井の頭歯科

「吾輩は猫である」を観ました

2025年11月18日 (火) 08:42
市川崑監督     東宝     U-NEXT
2025年公開映画/2025年に観た映画   目標52/120   43/116
追悼・仲代達矢さん4
小林正樹監督の仲代さんも良いけれど、市川崑監督のお茶目な仲代さんも観て見たい。
夏目漱石の最初の小説であり、もちろんみんなで出しは言える作品の映画化。
独特の間といいますか、凄く豊かで贅沢な時間を使った映画です。
中でも、夏目漱石役である珍野苦沙弥を仲代さんが演じられていて、物凄くお茶目です。
そして恥ずかしながら、私は夏目漱石のこの作品を読んだ事が無いのですが(必ず途中で挫折してしまう・・・)かなり忠実な映画化では無いかと思いますし、既にこの作品の中でも嫂的な立ち位置のヒロインが居て面白いです。
伊丹十三が凄く喋る迷亭を演じているのですが、かなりハマっていると思いましたし、芸達者。そういう人にちゃんと見えます。
あとチラリと蟹江恵三が出演しているのもイイです。
また、当時の島田陽子さんの立ち位置、篠ひろ子、岡田茉莉子が見られるのも一興です。
で、ついに動いている緑魔子を観ました。流石舞台俳優さんですね、凄く異質な存在なのにこの間の特別な劇の中でも浮かないのに、異質。ちょっと色気というか雰囲気がまるで違う。
もちろん市川崑監督作品で仲代さんのベスト作品とは思わないけれど、仲代さんの演技を観れるだけで今は嬉しい。
そしてもちろんおキャットさまは常に美しい。どんなおキャットさまであっても、ホモサピエンスよりも価値が高い。
市川崑監督の仲代さんが観たい方にオススメします。

「上意討ち 拝領妻始末」を観ました

2025年11月17日 (月) 09:00
https://www.youtube.com/watch?v=DqxmNFwkXxw
小林正樹監督     東宝     U-NEXT
2025年公開映画/2025年に観た映画   目標52/120   43/115
追悼・仲代達矢さん3
黒沢明監督とももちろん違いますし、成瀬己喜男監督とも違うけれど、小林正樹監督の仲代さんは、まさに鬼気迫る感覚があります、それも徐々に。
侍(三船敏郎)が剣を構えて藁人形を斬って、その剣の状態を試しております。殿様に奉納するのですが・・・というのが冒頭です。
主演は三船敏郎で、仲代さんはその相手訳、となると、凄く椿三十郎っぽいのですが、まぁ、そうです。
そして、同じ小林正樹監督の名作「切腹」のように武家社会の掟、決まりの中で個人が生きる話しでもありますが、今作が違うのは、中でも女性に光が当たるところです。
この時代、と言いたいけれど、恐らく2025年の今でも、頭の中は同じ男性のおじさん、まだいますよ、恐ろしい事に。そして自分が普通だと思っているし、血の系譜に拘る人、まだいます・・・武家社会だって普通に養子取ってるし、名家とされる松平でさえ血なんか繋がってないんですけどね・・・そして今作の主人公三船敏郎が演じている笹原伊三郎は婿養子で肩身が狭い描写は数あれど、恐らく、女性は嫁としてもっとヒドイ扱いを、恐らく全員が受けています。
そんな家制度の矛盾を鋭く突いた流石小林正樹監督作品で、その中の仲代さんの演技がまた鬼気迫ります。
常識を備え、冷静沈着で、しかし掟には背けない。仕事は忠実。この映画の中で、恐らく仲代さんはその目が特に印象深いのですが、まばたきを1回もしてないんじゃないでしょうかね・・・本当に人を斬った事がある侍を感じさせる、存在感と圧倒感があります。
そして何と言っても相手側の側用人を神山繁さんが演じられていて、見事。相手が立たないと、主人公が立ちませんし。
そして様々な不穏、不安、不義理、不条理が積み重なり、ついに、というクライマックスまでの積み重ねが本当に緻密。脚本として素晴らしいし、その積み重ねた上での爆発を、感情だけでなく、絵でも、そしてアクションでも魅せる小林監督は本当に素晴らしいです。もちろんやはり切腹が凄すぎて、そして仲代さんなら間違いなく切腹の方が、津雲半四郎の方が素晴らしいのでしょうけれど、今作も凄い。
小林正樹監督作品の仲代達矢さんの鬼気迫る顔での侍が見たい人にオススメします。

「女が階段を上がる時」を観ました

2025年11月15日 (土) 09:10
https://www.youtube.com/watch?v=fnwotnaW2CY
成瀬己喜男監督     東宝     U-NEXT
2025年公開映画/2025年に観た映画   目標52/120   43/114
追悼・仲代達矢さん2
成瀬巳喜男監督との仲代達矢さんが観たくて。
銀座で働く圭子(高峰秀子)は階段を上がる時が最も辛いのですが・・・というのが冒頭です。
銀座で働く女性の苦悩というか生活を描いた傑作ですが、今作での仲代達矢はマネージャーのこまっちゃんです。凄く色気を抑えているのに、漏れ出てしまう色気がある男性を演じています。
これが1960年の映画とは思えない、いや、おそらく現代2025年でも通じる悲哀と現実に満ちている脚本で、それを成瀬巳喜男が監督して、高峰秀子が演じている訳で、面白くならないはずがないのですが、まぁリアルです、私は女性ではないし、銀座で働いたことすらないのですが、そうだろうな、いるな、という男性しか出てこないです・・・
これ女性から見たら、クズ男性しか出てこないんですけれど、ええ、それがうちの国の男性です、としか言いようがないです。そして銀座で飲む人ですから総じて金を持っているおおよそ既婚男性の頭の中は、金を使って女をモノにすることしか考えてないのですが、これも、まぁ99%そうなるでしょうし2025年でも同じだと思います。夢のない話ですみません。
で、そんな中で、スタイルを持っている高峰秀子と、矜持ある仲代達矢の関係性がこの映画の軸で、キャストや出演陣の順ですと森雅之さんが主演の感じですが、これはミスリードだと思います。
音楽を黛敏郎がやっているのですが、これもかなり良いです。せめて音楽くらい軽快なジャズにしておかないと、暗くて悲しすぎるから。
しかし、本当にいい映画。
成瀬巳喜男監督の仲代達矢さんも素敵です。
女性に、働いている女性にオススメします。

「影武者」を観ました

2025年11月14日 (金) 09:27
ちょっと前後しますけれど。とにかく仲代達矢さんが亡くなられてしまいしばらく追悼で。
黒沢明監督     東宝     U-NEXT
2025年公開映画/2025年に観た映画   目標52/120   43/113
追悼・仲代達也さん・・・
現実に受け止められないのですが、亡くなられてしまいました・・・年齢的にも、出演や指導でも、多大な影響と多くのすぐれた作品を残された方ですが、亡くなられてしまう感覚が無かったです。
知らない作品もいっぱいありますし、私ごときが勝手に悲しがるのも凄くおこがましいのですが、追悼で、2人の仲代達矢さんが見られるこちらを。
甲斐武田信玄が天正元年に西進して城攻めをしているのですが・・・というのが冒頭です。
物凄く前に、流し見した事があるのですが、覚えていないので、初見のような気持ちです。
仲代達矢さんが武田信玄と影武者を演じています。
しかも、山崎努さん、萩原健一さん、根津甚八さん、あの幻の湖の隆大介さん、大滝秀治さんと、豪華キャストですけれど、それ以上に、莫大な予算が無いと出来ない、戦国時代の合戦が、城攻めが、武家屋敷の生活が見られる映画です。
広大な原野に、馬や人を当時の衣装を着せて、命令通りに動かすの、めっちゃ金がかかりますけど、その上、どうやって撮ったんでしょう?というくらいの、風景、光の差し込み、空模様が合わさっている絵が、物凄いです。驚愕。
ただ、ストーリーは、正直そこまででもない感覚がありますし、幻の湖の笛着想はこの作品なんでしょうね。私個人は橋本忍に対してちょっと評価が下がってしまいましたし、計算ってって言う程の計算じゃないな、というのが私個人の感覚で、まぁでも凄い人ですけれど、ストーリーはもう少し練れたかもしれませんが、見せどころというか、いろいろあり過ぎて、3時間は確かに仕方ないし見どころしかないとも言えるけれど、それは逆に言うと、興味が無い人を惹き付けられるか?と言われると疑問も感じます。
でも、とにかくお金がかかっている。
そして二面性のある仲代さんが観られて嬉しいです。
仲代達矢さんが好きな方にオススメ致します。
謹んでご冥福をお祈りいたしますと共に、残された作品を味わいたいです。

仲代達矢さん・・・

2025年11月12日 (水) 09:35

昨日、仲代達矢さんが亡くなられたと知りました・・・

 

本当に素晴らしい作品をたくさん、ありがとうございました。

 

カッコイイ仲代さん、鋭い仲代さん、お茶目な仲代さん、クールな仲代さん、侍仲代さん、等身大の人間仲代さん、どれをとっても素晴らしい演技をありがとうございました。

 

ただ、大変悲しいです・・・

 

とても落ち込んでいます。影武者の時のように、3年喪に服したい感覚です・・・

 

これから残された作品をまた観ていきたいです。ありがとうございました。どんどんこの世から、この世に留まっていて欲しい人が亡くなり、寂しい限りですが、ホモサピエンスには死は確定的に訪れるモノですから、memento mori  Carpe diem  の精神で生きていくしかないし、私に明日が来るかもわからないので、悔いないようにするしかないけれど、悲しい。

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