https://www.youtube.com/watch?v=kEaffvQMY4g
マグナス・フォン・ホルン監督 NORDISK FILM U-NEXT
2025年公開映画/2025年に観た映画 目標52/120 45/124
劇場で観たかった作品ですが、どうしても行けなかった・・・のが、やっとU-NEXTさんに来ました。
モノクロの濃淡の絵と画角と役者と美術が融合していて素晴らしい作品。
第1次世界大戦末期のデンマーク。凄く象徴的に、人間の顔に注目されるコラージュがモノクロの光と影で展開されて・・・というのが冒頭です。
基本的には何も知らないで観るのがベストだと思いますし、割合近いのはもしかするとロバート・エガース監督の「The LIGHTHOUSE」かも知れませんが、もっとリアル寄りですし、もっと業の深い話しです。ファンタジー要素無しと言えるでしょう。
戦争の銃後ではこのような世界が広がる可能性の話し。
演者のヴィック・カルメン・ゾンネさんとトリーネ・ディルホルムさんは物凄く良かったですし、主演ヴィック・カルメン・ゾンネさんの瞼の開き具合、凄くこの映画に合ってる。
また、美術、それも町、道、服装、生活用品まで凄く作り込まれてて、これは凄かった。
そしてタイトルのNEEDLEをどう捉えるか?も気になります。
基本的に女性の方にオススメします。
で、普通は終わりなんですけれど、これネタバレ無しで話せる事が無いですし、予告とはかなり違った印象が残る作品。
アテンション・プリーズ!
ここからはネタバレありの感想です、未見の方はご遠慮くださいませ。
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私はこの主人公カロリーナにあまり同情的になれなかった。そういうものだ、そしてホモサピエンスとしての行動はそうだ、というのは理解出来るけれど、謎が謎のままに残る部分と、意図的にそうだと飲み込める部分と、脚本としてのご都合が絡んでいて納得出来兼ねる部分があります。
この辺がリアルとも言えるし、もう少し何かしらの目配せに私が気付けなかった可能性もあるので、この後ネットで読める感想を見て回ると思います。
それは夫が手紙を返さなかった理由、そしてカロリーナに会いにくるタイミング、です。もう1つ2つあるんですが・・・・
まず手紙を返さなかった理由ですけれど、凄惨な怪我からの精神状態という理由はなんとなく理解出来るんですけれど、このタイミングがちょっと合致し過ぎてて気になりました。突然の訪問じゃなく、手紙でも良かった気がしますし、仮面の怪我の描写もあまり好ましくなかったように感じましたし、結局それだけで、この夫の存在があまりストーリーに絡んでこないのも、もう少し寄せられるのではないか?とも思いました。
それと、実在の人物でもう少しシリアルキラー的(というのもデンマークのwikiでもどうにもはっきりしない、生活の為なのか欲望や嗜好なのかも判然としないので)ダグマー・オーバー・バイの存在からの着想みたいな作品で脚本なんですけれど、里子探しというのは上手い設定だと思いますし、カロリーナとの共犯関係という意味で上手いのですが、娘(?)のエレナとの関係性も微妙に気になります。
エレナは恐らく母(?)ダグマー(役名:演者トリーネ・ディルホルム がまた演技上手い!)の所業を観ているし認識して、カロリーナからの授乳が受けられなくなる存在である新たな里子を圧迫するわけで、既に行動に出ている。その子を引き取るラストのカロリーナの感覚も、法廷での目配せ、あなたを告発しない代わりに、頼む、という事なんだろうけれど、新たなダグマーになりそうで怖いし、なんなら何故ダグマーがエレナだけを特別扱いしたのか?も気になります。
そしてエーテル。恐らく麻薬的な常習性のある薬物なんでしょうけれど、これも扱いにもう少し何か理由が欲しかったなぁ。
と言う感じで謎は残るし、整合性も気になる部分はあるのですが、確かにイイ映画でした。
NEEDLE、お針子とかあみものの棒とか心の中の刃とかいろいろ暗喩含めてあったけど、これだ!という解釈がまだ見つからなくて考えてしまう。
https://www.youtube.com/watch?v=BETzErclqok
矢口史靖監督 東宝 U-NEXT
2025年公開映画/2025年に観た映画 目標52/120 44/123
久しぶりに新作を。もう12月ですね。
初めて観る監督さんかと思いきや、サバイバルファイミリーの監督さんです。
集合建売住宅のような場所で子供たちが集まっていて、今日の当番的に子供を数名預かる母親(長澤まさみ)は・・・というのが冒頭です。
えっと、何となく見始めたのですが、ホラーでした。あと、チャッキー映画でもあるかな。
そのチャッキーの出来はまぁアレなんですけれど、その中は結構いいな、と思いました。そういう発想は無かったので。
ただ、ドールハウス、という程のドールハウスだったか?というのが、もう少し何か欲しい。私がタイトルを付けるなら「霊的筋肉活動の起始停止の考察と骨について」とかにするけどな。面白くなさそうだしヒットもしないけど。でも結末を考えると、確かにドールハウスかも。
で、1番いいのが、子役の子。
それと、噛みつきについての痕は興醒めするからも少し頑張って欲しいけど、まぁそういうのは記号、という人の方が多いでしょうけれど、そういう細部が大切なものではないのか?とも思う。
でも十分に楽しめる作品。恐らく、楳図かずお先生の「ねがい」は元ネタでしょうね。
ヤスケンが無駄使いされている気もしたが・・・でもみんな大好きだからいいでしょう。
長澤まさみさんは、凄く息の長い俳優になる可能性高いですね。そつがない。海街diaryの時もなかなかでしたけれど、もうお母さん役か。時がたつのは早い。でも、恐らくここから先の役どころが難しいのでしょうけれど。
ホラー映画に愛がある人にオススメします。
https://www.youtube.com/watch?v=Fkq57EGYZQY
鈴木竜也監督 GAGA U-NEXT
2025年公開映画/2025年に観た映画 目標52/120 43/112
何となく、タイトルに惹かれていたのですが、劇場には間に合わず。しかし早くもU-NEXTさんに来ていたので。事前情報が何もなく、予告編すら観ていないのですが。
東山形駅に降り立つサングラスの男をタクシーが拾いあげ、とある山の頂上にある建物に向かうと・・・というのが冒頭です。
まず、このアニメーション作品は1名の方が描いているので驚きました。うん、凄い事だ。
だが、この監督のセンス、私は合わなかったです・・・それと、アニメーションって凄く、手間のかかる作品です。そもそも多数の人が集まって出来上がる、意図を持った事しか描かれない、意図しないものを排除したからこその意味を持ってしまう作品。
だからこそ、1名でやるのは本当に難しいし、その達成は素晴らしい。けれど、なんでこれ1名でやらなければならなかったのか?があまり感じられませんでした。
この作品のプロデュースをされていて、傑作「音楽」では監督もされている岩井澤健治さんの作品は、凄く意味を感じましたし、近作で言うと2025年を代表するエポックメイキングな「銀河特急ミルキー☆サブウェイ」の亀山陽平監督作品でも、そのオリジナリティを感じましたけれど、この作品はそこまでの熱量に説得力(受け手である私が偏屈なんで仕方ないのかも)が無かった。
すべて、私に収斂する、その理由なり、説得力なりが、無かったし、ある種の独善を感じる作品でした。どこまでも鈴木竜也さんの個人の感覚にしか収斂しないので、個人が作られているからもちろんそうなるべくしてなっているのですが、面白味を感じられなかった・・・
個人で作る作品には、どうしても他者が出にくいし、客観性が生まれにくいですし、だからこそ没頭できるのですが、その個人に面白みを感じられないと、凄く退屈で、どういう意味なんだろう、と解釈しようとしても、ああ、この監督これがカッコイイと思ってるんだな、それは違うというか個人的にはダサいな、と感じてしまったわけです。
例えば主人公の目の描写、それがなんなのか?途中から変わっているのですが、その意図、汲み取れなかった。これは私の問題だと思うけれど、そこまでこの作品にのめり込めなかった。
あくまで主人公に収斂する、その匂いが、ダメだった・・・
そもそもアイドルという偶像に興味が無い、という私の問題なのかも。
アイドルが好きな方、自分が大好きな方にオススメします。
これ1名で作ったからこそつまらなくなってるのでは?とすら思ってしまった・・・
筒井康隆著 文春文庫
今年は書籍の整理もしつつ、終活としても整理をし、春にして君を離れを読んだ事で読書熱が久しぶりに高まって、文学部唯野教授をパラパラと読み返しつつ、そう言えば大いなる助走読み返そうかな、という事で、古本屋で新装版を見つけて購入して読みました。
個人的な意見ですけれど、凄く文学部唯野教授と似ている、というかこちらが元祖。
その上で、良く出来てます。
ただ好みとしては、やはり文学部唯野教授が好きですね。
しかし、こういうの本当に上手いなぁ。
そして続編があるらしいので、読んでみようと思います。
それにしても、筒井文学ははっちゃけてて凄い。
これ主人公を誰で読むか?で結構変わってくる話しですし、地方文学同人雑誌って今はネットに移行しているのでしょうか。
デヴィッド・クローネンバーグ監督 パラマウント U-NEXT
2025年公開映画/2025年に観た映画 目標52/120 42/111
U-NEXTさんにデッドゾーンが!という事で観ました。初見ですが原作は随分前に読んでいます。あと、クリストファー・ウォーケンが見たくて。
高校教師であるジョニー(クリストファー・ウォーケン)は同じ高校教師であるサラ(ブルック・アダムス)と帰宅するのですが・・・というのが冒頭です。
原作だと結構スティルソン(マーティー・シーン)の話しがあったと思うのですが、まぁ随分前の記憶なんではっきりしません。
クライマックスは突然な感じですけれど、とにかくクリストファー・ウォーケンの演技が素晴らしいですし、堪能できます。
しかもクローネンバーグの映画だったんですね、意外です。
マーティー・シーンも結構いい味出してます。目の演技いいな~
ある種の男性の夢の話しでもあります。
クリストファー・ウォーケンが好きな方にオススメします。