井の頭歯科

「ウエポンズ」を観ました     WEAPONS

2025年12月20日 (土) 09:13
https://www.youtube.com/watch?v=8pCkbP1OvoQ
ザック・クレッガー監督     Warner Bros. Pictures     新宿ピカデリー
2025年公開映画/2025年に観た映画   目標52/120   48/128
ワ―さんとナーさん兄弟には大変に幼少期からお世話になっております。そして常に存在出来るわけではない事を重々承知していても、失われてしまう事は大変に悲しい出来事です。映画産業は、莫大な利益をもたらす事もあれば、たった1本の映画製作とその興行の失敗によって、製作会社が潰れる事もある世界。過酷な状況の中、ビッグ5として君臨してきたWarner Bros. Picturesが失われてしまう事は悲しい。この悲しさに気付けたのは、20世紀フォックスのファンファーレが聴けないSWを観た時でした。凄く不自然な感覚になったのです。それ以降は勝手に脳内再生をしてから見るようになってましたね・・・
閑話休題
日本における最後の配給作品、という事で、あまり肌に合わないとは思いましたが、足を運びました。Warner Bros. Picturesさんに感謝。
とある街で児童17人が行方不明になる事件が過去にあって、それを思い出しているモノローグの中、とても素晴らしい曲(伏せます)がかかり・・・というのが冒頭です。
この冒頭の曲を、聞けたことで、個人的には満足しました。良かったです!で終わりにしたい気分です。ですが、まぁホラー作品というか、まぁ、アレなんで。
あと、この監督初見かと思いきや、あの、うちの愚弟がススメてきた全然オススメじゃない作品「バーバリアン」の監督でした、え、観たくなくなる!とも思ったのですが、まぁWarner Bros. Picturesさんに感謝の為でしたので、この最初の曲で気分は最高になったので、それも気にならなくなりました。
ネタバレは伏せての感想なので、あまり言える事は無いのですが、ちょっと、仕組みに、もう少し捻りは欲しいです。
それと、とある行為の一貫性。これも重要。そういう惜しい!という部分はあるのですが、割合悪くなかったです。
というのも、何を観に来たんだっけ?と言う感じでドラマが続くからです。このドラマは悪くなかったし、キャラクター、その関係性、見せ方、どれも上手いと思いました。
ただし、音楽というか音演出は、非常に低俗。露悪的で愚かな行為だと私は思います。
ただそもそも、この監督はホラー作品が好きなんだと思うんですけれど、その方向性は、結構安直というか幼稚というか、この辺で評価が分かれるんじゃないか、と。
キャスティングはどなたも悪くないし、特に校長先生、この人の演技は素晴らしかった。
もう少しギミックとか仕掛けを真面目に構築した上で、後は好きに出来ると思うのですが、おそらく、世のホラーファンの方々は、このへんのくすぐりが、割合緩くて、それよりももっと早く面白いものを見せてくれ、が強いんだと思います。
私は何処に行ってもマジョリティにはなれないのかもなぁ。もっと真面目に真剣にせめてアリ・アスター監督「ヘレディタリー」くらいにはやって欲しいですけれど、それは少数派なんでしょうね。
ホラー作品が好きな方にオススメします。
タイトルはもう少し考えた方が良かったきがしますけど。なんなら「AM2:17」でもいいじゃないですか・・・意味とかじゃないなら、よりシンプルでいいし、なんなら「△」でもいいでしょう?なんでウエポンズなのか?分からなかったです・・・
あと、あの人が、助けてって言うの、凄く違和感があります・・・

「みんな、おしゃべり!」を観ました

2025年12月19日 (金) 09:15
https://www.youtube.com/watch?v=D9GVnVOTVQo
河合健監督     GUM     ユーロスペース
2025年公開映画/2025年に観た映画   目標52/120   47/127
気になってて評判も大変良い作品なので観に行きました。今年公開の新作のノルマもまだ足りないし。
大傑作。
何も知らないで、みんな今すぐ観に行った方が良いですよ~で終わりな、いつものオススメ上位に来る作品です。なんなら今年の№1かもしれません。それくらい良かった。
ろう者が営む電気店を舞台にした映画です。
様々な立場の人が出てきますけれど、いかに私は健常者で、そのマジョリティ性によって、優遇されているか?を『コメディ』で気付かせる事の出来る稀有な作品。
恐らく、ドキュメンタリーでも出来たはずです。が、そうする事ではなく、エンターテイメントにして、しかもコメディで、その上、他者の存在に気付ける作品。かなり難しい事に挑戦して、その高いハードルのはるか上を飛んで行った作品です。
河合監督はコーダ(CODA, Children of Deaf Adults)であったそうで、なるほど、非常に良く練られた脚本。まず、この脚本が素晴らしいです。
どんな環境、どんな状況であっても人は他者になれませんから、そして言語には限界があるので100%の理解をする事が出来ない。送り手の意図は自由ですが、受け手が何を受け取るか?は受け手の自由。けれど、だからこそ、言語以外の理解の仕方もあるけれど、最も意思疎通の可能性が高い言語を使いますし、その技術、練度、使い方を上げて行かないと齟齬が生まれやすい。
その言語にも様々なものがあり、その一つが手話です。そして知らなかったのですが、手話にも、日本語の手話、それ以外にも手話が存在するみたいです、知らなかった!手話って世界共通なのかと漠然と考えていました。
そしてもちろん、当たり前ですがホモサピエンスは完全な存在じゃないので、間違えたり、勘違い、思い込み、など様々な事で齟齬が生まれやすい。
でもコミュケートする事の楽しさも存在しますよね!その楽しさも十二分に味わえる作品です。
しかも言語の種類の多さ、そしてその文化的な成り立ちがあり、そこに尊厳や誇りを、感じるのは自由ですけれど、相手も尊重しないと、常に万人の闘争状態になるわけで、確かに同質なものの方が楽、でしょうけれど、異質なモノもある程度受け入れて行かないと、テクノロジーの発達があれば行き来はどんどん自由になりますし、それが交易になるわけで、止める事は出来ないです。しかもエネルギーを他国に依存している比率や、食料自給率が低い国家には難しい。
でもそういう事よりも、隣人とどう接するのか?なだけな気がしますし、この映画の驚愕のラストに、にやりとしない映画ファンは少ないんじゃないでしょうか?
演者のみなさんは、すべからく、その演じるキャラクターと、ご本人の中身との連動を感じられる素晴らしいキャスティングで、特に、主演のCODAでもある長澤樹さんの存在感が素晴らしい。ろう者の家庭にホームステイまでして手話を学び、そして自分の言語にまでしている!!!驚愕!!!彼女の魅力はちょっとずば抜けていて、思い出したのは川和田恵真監督「マイ・スモール・ランド」の主演嵐莉菜さんですが、同じくらいの存在感!この人、もっと知りたいし見たいと感じました。
それと演技は初めてという陰の主役毛塚和義さんが、本当にイイです。とても初めての演技とは思えないです。
私はろう者という表記と聴覚障碍者という表記の違いすら理解出来なかったですし、本当に世界は広くて、知らない事ばかりで、その上、知らないから無意識に何かを傷つけたりしているのかと考えると、とても恐ろしくなります。無知は恐ろしい。大妻女子学校の校訓を自らに向ける事の意味を感じます。
コミュニケーションをする人に、オススメします。大丈夫、凄く面白いから!
この作品にクラウドファウンディングしている人、凄い先見の明!尊敬に値する!
そして、そこに古川耕さんの名前を確認。やはりこの人スゴイ。

「アイアンクロー」を観ました     THE IRON CLAW

2025年12月16日 (火) 09:11
ショーン・ダーキン監督     A24     U-NEXT
2025年公開映画/2025年に観た映画   目標52/120   46/126
友人のKくんの是非のオススメ。で、そう言えば他の方もオススメいただいていたので。ただ、最後の一押しはKくんでした。
inspired by a true storyという字幕があり、inspiredって英語の意味を調べると、鼓舞する、激励する、発奮させる、霊感を与える、とかですけれど、これ、実際に本当にあった話しとしてはちょっとどうなんだろう、とは思いました。そもそも映画にして役者が演じている訳ですし。
※注意!!
私はこの年代には珍しいかも知れませんが、プロレス弱者です。プロレス観戦には行った事があります。タイガーマスク目当てで言ったら藤波選手(特に思い入れが無いけれど名前は憶えています)の結婚のお祝いの試合みたいなイベントでした。その後は全然観てなくて、大学時代にパンクラスの試合を友人たちと一緒に行ったくらいです。その時はパンクラス、という試合が真剣にやっているように見えたので興奮はしましたが・・・
モノクロのプロレスの試合が写され・・・というのが冒頭です。
冒頭に近いシーン、家に飾られているのが銃と十字架です。それぞれ、父と母を表していると思います。
家族の檻を描いた映画です。呪われた一家、と言われているみたいですけれど、恐らくその「呪い」というのは男性性とマッチョ思考と家父長制というエンジンで駆動していると思われますが、この一家が暮らしているのがアメリカでして、そこに信仰というブーストがかかっているように見えました。
プロレスが好きな人には凄く有名な話しみたいです。
で、実話のようです、概ね。wiki調べなので、その程度の確証しか分かりませんけれど。
主演がザック・エフロンですけれど、初めて観た役者さんですが、上手い!ビックリしました。何というか感情を表現出来ない事を顔の表情だけで表現出来るのが、凄い。演出もあるとは思いますが、本当に素晴らしかった。
で、いつもと同じ感想になってしまうのですが、父フリッツ・フォン・エリックという人物の行動は変えられる可能性があったのか?という点がポイントなんだと思います。この映画内で起こる事のすべては、この人の余波と言える。
簡単に毒親、と言えない感覚がありますし、何しろテキサスです。
テキサスには行った事が無いんですけれど、テキサス的な事については幼少期から叩き込まれているので、そしてテキサス的な事象に心酔している人物を育ての父として観てきているので、ある程度のリテラシーがあります。例えば服装でも、ウエスタンシャツのスナップボタンは簡単に外れないとロデオとか牛の世話中の事故が重大になるから、とかは理解しています。そしてとても乱暴でマッチョな世界なわけです。
この父の怨念、その発露の方向性について気になりました。
父の考えを変える事が出来たのだろうか?
そして、ここに、母である妻の信仰というブーストがキマッていて、つまり信念を貫く事に過剰な意味を与えやすいのが信仰のなせる技なわけで、私は相当に難しいと思います。
転向した事を揶揄する風潮は何時の時代もあると思いますが、それってアップデートしない事を善しとする思想、考え方なわけで、幼児性と同義でもありますよね?
価値観の違いを説明しても、聞く耳を持たない、先鋭化する事に正しい意味を持たせてしまう状況で、プロレスの事しか頭に無い、チャンピオンになる事が全ての正解でゴールで勝ちのある事、という事になるからです。
ナンシー関さんはうちの国の事をヤンキーとファンシーと例えられましたが、そのヤンキー、より日本的な表現を使えば、武士的な暴力性を信念としてしまう価値観を変えるのは相当に難しいと感じました。
ただ、私は呪い、という言葉は見当違いで、科学的根拠のない事で、迷信とか、妄信と言って良いと思います。
これは教育、家庭内教育、または刷り込みの結果なのでは?と思います。
教育に興味のある方にオススメします。
アテンション・プリーズ!
ここからはネタバレありの感想になりますので、未見の方はご遠慮ください。
ネタバレありの感想ですけれど、プロレスへの愛のないホモサピエンスの戯言になってしまったので、プロレスに愛のある方はご遠慮下さいませ・・・すみません。
あと、文章が全体的に支離滅裂で順番とかもちょっとめちゃくちゃです。
別に家父長制の全てが悪いとは思いませんし、必要な時代もあったとは思いますし、その過去を変える事は出来ません。が、もちろん悪い面もありますし、2025年の現在の私の感覚では、どう考えても害の方が強いと思います。
基本的にはプロレスの事を知らないので、愛の無い発言になってしまうかも知れないのですが、分からなかったので。
どうしても感じるのは、戦っていた相手と試合後に飲みに行ったり食事に行こうと誘うシーン、試合前の上手くやれ、順番とかを話し合うシーンも入っていますし、単純に強さを競う競技では無いのだと思います。
そこに物語を乗せて、エンターテイメントを提供する、プロスポーツ。という解釈をこの映画では持ちました。それはそれでイイし、そういう事を抜きにして、純粋に勝負であるというドリームに乗っかって楽しむ人も居て当然ですし、それでよいのだけれど、その自分の感覚を他者に強要させようとするファンが多いのも、プロレスの特徴かと思います。
私はアントニオ猪木さんの評伝を読んだ読者ですが、それが全てを語っているとも思いませんが、結局の所、虚勢を張る、という行為を、自らを騙して行っている、という人物に見えました。なんでプロレスが世界最強の格闘技である事を証明しないといけないのか?その理由がはっきりしない上に、凄くいきっている、と感じるのです。それが興行の為だとしたら、それは生活の為であって、最終的にはプロレスというエンターテイメントの為、と言えるかも知れませんが、その手前に自分の生活の為、がある。しかも、だったら各団体が、とかやるのは非常に非効率的。結局の所エゴなのでは?と、愛が無いからこそ、引いてみてしまっています。これが、書籍とか映画とか自分の好きなジャンルの場合は、十二分に反論すると思いますけれど。そういうホモサピエンスしぐさが私にもあるしメタ認知しよう、という感覚もありますけれど、とは言えいつもじゃないし、冷静に、時間を置かないと無理ですし、出来ない時の方が多いわけです。
そして同じようにプロレスのレスラーたち、中の人も、非常に煽情的で、俺が一番とか、勝つ、とかしか言わない、凄く単純な思考に見えてしまいますし、大口をたたいているように、見える。
それでも、このような身体を痛める行為を仕事にする事には尊敬できると思います。恐らく、あえて、いきっている。そういう精神含む身体性を表現している。
のを理解している上で、最も気になるのが、父フリッツ・フォン・エリックの行動です。
この人、非常に強いし、勝負にこだわる人で、チャンピオンになりたい。そして、そのチャンピオンに挑戦する事に強さは関係していても、それが絶対条件ではない。興行的なルールがあり、運営する側がその決定権を握っている。そして引退して興行主となった父は(現役時代は描かれていないから不明だけど)としてそれを当然知っている。
その上で、息子たちに、チャンピオンになれ、と迫るのは、少しオカシイと思います。その興行の側、つまり父自身が、決定権を取る努力をしないとならない。
自分も引退した、衰えた、老化した、という事実に眼を背けている。どうして自分はチャンピオンになれなかった、という点を見てないのか?それはフィリッツ・フォン・エリックの考え方で言えば、負けた、事になるのに、何故自分にだけは批判性が向かないのか?ずっと永遠に強いままでいられるホモサピエンスなどいませんし、強い人の上にはまたもっと強い人もいるでしょうし、体格の違いや重さの違いなど超えられない条件は山のようにあるのに、息子たちには強くなれ、家にチャンピオンベルトを持ってこい、と言うのに、自分はなれなかった、実力が無かった、運が無かった、と認められないのか?
無論強くないと、そして興行的に映えないと、挑戦権を得られないのも分かるけど。
なんとなく、息子を使って憂さを晴らしている、のではないか?と思われるし、息子たちが絶頂時代のリングの上で挑戦の順番について、言い間違えてみたり、コインの裏表の裏をわざわざ次男にしている事からも、恐らく、この父は次男の事を好きじゃない。
当然次男もその感覚を理解している。
でもその表現の仕方がワカラナイ。この辺、凄く社会性が無い。それに妻になる女性も社交性が無いと言ってますけれど、この人たち、というかフィリッツ・フォン・エリック家の人たちのコミュニケーションの無さってもしかして、それだけ父の支配が強い、という事かもしれませんが、普通、学校に行って、それ以外の関係性も必要な事を学ぶのに、それが無いのも凄く不自然で、父だけの影響じゃない気もしました。
息子の中の1名は、オリンピックの選手になっているくらいですし、当然、そのコーチとかもいたはずですし、バンド仲間も居た。
事故と病気は偶然だと思うし、病気に至っては病院に行け、なんだけれど、それを弱さと考える「教育」のせいだとすると、基本的に事故以外は教育の結果、という事も出来る気がしました。
父の行動を変える事はまず難しいと思いますし、恐らく、変える可能性があるとすれば、その人は、その人生を全て擲つみたいな事をしないと変えられないと思いますし、それはその人にとって善き事ではない。
ところで、あの注射ってなんだったんだろう?

「サスカッチ・サンセット」を観ました     Sasquatch Sunset

2025年12月13日 (土) 09:13
https://www.youtube.com/watch?v=KgfkthLpeXw
デヴィッド・ゼルナー ネイサン・ゼルナー監督     スクエアペグ     U-NEXT
2025年公開映画/2025年に観た映画   目標52/120   46/125
これも見逃していた作品ですが、ついにU-NEXTに来てました!嬉しい。
ジェシー・アイゼンバーグの出演作は最近外せない感覚ですよね?この作品は、しかもライリー・キーオと出演してて・・・絶対面白い可能性が高い奴です。
で、当たり前ですけれど、面白いし、とにかく変わってる。ちょっと観た事が無い種類の映画ですが、スタッフロールの途中に、まじめにネガティブな人が真摯に製作に向き合う事で有名なアリ・アスターさんの名前があってビックリしました。こういう映画とも関わるのか。
ホモサピエンスから見たら恐らく類人猿的な存在であるサスカッチ族の4人の群れを追った作品です。
このサスカッチに名前が付いてなくて、凄く判別が難しいけれど、気性の荒い雄、穏やかな雄(ジェシー・アイゼンバーグ)、気性の荒い雄と仲良しで恐らくまだ子供の雄(監督の片方ネイサン・ゼルナー)、唯一の雌(ライリー・キーオ)の4人(?)です。
もう観ていただくしかないのですが、そして今2025年の12月はコテンラジオでリンカンをやっているのですが、その前史としてのアメリカ開拓の話しが出てきますけれど、本当に、凄く、北米大陸が広くて、ホモサピエンスの人口密度が薄い事が分かります。
そしてだからこそ、もしかしたら未発見の類人猿が居るかも知れない、という発想があるのだと思います。
その未発見の類人猿サスカッチ族から見た自然、そして当然ながらサスカッチ社会があり、意思の疎通や文化があるわけです。
凄く細部まで詰めて考えられてる感覚はあります、社会人類学者ではないからワカラナイ部分もありますけれど、文化については凄く考えられてる。
サスカッチ族の文化、確かに、アレだと、痕跡が残りにくいな、とか、悼むという概念があるな、とか、コミュケーションの方法の意外性、また嫌悪する事に対するアクションの面白さまであって、まるでヒューマンウォッチングの感覚で続きが気になります。生態を知る楽しみみたいなものがあるのです。
さらに景色、風景、自然が凄い上に、そのバックに負けないサスカッチの造形に、素晴らしい音楽がかかる事でちょっとしたマジックがかかっている感じになります。
まず、ライリー・キーオさんの仕事のchoice!そしてそのsense!が恐ろしいです・・・そして目だけでも可愛い。
ジェシー・アイゼンバーグさんのchoice!マジ最高かよ、です。毎回凄い所まで行くなぁ。
恐らく、兄弟監督であろうデヴィッド&ネイサン・ゼルナー監督の今後にも期待したいです、サフディ兄弟監督みたいに片方は役者としても才能あるなんて、今後が気になります。
サスカッチという生き物に興味のある方に、オススメします。

「ガール・ウィズ・ニードル」を観ました     The Girl with the Needle

2025年12月12日 (金) 08:57
https://www.youtube.com/watch?v=kEaffvQMY4g
マグナス・フォン・ホルン監督     NORDISK FILM     U-NEXT
2025年公開映画/2025年に観た映画   目標52/120   45/124
劇場で観たかった作品ですが、どうしても行けなかった・・・のが、やっとU-NEXTさんに来ました。
モノクロの濃淡の絵と画角と役者と美術が融合していて素晴らしい作品。
第1次世界大戦末期のデンマーク。凄く象徴的に、人間の顔に注目されるコラージュがモノクロの光と影で展開されて・・・というのが冒頭です。
基本的には何も知らないで観るのがベストだと思いますし、割合近いのはもしかするとロバート・エガース監督の「The LIGHTHOUSE」かも知れませんが、もっとリアル寄りですし、もっと業の深い話しです。ファンタジー要素無しと言えるでしょう。
戦争の銃後ではこのような世界が広がる可能性の話し。
演者のヴィック・カルメン・ゾンネさんとトリーネ・ディルホルムさんは物凄く良かったですし、主演ヴィック・カルメン・ゾンネさんの瞼の開き具合、凄くこの映画に合ってる。
また、美術、それも町、道、服装、生活用品まで凄く作り込まれてて、これは凄かった。
そしてタイトルのNEEDLEをどう捉えるか?も気になります。
基本的に女性の方にオススメします。
で、普通は終わりなんですけれど、これネタバレ無しで話せる事が無いですし、予告とはかなり違った印象が残る作品。
アテンション・プリーズ!
ここからはネタバレありの感想です、未見の方はご遠慮くださいませ。
私はこの主人公カロリーナにあまり同情的になれなかった。そういうものだ、そしてホモサピエンスとしての行動はそうだ、というのは理解出来るけれど、謎が謎のままに残る部分と、意図的にそうだと飲み込める部分と、脚本としてのご都合が絡んでいて納得出来兼ねる部分があります。
この辺がリアルとも言えるし、もう少し何かしらの目配せに私が気付けなかった可能性もあるので、この後ネットで読める感想を見て回ると思います。
それは夫が手紙を返さなかった理由、そしてカロリーナに会いにくるタイミング、です。もう1つ2つあるんですが・・・・
まず手紙を返さなかった理由ですけれど、凄惨な怪我からの精神状態という理由はなんとなく理解出来るんですけれど、このタイミングがちょっと合致し過ぎてて気になりました。突然の訪問じゃなく、手紙でも良かった気がしますし、仮面の怪我の描写もあまり好ましくなかったように感じましたし、結局それだけで、この夫の存在があまりストーリーに絡んでこないのも、もう少し寄せられるのではないか?とも思いました。
それと、実在の人物でもう少しシリアルキラー的(というのもデンマークのwikiでもどうにもはっきりしない、生活の為なのか欲望や嗜好なのかも判然としないので)ダグマー・オーバー・バイの存在からの着想みたいな作品で脚本なんですけれど、里子探しというのは上手い設定だと思いますし、カロリーナとの共犯関係という意味で上手いのですが、娘(?)のエレナとの関係性も微妙に気になります。
エレナは恐らく母(?)ダグマー(役名:演者トリーネ・ディルホルム がまた演技上手い!)の所業を観ているし認識して、カロリーナからの授乳が受けられなくなる存在である新たな里子を圧迫するわけで、既に行動に出ている。その子を引き取るラストのカロリーナの感覚も、法廷での目配せ、あなたを告発しない代わりに、頼む、という事なんだろうけれど、新たなダグマーになりそうで怖いし、なんなら何故ダグマーがエレナだけを特別扱いしたのか?も気になります。
そしてエーテル。恐らく麻薬的な常習性のある薬物なんでしょうけれど、これも扱いにもう少し何か理由が欲しかったなぁ。
と言う感じで謎は残るし、整合性も気になる部分はあるのですが、確かにイイ映画でした。
NEEDLE、お針子とかあみものの棒とか心の中の刃とかいろいろ暗喩含めてあったけど、これだ!という解釈がまだ見つからなくて考えてしまう。
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