井の頭歯科

「狼たちの午後」を観ました

2024年10月22日 (火) 08:54

 

シドニー・ルメット監督     ワーナーブラザーズ     U-NEXT
2024年公開映画/2024年に観た映画  目標 36/100です。 現在は30/98
原題は「Dog Day Afternoon」恐らく暑い午後的な引用句だったと思います、確か浦沢直樹著「masterキートン」でも言ってましたし。
1972年8月22日NYブルックリン 実際に起こった事件に基づいている という字幕の後、ブルックリンと思われる街並みが写されるのですが、想像以上になかなかです・・・カットバックすると場面ごとに全然違った街に見えるのですが・・・というのが冒頭です。
流石名匠シドニー・ルメット監督作品。非常に見応えがあり、かつ細やかな演出も冴えわたりますし、今観ても新鮮。ハリウッドが言う「事実に基づく」は全然事実じゃなく誇張も甚だしいのですが、そういう風に簡単に煽情的にしないシドニー。ルメット監督は信頼に値する監督ですし、この作品の持つ視座は長く現代でも十分に問題提起になっていて、しかもそれを監督は新聞記事で知って、映画にしようと思ったそうで、慧眼としか言いようがない。
役者で言えば、それはアル・パチーノの1人舞台のように見えて、凄くいい意味で不気味な存在感であるジョン・カザールの存在も忘れられない。
脚本の練り上げ方も流石ですし、銀行強盗モノの傑作と言える。
緊張感のあるケイパーモノが好きな方にオススメします。
最初の曲とブルックリンの街並みが、もうMTV感満載でかっこいいです。

「戦艦ポチョムキン」を観ました

2024年10月18日 (金) 08:55

 

セルゲイ・エイゼンシュテイン監督     Amazonprime
2024年公開映画/2024年に観た映画  目標 36/100です。 現在は30/97
恥ずかしながら、初めて観ました。で、まさか無声映画とは思いませんでしたし、え、これって、あの有名な映画のシーンみたいだけれど、これのオマージュだったのか!的なシーンもあり、驚きが連発。
ロシアの戦艦ポチョムキンに搭乗している水兵は厳しい生活を強いられていて・・・というのが冒頭です。
何となく、戦艦が出てくるので戦争映画なんだろうな、と思っていましたけれど、全然違いました・・・
いわゆるロシア革命の記念として製作された映画の様ですけれど、そういう経緯理解したとしても、非常にスペクタクル。出演する人数を考えても素晴らしい効果を上げていますし、ロケーションも凄いです。その割には、すぐにミニチュアだと分かるシーンもあるのですが、なんか微笑ましく感じます。
オデッサという単語を初めて知ったのは小学校4年生くらいだったと思いますが、今は戦地になっていて、そこについても考えさせられます。
大変有名なシーンということさえ知らずに観たので、非常にびっくりの連続だったのですが、オマージュ作品を先に観ていると、なるほど、と納得の感覚。
市民革命である事を強調していますし、その前段階をかなり悪く描いているのではないか?という感覚もありますけれど、まぁそういう点は仕方ないと思います。
それと、音楽はこのために作られたかのような画面の動きとの同期性を感じましたし、1812年オマージュのメロディも非常に感銘受けました。やはりこのメロディはあがりますね。
しかし、これタイトルはもう少しどうにかならなかったんでしょうかね・・・
映画の発展の経緯を知る事に興味がある方に、そして無声映画だとしても非常にスペクタクルな事が出来るのだという事を知る事に興味のある方にオススメします。

「あんのこと」を観ました

2024年10月15日 (火) 09:22

 

入江悠監督     キノフィルムズ     Amazonprime
2024年公開映画/2024年に観た映画  目標 36/100です。 現在は30/96
入江監督作品なのと、早くもAmazonprimeで観られると聞いたので。
脚本も入江監督だったので。
なんにも知らないまま、ただ主演が河合優実さんなので、間違いないと思ったのもある。
正直感想にまとめるのが凄く難しい。
何が原因でどうすれば良かったのか?を考えてはみるのですが、現実の事件に着想を得たフィクション、という部分で凄く考えてしまう。
演者の皆さんは1名を除き、良かったと思いますし、その1名の方も、いつもと比べたら良かったとも言える。それにこの人はそういう人なんで、これはキャスティングする方のセンスと言いますか、好みの問題かも。
んんん、娘をママという部分がこの映画の中で最も新鮮で、最も残酷で、最も心情が透ける言葉。
かなりの早朝に繁華街と思われる街を、そして東京オリンピック開催前と思われるポスターや掲示がある道を歩く女性の後ろ姿が・・・というのが冒頭です。
監督が脚本を書いていて、現実の事件を基にフィクションの映画にしている動機を考えると、この映画で扱っている問題に社会の目を向ける為、と考えるのが普通で、もしそうであるなら、ある種の解決策への道筋のような部分まで含めても欲しかったのですが、そこは大変難しいのかも知れません。
なんというか個人や家族の問題に収斂していい話ではないと思いました。
そしてホモサピエンスというのは、どこから見ているのか?でそういう面もある、というだけなのだとも思います。つまり全員が善意だけで、良い人だけで出来上がっている訳では無い。という至極当然の話しですけれど、つい、物語やキャラクターでその人をカテゴライズしてしまいやすい。そういう部分は気をつけたい、とも思うけれど、この物語の中で最も裏表のある人物の描写は、昔よく見られてキャラクター造形でもあり、まぁ割合最初から疑って見ている感覚はあります。
ただ、河合優実さんは本当に凄い役者さんだな、とは思います。ちょっとびっくり、またしてしまいますし、この人は作品ごとの振れ幅が大きすぎて、その上いつも全然違う人に見えるくらいに自然で、末恐ろしい。
河井青葉さんも、もうそういう人にしか見えないのですが、演技なんですよねぇ、凄い。
二転三転する割合ラストの方に、ミスリードさせる、ある種カットバックな演出があるのですけれど、これは要らなかったんじゃないでしょうか?ちょっとあざといと思います・・・
完璧なホモサピエンスはいないし、まだホモサピエンスは完全な政府も作れていない。というのは意識した方が良いと思いますけれど、もう少しどうにか出来た。でも現実って本当に厳しいですね。
上手く感想はまとまらないけれど、一見に値する作品。
河合優実さんという若い役者の凄みに興味がある方にオススメ致します。

「ナチス強制収容所/ナチス絶滅収容所」を観ました

2024年10月11日 (金) 08:55
ジョージ・スティーブンス監督(?)     Amazonprime
2024年公開映画/2024年に観た映画  目標 36/100です。 現在は29/95
何気なく、Amazonprimeの動画をチェックしていると目についたので・・・完全に見逃していたし知らなかった作品です。
これはアメリカ陸軍のドイツ解放の過程に収められた記録です。そして、冒頭にしつこく、この映像は改編や変更を加えていない事を何度も注意喚起しています。
逆にそこまでしないと信じて貰えなかったのでしょう。ですので、そういう内容です。
眼を背けるべきでない事象が映し出されています。
ダッハウについては記録を読んだ事はあっても映像で観たのは初めてでした。
アウシュビッツが有名ですけれど、それ以外にも、ザクセンハウゼン、ブーフェンヴァルト、ベルゲン・ベンゼン、ダッハウ、とそれ以外にもたくさんあるのは知っていましたが、実際の映像を観たのは初めてでした。
ホモサピエンスは何をするか分からない、という非常に苦い事実の樹記録だと思います。
だから、2024年の東京都知事選で、この1点のみで、いかにヤバいか?が分かる候補者が、大差で勝つうちの国の首都なんで比較的まともな人が多い選挙区で、この結果だと、まぁダメになるしかないな、と思う次第。2位が自分大好き権威主義者で、本当に滅入る。

「グラディエーター」を観ました

2024年10月8日 (火) 09:09

リドリー・スコット監督     ドリームワークス     U-NEXT
2024年公開映画/2024年に観た映画  目標 36/100です。 現在は29/94
どうやらグラディエーターⅡが製作されているらしいという情報を聞きました。そういえば、観てないな、と思い、予習の為に、観たのですが、なんか、Ⅱはもういいかな、というのが感想です・・・だって、これ、ヒャッハー的な面白さしか感じられない・・・いやもちろん、リドリー・スコット監督作品ですので、ちゃんとしているし、莫大な資本が投資され回収されている作品なので、ハリウッド大作として優秀なんですけれど、個人的にはさっぱりな作品。
マルクス・アウレリウス皇帝が前線であるゲルマニウムの戦いに赴き・・・というのが冒頭です。
ラ、ラッセル・クロウが細い!!そしてホアキン・フェニックスが若すぎる!!!という訳で調べてみると2000年!の作品四半世紀前の作品だったんですね。
リドリー・スコット監督も1970年代から作品を発表している巨匠ですし、意味がある作品だとも思うのですが、脚本がちょっと・・・そう言えばエイリアンシリーズの生みの親として、乗り出してきて製作した「プロメテウス」も映像は綺麗なんですけれど、脚本が全然乗れませんし雑。そう言う所のある監督でしたね・・・
マルクス・アウレリウス!と言えば自省録ですし、今も読み続けていますけれど、筋が無いから追いにくい・・・なかなか進みませんけれど、五賢帝と呼ばれる一人でもありますし、プラトンのいう哲学的支配者ですし、なかなか興味深いのですが、なにしろ評価を下げているのが、息子コモドゥスを皇帝にしている事なんですね。
ですが、史実は分からないけれど、マルクス・アウレリウスは共同統治の皇帝も居ましたし、共和制に戻そうともしてないと思いますし、いろいろ気になる描写や設定が多いのですが、完全に否定も出来ないのですけれど、何となく、作品としてのスペクタクル、そして感情移入させる器としてのラッセル・クロウの役としてエンターテイメント作品に仕上げていると思います。で、そこが評価されているのでしょうし、私はそこが雑、と思う訳です。
冒頭の戦闘シーンはすさまじく、お金がかかっていますし、壮大なスケールで時間差の攻撃を見せてくれますし、素晴らしいのですが、このシーンが丸ごとカットされても、別に映画のストーリィとしては何の問題もないくらい、の場面です・・・だから凄く飲み込みにくい・・・あくまでエンターテイメント性を重視しているのだと理解出来ても、もう少し脚本として練れたと思うのです。
それに、皇帝の息子コモドゥスの性格を表すシーンは必要だったと思います、過去の改装シーンでも入れておけば、もっと際立たせる事が出来たと思うのです・・・
ローマ史はなかなか面白いですし、幅広くたくさんの知識が求められますけれど、もう少し史実に沿っても良かったんじゃないでしょうか?特にラストは全然全く納得出来ません・・・いやさすがにそれは無いんじゃ・・・と思いました・・・
という訳で、ローマ史に詳しくなくて、娯楽映画を求めている人に、オススメします。
Ⅱは、もう映画館で観なくても良いかな、という気分にはさせてくれました・・・
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