井の頭歯科

「新聞記者」を観ました

2019年7月30日 (火) 08:10

藤井 道人監督        イオンエンターテイメント

歯科医師会の先輩から、オススメして頂いたので吉祥寺アップリンクにて鑑賞してきました。

2018年2月、内閣情報調査室に外務省から出向中の杉原(松坂桃李)は、妻が身重でもうすぐ家族が増える20代後半から30前半くらいの年齢の官僚です。ある日外務省時代の先輩の神崎(全然知らない役者さんですが、とても合っていると思いました)に夕食に誘われるのですが・・・というのが冒頭です。

まず、すっごく2019年の今が旬の映画だと思います。現実の事件を彷彿とさせる事象を扱っています。

そして、キャスティングが良かったと思います。まず松坂さんは、凄く印象変わりました、「日本のいちばん長い日」原田眞人監督作品では、少々浮いた感じでしたけど、今回はかなり良かったです、それでも、少し泣きの場面は強すぎる感じましましたが、特に、目が泳ぐ演技は素晴らしかったと思います。

次いでもう1人の主役のシム・ウンギョンさん、たどたどしい日本語も帰国子女設定でかえって自然で良かったと思いますし、目のチカラが凄い。このキャスティングが難航したって聞きましたけど、美味しい役なのに、なんででしょうね。この程度の映画のキャスティングに事務所が忖度してしまうのだとすると確かに怖い社会になりましたね・・・

良かった役者陣の中でも1番は神崎さんを演じた高橋和也さんです。物凄く実在感を感じました。特に遺影写真が最高に実在感を伴った喪失感があって稀有な感じ方しました。

次点で先輩記者役の北村有起哉さんです。何故かと言えばすっごく菊地成孔さんに似てるんです。すみません、全然知らなかった俳優さんですけれど、ホント良かったです。

また、ロケーションが良かったのも特徴だと思います。1つ目が松坂の住む家です。なんというイイ家に住んでるんだろう、と思わせます。不思議だけれど、すっごくイイです。

2つ目が、とあるビルの屋上のロケーション。ど真ん中に、意識してみると、ちょうど国会議事堂の頭の部分が見えていて、すっごく象徴的。ここはどうやって見つけたのでしょうか?本当の庁舎じゃないとは思いますけれど、びっくりしました。

さて、ストーリィですけれど、私はすっごく違和感を感じました。正直私は現政権の経済政策以外は支持出来ないし(それも消費税上げる事で、あまり加担できなくなりました・・・)、1番嫌だな、と感じるのは、下品だからです。民主主義って別に多数決が全てなんじゃなくて、少数の、野党の意見を政策の欠点であれば取り入れて、修正するからこそ、現政権支持ではない人にも配慮出来る仕組みじゃなかったんでしょうか?もし、議会制民主主義を尊重出来ないのであれば、議論しないで選挙後にすぐに採決すればいいわけですし、議論しても修正しないんだったら、それは議会制民主主義ではないと思います。で、申し訳ないですけれど与党の議会運営が凄く幼稚だと思います。また、憲法改正には賛成しますけれど、憲法って統治権力の権限を縛る為のもので、つまり自国民に言う事を強要させる道具ではないんですけれど、その辺を全然理解出来てない集団が憲法をいじるのは反対です。自称保守勢力にこれだけ議席があれば、何でもできるかも知れないとは思いますし、それは選挙というシステムの結果ですのである程度は許容しますけれど、ね。しかし上手くないし、謙虚さが感じられない上、データ改ざんが行われて信用がなくなったのに、誰も責任を取らないって、ちょっと信じがたいですね。それでも、現政権を支持する人が多いから与党なんですよね。
不思議なのは、いくらなんでも内閣情報操作室(=内調)が果たしてこんな仕事してるのかな?というのが1番の疑問です。

確かにタイムリーなトピックを含んでいるし、悪くない映画だと思います、あくまでフィクションとしてって事ですけど。でもね、ちょっと反政権サイドの人が集まり過ぎてて、そこに違和感があるし、公平性に欠けるように感じてしまいました。

あと、架空の座談会形式のネット番組が流されてる場面が多いですけれど、この映像は『VIDEO NEWS マル激トーク・オン・デマンド』の方が良かったんじゃないかな?と思います。

あまり公平性を感じなかったのが残念。

それにしても松坂の奥さん美人さんですね、全然知らない女優さんでしたが、チラリとしか出てこないけど。演技が出来なくても、美人さんが出てくると画面が映えますね、もちろん美男子である松坂さんの場面も当然映えます。美談美女のカップル、久しぶりに観ましたが、自分とは1mmも関係ないのですが、良かったです。

あと、ラストカット。ここの意味はどうなんでしょうね。私はこの後、映画「或る終焉」のラストカットが起こるのかと思いました。

私はこの映画を観て、義憤に駆られた人が、溜飲を下げる感じになってしまうのが、1番怖いと思います。それに官僚を犠牲にしないと権力を監視できないのもマズイと思います。じゃ、お前は何が出来るんだよ、と言われたら、何にも出来ないんですけれど。

内調が気になる方にオススメ致します。

アテンション・プリーズ!!

ココからネタバレありの感想になります、あくまで私個人の感想です。未見の方はご遠慮ください。

悪くないですよ、もちろん。正直この女性記者のモデルが誰なのか?も知らないですし、性的暴行を犯して現政権に近い人物が不起訴は、そりゃない、とも思ってます。

が、いくらなんでも内調が、よりによって公安と組んで、ネットへ介入、また週刊誌に介入はいくら何でも、と思います。週刊誌へのリークはあると思いますけれど、ここまであからさまにやってますかね?

もちろんやろうと思えば出来るわけで、現政権のお友達というより、この政権含む自称保守コミュニティの幼稚さを考えると、やっててもオカシクナイとは思いますけれど・・・

が、そこは結局不明なんですよね。内調の人は否定するでしょうし、内調という構造上、内部の様子や活動が不明ですし、10年くらいして資料公開してくれないと恣意的な行為が行われているのか?という疑問を払拭出来ない構造になってるので疑われたくなかったら、何年後かに情報開示をしないとマズイです。そういう仕組みになっているのか?調べてみたいです。

でも、そういう事含めて、それでも人物的に議員に値する、という人でないと議員にしちゃいけない、というのは基本的な部分だと思うんですけれど。

さすがに内調がネトウヨに乗っかるとは思いにくいです。 あくまで私の個人的な感じ、ですけれど。もし、本当にこんな事してたら、それは、相当な「1984」ジョージ・オーウェル著的な、まさにディストピア世界になってると思います。

脚本は悪くないんですけれど、でもいくつか気になる部分もあって。

まず、神崎さんの死の原因がどうも飲み込めない。

確かに外交官のキャリアをかけて泥をかぶる、ありそうな話しです。そこは我慢出来たし、それでも外交官としての未来に賭けたわけです。でも再度泥を被る案件があり、しかもリークまでやってるのに、なんで細菌兵器くらいで、決算のハンコを押印した事で、そこまで思いつめちゃうんでしょうか?しかも、内調にいる信頼できる松坂と会っていて、全く話さなかったのも不明です。自殺よりも、名前を公表、顔出しの上、辞職も辞さない覚悟で、資料を公開すれば良かったように思います。その方がよっぽど効果があったと思いますけど・・・

それと、新設大学の話しは実際の新設大学の話しに絡めたかったんでしょうけれど、余り上手く行ってない気がします。まず、細菌兵器って、そんなに簡単じゃないし、そもそも東京にも国立感染症センターでエボラとかかなり危険なウィルスを保有してます。

映画的な脚本として、もう少し練れた部分じゃないかと思います。原子力関係の方が良かったんじゃないかと思います。ココが弱すぎるのは脚本としてもったいないです。

あと、唯一、スリリングなシーン、資料を盗撮するシークエンスですけれど、もう少し上手く出来なかったかな?足止めしている記者が松坂にそろそろ行きますよ、的な信号を送るとか、1回だけ電話鳴らすとか、出来たんじゃないかな・・・しかも誰も居なかったなんて、スリリングにしてるのに、はしごを外した感じでこれももったいない気になりました。

ただ、内調の現状、本当にもう少し知りたいですね。

One Response to “「新聞記者」を観ました”

  1. [...] ような映画が出来たらいいのに!と思います。この『全裸監督』のドラマと比べたら少し前に観た「新聞記者」(の感想は こちら )は残念ながら薄っぺらく感じてしまうと思います。 [...]

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カテゴリー: 映画 感想 | 1 Comment »
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