2025年3月14日 (金) 09:35
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マット・ティルタウナー監督 sonypicturesclassics Amazonprime
2025年公開映画/2025年に観た映画 目標52/120 7/20
「アプレンティス ドナルド・トランプの創り方」を観て気になった人物ロイ・コーン。そのドキュメンタリーです。
非常に詰んだ感覚になります・・・理由は後述。
規範とかモラルを打ち立てるのにホモサピエンスが如何に苦労するか?今あるルールや法律があっても、破る事を厭わない人間に何が出来るのか?そしてそのような人物であっても、いや、あるからこそ、魅入られる人がいるのでしょう・・・ロイ・コーンの能力だけではなく、その手腕とか生き様とか徹底的さに。
ロイ・コーンのドキュメンタリー映画ですが、周囲の人々の証言、実際に近い人、話した人、等の証言で成り立っている映画です。
あまりに、あまりなのでメモを取ってしまいました・・・以下その列記です・・・
◎印は本人の証言 テレビやテープで実際に話しています、ただし、画像をいじって無ければ。
〇は周囲の人の証言
◎ロイ・コーンの信念 果敢に戦う事への愛 権力や支配階級と闘う時に感じる瞬間 偽善が嫌いだ
〇専門分野は権力
〇人や法律を軽視している事が顔に現れていた 彼を目の前にしたら悪の存在を感じたはずだ
〇法曹界の死刑執行人 エスクァイアの表紙
◎顧客が望むものは? コーン 恐怖の価値
〇ロイコーンを雇ったのはタフでサノバビッチだからだ
〇ジャーナリスト:弁護士としてのロイ・コーンの信条は大切なのは法律ではなく、担当判事が誰か?という事だ
◎顧客が望むのは勝利だ そのためには何でもやる That’s my job
◎法という対審的な仕事に於いて答えは一つ それは勝つ事
◎1951年 共産主義の起訴に尽力するロイ:コーン 共産党は生き方で、邪悪で伝染病 暴力による革命政府転覆を目指し、独裁制に持ち込む事を目指している
◎ローゼンバーグ夫妻 ソ連への原子力爆弾の情報提供の罪 私がボタンを押してもいい
〇裁判時は23歳 反共の動きで出世できると考えていた その為なら倫理違反も厭わなかったと思われる
〇カウフマン判事が公衆電話から電話をかけてきた(個品的に違法行為) その時に判事に死刑判決を要請していた
〇1927年ニューヨーク生まれ 母ドーラはユダヤ人で裕福な家庭 バンクオブユナイテッドステーツ ヴァン・ヒューゼン ライオネル・トレインズ 裕福だが結婚相手が居なかった(美醜の問題とされている) そこで若い弁護士アル・コーンが結婚してくれたら判事にしてやるという 子供は1人だけ ロイ・コーンの誕生
〇母親は完璧な子供を望んだが背が低く鼻も低かったので整形をした その事でロイは羞恥心を学ぶ 父親が言語を教え、政治法律でその羞恥心を晴らせるようにした
〇10歳で父はロイをルーズベルト大統領に合わせ会話させた 最高裁判所の改革の賛成意見を話した
〇15歳 初めて収賄をする 担任教師の交通違反切符を帳消しにした
◎型にはまった人物や道徳が嫌い 退屈だ 実際に上流社会のしきたりやユダヤ人社会を去った
◎コロンビアロースクールを20歳で卒業 飛び抜けて賢く、コネを使う事が得意
〇司法省で5年勤めFBIと協力 ジョン・エドガー・フーバーFBI長官と既知になる 情報操作の一環で記者にフーバーの意向を話す その事でマッカーシー委員会の主任顧問に推薦してもらう
〇マッカーシー委員会では同性愛者への嫌疑も同じ扱い
〇所謂赤狩りで知名度を伸ばす しかし彼自身が同性愛者の可能性
〇マッカーシー委員会の閉会後NY弁護士に 法的能力 コネ ここにさらに記者 ネタをくれる存在 をコントロールしようとする 愛国者である事を利用して
◎自宅ではディズニーのグッズに天井は鏡張り、グッズの中にはぬいぐるみももちろんあった
負けを認めない、というか絶対に非を認めないと決めている人物と、どう話し合う事が出来るのだろうか?
負けがなんなのか?理解出来ない上に、勝ち負けではない事であっても、自分のいう事を聞かない相手を打ち負かし邪魔にし、難癖をつける。幼児の自己肥大した感覚を成人どころか老人になっても続けているホモサピエンスと話し合う事が出来るのだろうか?相互理解などという事が可能なのだろうか?
基本的に人と人は理解しえないし、だからこそコミュニケーションが必要で重要。分かり合えないからこそ分かり合う努力が必要であるが、相手を認められない、敬意が持てない相手と何を離せばよいのだろうか?
ロイ・コーンでさえ、ロイ・コーンを必要とし、なんなら利用していた人間がNYにはたくさんいた事はこの映画でも十二分に理解出来たし、映画の中でいかに悪魔的な人物に見せようとも、そして実際にそうだったとしても、ロイ・コーンは存在し、弁護士として長く仕事に携わり、それなりの判決に影響を与え、金銭と権力を手にしていた。その事に結果協力していた人がたくさん、想像よりも多く本当にたくさんいた、というだけでしかないし、死後にこの映画が作られている事も、公平性を欠くとも言える。
けれど、それはNYという街であり、アメリカの中の一部だったけれど、その基に育ち巨大化した人物が大統領になる事に、おおよそ半分以上の人が投票したという事は、まぁ私もそうなりたいと考えたりしている人が多い、という事で、鶴見俊輔のいう「一番病」の最悪の発展形と言えなくもない。
凄く詰んだ感覚がある。
トランプが何処に行くのか?興味のある方にオススメします。
2025年3月11日 (火) 09:23
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ソイ・チェン監督 クロックワークス バルト9
2025年公開映画/2025年に観た映画 目標52/120 7/19
巷で大絶賛、友人たちも強く推しているので。私はアクション映画があまり好みでは無いのですが、それを知っている友人からは「ハイローだから大丈夫」との事。確かに、ハイローだと映画のアクション作品としては面白がれるかもしれない、と思い足を運びました。
1980年代香港。ディスコのような場所でかかるダンシングヒーロー。賭けで人間同士が戦っていて・・・というのが冒頭です。
香港映画の新しい伝説的映画と呼ばれるのも良く分かりました。これは響く人には大変響く作品だと思います。もちろん私も好みの映画では無いにしろ、大変響きました。
まず舞台が1980年代香港で九龍城砦を選んでいるのが、大変象徴的ですし、面白いのですが、どうやら原作があるみたいですし、原作とはかなり改変もあるようです。
でもそんな事はこの映画の中では些末な事になってしまうくらい、登場人物たちの色合いが濃くて、タイプも様々。かなりの人がこの映画の中のキャラクターでいろいろ遊べてしまいそうです、なるほど、多人数でアイドルグループをやってるのはこういう為なんですね。
かなり登場人物は込み入っています。親というか兄貴世代が3名居て、ここに裏社会の同じ世代がもう1名、それぞれの跡継ぎというか腹心の部下がいますし、その仲間もいます。でもなんとなく分かる様に、髪型とか服装とかにかなり細かな設定とかギミックをいれていて、配慮もばっちりです。
香港映画の全盛期が何時なのか?は不明ですが、私が子供の頃は確実にある種の流行がありましたし、それなりに映画館でかかってましたけれど、今はどうなんでしょうね・・・サモ・ハン・キンポー、ユンピョウ、そしてもちろんジャッキー・チェン。当時は2立てで映画観れました。
そのサモ・ハン・キンポーがでているわけで、いかに重要な映画なのかが分かります。そして伝統を継いだ居るわけです。
なので、当然新世代も居て、この新世代の中に主人公がいますし、敵役もいるのが凄く込み入った感じになっている訳です。
で、私が好きなキャラクターは断トツで龍兄貴、こと龍捲風(ロン・ギュンフォン)を演じたロイス・クーです。めちゃくちゃにかっこよいのですが、何処かで見た事がある、かと思うと、まぁドリフターズが生んだスーパースター加藤茶さんに似ているんです、スチャの「WILD FANCY ALLIANCE」の中の曲の一見アレだけどよく見ると茶マニアだと思われる服装なんです。でもそれだけじゃ言葉で伝わらないので、補てんする意味で言うと、未来の菅田将暉なんですよ。菅田将暉さんはカッコイイけれど、何気に加藤茶さんに似ているし、菅田将暉が将来こうなると考えるとアツいです。
アクションは確かに凄いのかも知れませんけれど、大切なのはキャラクター。そのキャラクターに感情移入させる事が出来たのであれば、よりアクション映えるのです、心に残るのです、心で勝手に反復してしまうものだと思うのです。
この映画はそのキャラクターが非常に立ってると思います、だからこそアクションが光る。かつて見た事があるアクションであったとしても(はっきり、ハイローの、ようなアクションもあるし、ワイヤー無いと無理な絵もあります)、そのキャラクターがそのアクションをしている所はこの映画でしか見れないのですから。だから熱量が上がる。
このワイヤーアクションだって、香港映画の伝統とも言えますし、アツい。
最初、主人公なるキャラクターは存在しないで、マクガフィン的な扱いなのかとも思いましたが、そんな事は無かったのでびっくり。普通はここで継承があるはずなんだけど、それをしなくても大丈夫なのが良かったし斬新。
それから、敵同士だが絆が存在するのもイイですし、この前日譚は既に映画化に向けて動いているそうなので、楽しみです。
ただ、1つだけ難点もあって・・・それが結構肝にも繋がるので、気になってしまうのですが、これは確かに難しいのですが、これリターンマッチの切り札でもあって、重要なんで・・・あと、名前ね・・・偽名を使う必要性くらい入れておけば・・・でも多分それくらい考えていて、まどろっこしくテンポ悪くなるから使わなかったんだと思ってます。
是非橋Pを知っている人に、オススメします。橋Pが分からない人も、是非。
しかしそっくりだったなぁ笑
アテンション・プリーズ!
ここからはネタバレありの感想です。未見の方はご注意くださいませ。
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ネタバレ在りの感想です。
まず、いつ龍兄貴はロッグワンに出自に気付いたのか・・・が謎なんですけれど、テンポ悪くなるからカットを信じたい。
それにこの映画はキャラクターを愛でる映画。
主人公にはもう少し主人公性みたいな何かが欲しかった気もしますけれど、それはそれでよいと思います。影薄い気もしますけれど、ね。優しいからOK
龍兄貴は別格としても、虎兄貴の活躍はもう少し見たかった。秋兄貴は、やるな、な一面を持ってたし、過去の因縁も理解出来るけど、執着が強すぎる。龍兄貴の心の広さの対比キャラになってるから仕方ないけど。
龍兄貴の一派、信一(と書いてソンヤッと読む!)がバイク乗りで狭い場所でも自在に動かすのカッコイイし、顔も綺麗で人気あると思う。だが、指を失うの、本当に痛そう・・・
四仔(と書いてセイジャイ)の、マスクが、何となくにわのまこと先生の漫画「MOMOTAROH」の主人公のプロレスラーの仮面に似てます。記憶ってこういう何だか良く分からない繋がり方をするから面白い。医者で日本語喋れて、何故かビデオで何かを探しているし、謎も多いけど、前日譚でも活躍しそう!
十二少(と書いてサップイー)のなんか非常に日本のヤンキー器質が服を着て歩いている感じが、根がイイ奴で実は頑張るタイプなの良かった。
この4名が敵を討つの最高なんだけれど、立ちふさがるのが橋Pで、このキャラクター凄くカッコイイ。
橋Pじゃなかった王九(と書いてウォンガウ)が無茶苦茶な性格で悪を背負う気概のようなものを持ち合わせていて、はっちゃけ方も見事。高笑いというか基本的に人を見下している感じもイイですし、手も声も笑いも出ちゃうんだから仕方ない、みたいな性格まで最高です。本当に橋Pに似てて笑える。
硬直!
大変楽しかったです。
2025年3月7日 (金) 09:19
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岡本喜八監督 東宝 U-NEXT
2025年公開映画/2025年に観た映画 目標52/120 6/18
2025年は岡本喜八監督の生誕101年、そして2月17日は誕生日で、本日(つまりこの映画を私が観た日です)2025年2月19日は命日です。ちょっと前、2000年代初頭だったら、岡本喜八監督作品は観難い状況でした・・・しかし、流石U-NEXTさんです。そこで今回はこちらを観る事にしました。
強い風が吹き荒む天保4年の上州の荒れた宿場町。そこにやつれた侍が・・・というのが冒頭です。
うわ~めっちゃ黒澤明監督「用心棒」やないか~と最初は思いました。筋というか、設定が物凄く似ているというかほぼ同じ!
ですけれど、格調高い娯楽大作でマカロニウエスタンの原点と言われる「用心棒」を、岡本喜八監督が映画にすると、こうなるのか!という「用心棒」への岡本喜八の答えが、この映画、と受け取りました。
主人公は2名、無宿者をやっている源太を演じている仲代達也と、侍になりたい田畑を演じているのが高橋悦史。
基本的な流れは用心棒なんですけれど、ヒロイックにしないんです。大上段に構えない。ただ人間が生きて頑張る、それだけでも心を動かせるのが岡本喜八監督。格式高くないし、なんなら下世話でいつの時代も権力に組み敷かれている人たちのけじめとか意地とかを見せつつ、ラストにアレが来て、もう最高です。
仲代達也さんはもう別格にカッコイイ。2枚目も3枚目も出来る人なんですけれど、この映画の中では芯は通しているけれど、全然シリアスじゃない。完全にボケなんですけれど、そこがカッコイイ。そして無敵なヒーローじゃない人。怪我もするし完璧じゃない、そこに愛嬌もあるし、人間味があるんです。
だから人に好かれるキャラクター。この人物と関わって侍になりたい田畑=高橋悦史さんが、農家の魅力を、家老は老人の魅力を見せる。それぞれのキャラクターに花を持たせて、活躍の場が存在します。こういう所、みんなが岡本喜八監督作品にやられる魅力の一つだと思います。
だからこそ、その敵役が重要なのですが、演じる神山繁さんの渋さ、目の圧力、佇まいの格式、所作に説得力が無いといけないのですが、完璧だと思います。この人じゃないと成立しない物語。こういう所も流石岡本喜八監督!
岡本喜八監督作品が好きな人にオススメします。
2025年3月4日 (火) 09:09
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ジャスティン・カーゼル監督 AmazonMGMstudio Amazonprime
2025年公開映画/2025年に観た映画 目標52/120 6/17
2025年の作品を今のうちからこなしておかないと、と思いつつ、ついツインピークスを観ている最近ですが、Amazonprimeでオススメされたのが2025年公開作品だったので。
キリスト教徒の血についてラジオでの対話の中で話される会話が・・・というのが冒頭です。
冒頭の一連の中でも字幕で「実話に基づく物語 BASED ON TRUE EVENTS」となってて7,何となく、a true story とか a real story という表記は観ていると思いますし、storyという単語でもう物語なんで、事実とは異なる、と言っているのと同じだと思うのですが、True Eventsだと、物語というよりは事実に近く感じる感覚があるのですが、あくまで英語の表記から感じるモノなのですが、どうなんでしょうね。
恐らく初めての監督作品だと思います。凄く淡々としている上に、景色の美しさがこの映画の特徴だと思います。もちろん実際の事件のについて、ざっと関連のWikipediaを巡りましたが(ネタバレを含む情報も多数ありますが、おおよそ、1 ウィリアム・ルーサー・ピアーズ 2 ロバート・ジョイ・マシューズ 3 ナショナルアライアンス 4 ターナーの日記 5 ジョージ・リンカーン・ロックウェル )、非常に暗い気持ちになります・・・ちょっとアメリカの右派、それも反ユダヤ思想を知る事になった訳です。
変な例えで申し訳ないのですが、要は、ジョージ・リンカーン・ロックウェルの組織からウィリアム・ルーサー・ピアーズが出てきて、そのピアーズがナショナルアライアンスを作り、その中からより過激なマシューズが出てきた構造で、これって、みんな大好き天才と称される石原莞爾が満州国を作る事を正当化する為に事件を起こして戦端を開き、既成事実を作って上層部の命令を違反した(けど満州を取ったのだから良いという趣旨で天才なんだろうけれど)のを、部下の武藤章が今度は戦線拡大に石原莞爾と同じやり方を踏襲していて、自分はよくて武藤はダメな事にならないし、軍紀を乱したのが自分な訳ですし、その武藤章が出現する事さえ予見できなかったわけで、流石天才と称される人物な訳ですけれど、そういう顛末と似ている気がする・・・
ネタバレになるし、何ならこの映画の中身とは全く関係ない部分もあるのですが、勉強ができるとかじゃない頭の悪さというか、思い込みの強さが妄想と相まって、とても極端な方向へ先鋭化し、自らの欲望が(宮台真司先生言う所の『女は自分を変えるが、男は世界を変えたがる』という種類の欲望の話し)強く、なんなら相手をヒューマンとかホモサピエンスとも思わないわけです・・・とても暗い気持ちになるし、そういう人が昔から居て、だから2025年にはトランプが大統領になってしかるべきなんですね・・・ホモサピエンスが滅ぶ方が地球には良いので、それでもいいか、くらいの気持ちになりますね。
閑話休題
映画は凄くジュード・ロウ視点で進み、いわゆるFBIモノというよりも刑事モノですし、まぁノワール的とも言えると思います。
そしてもちろんジュード・ロウだと思えば心地が良い訳ですけれど、なんか、ね・・・この事実に対してこういう主人公を立てて、ヒロイックというかハードボイルド風にして問題を解決風にするのは逆効果な気が致しました・・・
ただ、やはり光るのが悪の魅力あふれるマシューズを演じた、ニコラス・ニュークス・ホルトです、そう陪審員2番の彼です。
それにしても、なんで思想が過激な人って単純な敵を見つけて、誰彼構わずに、攻撃するんでしょうね・・・
どこの国のSNSでも同じですけど、自分が絶対の正義であると 信じ 込んだり、議論の余地が無いと(相手に確認しないで)自分だけが決めた、となった際の、他者を他者と思わない、最も残酷な存在になれると 私も 信じて います。
もう事実と認定して良いくらいに私も 信じて いるので、この信じている段階で、私も同じ穴の狢で、危ないんですけれど、だからこそ、地域とか国家とか見えない科学的に問えない何かに自我を委ねたり、その威光を借りて先鋭化して他者を傷つけるのはもうやめた方が、とは思うけれどホモサピエンスも動物で、しかも頭が悪い、過去から学べない上に、世代間での継承が行われない生き物なので、仕方ないのかも、とも思ったり思考がぐるぐる金井美恵子文体のように、回る。
アメリカ近代史の暗部に興味のある方にオススメ致します。
2025年2月28日 (金) 09:18
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ジェシー・アイゼンバーグ監督 A24 U-NEXT
2025年公開映画/2025年に観た映画 目標52/120 5/16
あまりにリアル・ペインが良かったので。初監督作品も観て見ようと。そしたら配給はA24、なんかもう、成功してる感じですよ、最初からこの扱いか、天才っていうか努力の人なんでしょうけれど、才能が凄い。五百億分の一でいいから分けて欲しい・・・息をしているだけで何も産み出せず、馬齢を重ね、以下略。
ネットの中でライブが行われているような空間で歌い出すジギー(フィン・ウォルフハード)、場面変わって女性の為のセーフハウスを運営しているエブリン(ジュリアン・ムーア)は親子で・・・というのが冒頭です。
これが初監督作品!!!ジュリアン・ムーア出てるし、フィン・ウォルフハードも出てるよ!
で、親子関係映画だったか・・・しかも母親と息子の話しでした。ここはあまり好みでは無いのですが、作品はなかなか良かったです。でも邦題はどうなんだろう・・・興味を削がれる感覚しか無いし、雑。直訳もちょっと意味が分からないけれど、常套句なんでしょうか?慣用句で意味が違うのかも。
いつも通り、ジュリアン・ムーアって嫌な時の顔とか、じわじわと理解し合える時の表情の演技上手い、と思ますし、流石。
息子の、どうしようもなさ、というか無力感やダメな部分は、年齢的にも仕方ないし、まぁ少しダメの度合い、この年代で、それは無いのでは?というイタさも感じられます。政治的な意味に無頓着だし鈍感過ぎるし、自分の名前のイニシャルの付いた帽子をかぶるのも、なんでも自分のサイトの話しになってしまうのも、子供なんだからある意味仕方ないし、こういう扱いを受けないと、男性としては成長出来ないので仕方ない。我慢して気付くしか無い。そしてアメリカでも、男子と女子の精神年齢には開きがある事が分かったけれど、まぁ全世界共通的な部分でもあるでしょうね。
それと対比される母親のダメさは、ちょっと引いてしまうくらい根深い・・・この差を埋められない感覚が、個人的な感覚なんだけれどあって、それがやはりオトナとして嫌なんだけれど、きっと私も若い世代から行動を観察されているとあるんでしょうね・・・気づけないのは致命的で改善の可能性がゼロだという事を指し示していて、非常に恐ろしさを感じます。
結構な嘘もつくし、その小狡さ、が鼻につく。そして客観視すると、エレベーターが来る前に話しかけただけで解雇を言い渡される可能性感じているという権力勾配に無頓着な所が息子であるジギーにも似ていて、家族の恐ろしさ、遺伝子的に逃れられないのが本当に恐ろしい。
しかも、よく考えるとこのエレベーター前で話しかける女性に対する扱いの酷さ、この後とある人物の前ではようはダシに使われ、容姿を(コスチュームだけど)馬鹿にされ、あまつさえ、夫と息子に対する嘘に再利用されてる・・・
それとこの映画の話しで身につまされるのは夫。この夫の扱われ方、それも家族からの扱われ方。そしてその対処方法の真っ当さと相まって、非常に爪痕残してくる。
これだとシングルの方がまだマシなのかも知れない、と思わせる存在でなかなか。
音楽の使い方、特にいろいろな上手さがあるのですが、曲の頭の部分を何度も聞いていて、それがある変化が起こるラストの感覚、新鮮でした。
ジェシー・アイゼンバーグが気になる方にオススメします。