしました。凄く大人気作品ですし、日本の映画興行成績歴代1位の作品です。

大ヒット作品ですし、私が観なくても、とも思っていましたが、お借りしたので私はオススメされると割合素直に観てしまう方なので、早速観ました。

まず、原作は読んでいません、いませんが、この話しの大筋は理解しています。鬼と呼ばれる人(?)を倒す痛快アクション作品で少年ジャンプ連載ですし、努力、友情、勝利なわけです。

アニメーションの技術的進歩を感じさせる完成度である事は間違いない作品だと思います。炎や水の表現はかなり難しい部類だと思いますが、大変美しいです。

さらに、非常に面白いと思ったのは「夢」を扱う描写です。

夢の無意識性を扱っているのは面白いと思いますし、表現としても美しく、アニメーションならでは、の表現だと思います。

また、キャラクターが非常にエッジが効いていて、とても幼い、という部分に目をつぶれば(と言いつつ、私がただのオジサンになっただけでしょうけれど)なかなか面白いと思います。ただ、全員、出てくる悪役の鬼も含めて、イイ人しか出てきませんし、卑怯なキャラクターが完全に排除されていて、その辺が深みを感じさせない平易な部分の根幹だと思いますが、まぁ少年少女向け作品ですから当然なのかも知れません。

セリフについては、とにかく何でもセリフにしてくれるので、受け手、観客が想像する部分が皆無であるのも、深みを感じさせない部分に繋がってしまうのですが、それも対象年齢が低いせいで、作り手は悪くないと思います。

思いますが、これは観てない友人が放った一言で、私も該当作品を観ていないのですが、いわゆる朝ドラとか橋田寿賀子演出、家事や何かをしながらテレビをチラ見するだけでも置いていかせない配慮がなされていて、それはやり過ぎではないか?と思う次第です。そしてその批判は、この作品を鑑賞して、当たっている、と感じました。すべてセリフで説明してくれるので、それが会話でも独白でも、全部言葉で説明してくれるので、その点が気になると言えば気になります。映画は何かをしながら見るモノではないと思うのです。観客は映画館に集中して見に来ているわけで、そういうスタンスの人を蔑ろにしていると思いますし、観客をもう少し信頼していいと思います。さらに、難しいモノを簡単に伝える、テレビではいいでしょう、しかし、それなら表現に重きを置いている美術や映画含む芸術で行う意味がなくなてしまいます。難しいモノは、興味がある人が、意思を持って、その難しいものを理解する努力が必要で、全員が分からなければならないモノではなく、簡単にすることで零れ落ちるものが多すぎると思います。

最も良かったのは「心を燃やせ」というセリフで、この言葉には、非常にチカラもあり含蓄もある言葉でしかも新しい表現、これは良かったと思います。

そして、泣かせる、という1点にのみ集中して作られているので、泣きたい、という欲望のある方には響く作品だと思います。

個人的な不満は、本当に良い子しか出てこない事なんですよね・・・人間ってもっといろいろ邪な感情が沸き起こるモノだと思うのですが、本当に良い人ばかりで、とても理想郷のような世界に感じました。そういう部分が受けているのではないか?と感じました、現実世界はコロナであまりに疲弊していますから。

それと、私は煉獄さんが、ルイス・ウェインの描く猫に見えました。そしてそういう精神状態の人にも、見えました・・・そういう想像をする私に問題があるんだと思います。思いますが、似てる・・・

「偶然と想像」を観ました

2022年1月7日 (金) 09:26

濱口竜介監督     Incline

昨年観た「Drive My Car」(の感想は こちら )も素晴らしかったのですが、短編集映画を観る、久しぶりですね。

濱口監督自身による脚本の短編3つの連作です。短編集映画を観るのは数少ない経験ですけれど、非常に濃密であり細部にまで配慮された素晴らしい映画体験でした。小さなお話しだと思います、どれも。ですが、物凄く丁寧に積み上げられ、自然に見える演技で本当に素晴らしいです。

映画が好きな方なら是非のオススメです!で、以下蛇足ですが、少しだけネタバレ無しの感想をまとめてみたくなりました。

第1章 魔法(よりもっと不確か)

モデルのメイコは現場を終えてスタイリストであり親友のツグミとタクシーに乗って帰宅するのですが、その車内でツグミは急に最近出会った男性の話しをし出して・・・

第2章 扉は開けたままで

大学のゼミで突然土下座をする男。教授と思われる男は、扉は開けたままにしておくように指示するのですが・・・

第3章 もう1度

数十年ぶりに同窓会に出席するために仙台に来た女は同窓会では特に会いたい人がいなかったようで、失意のうちに仙台駅から帰京しようとエレベーターに乗るのですが・・・

どの作品も、役者の演技、脚本の素晴らしさ、会話の妙、関係性の移ろい、大変細やかな配慮がなされた傑作だと思います。そしてこの3章に同じように大きく根底で流れているのが「偶然」と「想像」です。凄いタイトルと短編集にしようと思った濱口監督が本当に凄い。

基本的にはエリック・ロメールっぽいとしか言いようがない会話劇です。どの作品も、です。

久しぶりにエリック・ロメールが観たくなりました。パリのランデヴーについて思い出しました。

アテンション・プリーズ!

ここからネタバレ有の感想になりますので、未見の方はご遠慮くださいませ。

ネタバレありになると脚本が上手い、非常に練られている、と思わずにはいられません。まず、なんと言っても掴みの1話目の物語が転がっていくそのきっかけ、偶然、そして結末、この1話だけなら、もうミヒャエル・ハネケ監督作品の「ファニー・ゲーム」としか言いようがないです。こんなに拘ってしまうのは、私が登場人物のメイコが恐ろしいからです。

まず、この人は何を考えているのか?全然理解できない恐ろしさがあります。言葉は良くありませんが、凄い自己中心的で支離滅裂で絶対に近づきたくない人間です。

親しい友人の恋人になりそうな相手が、自分の元彼だと分かったからと言って、相手の仕事場に、夜中に行きますでしょうか?迷惑です。しかも、自分の元彼が新たな相手(それが親友であるなら余計に)に近づいていると知って、急にその元彼に自分の訳のわからない感情を投げつけ、しかも自分が元彼ともう1度寄りを戻したいわけでもなく、自分の事を1番に思っていて欲しい、という欲望、いや欲望というよりももっと薄汚い感情だと思うのですが、その感情を整理してもいないのに押しかけてきて、自分の都合の良いようになってくれ、という、もうさっぱり訳がわかりません。気がふれている、としか思えません。

しかしこれは監督のキャラクタライズが素晴らしいのであって、こういう人物であればこそ、このお話しが生きて動く訳です。もちろん素晴らしいことですけれど、この論理が通用しない、という人間を見ると私は恐怖に陥れられます。怖い。そしてこれが美貌のある人であれば、もっと怖いです、見た目に騙されてしまうからです、そしてそれが酷い差別だと分かっていても、もっと若かったら欲望に素直であったらと考えるとより恐ろしいです、自分でも自分が理解できなくなりそうで。

元彼役の演者さんの演技も良かったです。メイコ役の人の演技は、全然演技なのか観察できなかったくらい怖かったです・・・でもこの主役のメイコが物語のエンジンを担っています。恐ろしいエンジンですけれど。

2話目の話もかなり秀逸です。

まさかのハニートラップです。そんな言葉やそんな現場を見る事になろうとは、映画の雰囲気や1話目からま全く想像出来ないのですが、また、ここに欲望に忠実な女性が出てきます。そういう人って男性の都合の良い想像上の生き物だと思っていましたが、まぁいますよね、きっと。身近にはみた事ないですけれど。

この女性と教授の会話の妙が素晴らしいです。緊張感があるのに笑いが起こるのです。あまりに教授がよくわからない人に描かれていますけれど、理解はできる。そして、ここでも主役であり、物語を転がしているのは、女性なんですね。5年後の邂逅でも、最後に急にやはり主導権を取り戻しています。

この女性を演じているのが森郁月さんという方なんですけれど、この人が本当に様々な表情を見せてくれるのですが、ちょっと驚きの女優さんです。上手い、いや自然!そして振れ幅が大きい。そして目立たないのに、時折見せる魅力的な眼差しが印象に残り過ぎる!凄いです。

受け手である教授役の渋川清彦さんの渋さもすごくいいです。淡々とし過ぎていて、そこに違和感を感じさせるのが上手い。そして、私より年下でした・・・本当に生きててすみません、私。

多分肝となるのは3話です。

これこそ、偶然と想像が最も必要な物語です。そして絶対に、無い、と断言できない、緩やかな協調を協調を基にしている女性(もちろん緩やかに協調を基にしている男性もいますし、そうでない女性もいます)同士の、その優しさだけではない緊張感、その緊張感からの生活、その生活の上でのある瞬間に飛び出す存在への違和感、この流れが自然で素晴らしいです。会話劇で全てを会話で説明しているようで、実は全然説明していないし、想像させることを間違いなく意識して計算されているように感じました。本当にエリック・ロメールみたい!という事でパンフレットを読むと、ええ、エリック・ロメールの編集してた人との対談からこの映画の企画が始まってる!しかも7話構成!ええ!っとなりました。そりゃ、私如きでもロメールを「想像」する訳ですね、本当に濱口監督凄いですし、完全に手のひらの上で踊らされてます、私。

ここでも、物語を動かすのは女性なんですけれど、その受けに廻る河井青葉さんの演技も、森郁月さんと同じように、自然で、すごく存在感を感じます。友人のお母さんで絶対にみたことがあるゆとりを感じさせる、周囲の時間の経過の仕方が1人だけ違う人に、見えるんです。もちろん演技なんだと思います、思いますが、そういう人に見える。これは、濱口監督の「Drive My Car」で濱口監督が主演の西島秀俊さん演じる演出家に演じさせた演出方法を、繰り返しやったに違いない、と思わずにはいられないのです。

たいへん狭い世界の話、と言って仕舞えばその通りだと思います。思いますが、その狭い世界の一瞬に、とても映画的で贅沢で濃密な時間が見れます。

7話構成ということですから、今から続きが楽しみです。



ブログカレンダー
2022年1月
« 12月    
 1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
3031  
アーカイブ
ブログページトップへ
地図
ケータイサイト
井の頭歯科ドクターブログ