井の頭歯科

「アベンジャーズ」の最後の2作品 Avengers: Infinity War と Avengers: Endgame を観ました

2019年5月20日 (月) 09:26

アンソニー・ルッソ ジョー・ルッソ 監督     ウォルト・ディズニー・スタジオ・モーション・ピクチャーズ

各所で大絶賛、興行としても記録を大きく塗り替えそうな、超大作です。ええ、ですが私はいわゆる超大作があまり好きじゃないので、全然観る予定は無かったんですけれど、映画にも音楽にも大変詳しい方から強いプッシュを受け、その上前作のDVDまでお借りしたので、Infinty War をDVD鑑賞、その足でそのまま劇場でEndgameを観るというのを体験しました。149分+181分=330分!という大変長い鑑賞時間になりました。

現在劇場でかかっている作品を見続けているからこそ、その当時の事が分かる様になると思います。やはり旬というものが映画にも有りますし、何より懐古主義に至らない為にも劇場で映画を観る事に意味が有ると思うのです。でも、もちろん全ての映画を観れるわけではないので好みの映画を観に行くわけですが、基本的に私は『考えさせられる』という映画が好きな傾向があり、はっきりと善と悪のような二項対立よりももう少しグレーゾーンがあるモノの方が味わいがあると感じます。そういう意味で、まさに避けて通ってきたマーベル・シネマティック・ユニバース作品ですけれど、割合、オススメしてくる人が信用出来る人だと、すぐに手を出してしまう、自分もいます。

特に、そのオススメして頂ける方からの、エゴイスティックな人が無私に、そして無私な人がエゴイスティックになってしまう、というくだりの説明を浮けて、大変興味湧きました。そういうの大好物なので。

あくまで超MCU弱者、アメリカンコミック弱者の感想です、正直全然汲み取れないので、細かな点については『分かってない奴が何も言うな』と思って頂いて構いません。ですが、全ての観客が全部分かって観ているというのも異常な状態です、感想は受け手が皆が勝手に抱くものです。その感想はその人のもの、だと思ってます。もちろん、自分が愛ある作品に、愛の無い批判を下されるのは嫌なものです、という事も承知の上で。

なんでこんなに前置きが長くなってしまったか?というと、まぁ批判的に観ちゃったからなんです。勢いに乗れるほど、情熱的になれるほど、世界観を飲み込むまでのひっかかりが無かったんですね。

では改めて、まずは  Infinity  War の感想から。
サノスという見るからにThe・悪役なおじさんが、とにかく、凄く大事でパワーを宿す石6つを集める話しです。

基本的にはネタバレ無しの感想です。でも、多分この一文でまとめられます。

ただ、やる事は悪役として抜けてる部分、多いと思うのです、もっと言えば非常に正義のヒーロー側にとって都合がよろしいのです。ここに、私はこの映画のウィークポイントがあると思います。特に、そのポカに理由がほとんどの場面で、無い部分が、非常に問題が有ると思います。

正義のヒーロー側は物凄くたくさんいるので、名前が覚えられません・・・私には印象でしか語れません。多分、主役はアイアンマンだと思います。あとはまあその他大勢の扱いになっていると思います。

ただ、正義側が割れている、特に以前の作品のタイトルに『シヴィルウォー』となっているのについては興味湧きました。この一派の頭がキャプテン・アメリカさんだと思います。

私が好きになったのはベネディクト・カンバーバッチさんが演じるドクターです。魔法陣のエフェクトは『鋼の錬金術師』の影響のような気がします。

あとはやはりアライグマですよね!みんな大好きだと思いますが、確かにカワイイです。

映像は素晴らしいし、スタン・リー(東映スパイダーマンを許してくれてたんでしょうか・・・)がバス運転手だったのが、1番興奮するシーンでした。

そして、そのまま劇場に行きました。

アンソニー・ルッソ  ジョー・ルッソ 監督       ウォルト・ディズニー・スタジオ・モーション・ピクチャーズ

すっごくネタバレ注意!!な作品です。もちろん私もネタバレはしないでの感想ですけれど、何も知らないで観に行くと、いろいろびっくりするとは思います。

思い入れのある方は宣伝しなくても行くし、既に観ていると思うので、そうじゃ無い方に向けた感想です。

1 すっごく勧善懲悪な世界です、過度の深み要素の期待は厳禁!(←もちろん、ファンの方々には深み要素あると思いますけど、初心者にはそこまでワカラナイので)

2 画像はかなり綺麗です、が、キャラが多いから、アイアン・ロバダウJr・マンくんと、キャプテン・クリエヴァ・アメリカさんと、ソ・クリヘム・ー兄ちゃんの3人分かればだいたいついて行けます、ホントです。

比べちゃいけないとは思いますが、私はSWサーガは全部劇場で見る人ですが、信者じゃありません。そんな私から見ても、確かに長いけど、まぁ仕方ないし、頑張ってると思います。長さの体感で言ったら、SWエピソードⅧよりは、全然短く感じました。SWの(私の勝手な)最低作品と比べて上って失礼な表現になってしまいますけれど。

やはり、それぞれに花を持たせるのはお約束としても、かなり設定に破綻をきたしかねない能力の持ち主が何人かいて、これは脚本大変だったんだろうな、と思います。

宇宙人は英語喋ってくれますが、ある民族だけ字幕入ります。うん、アレはなんか意味あると思います、すっごく違和感あります。

大丈夫、初心者でも。

あ、トイレは行ってからがオススメですね。

以上、大変な話題作の感想です、で、気になった事を少しだけネタバレありで。

アテンション・プリーズ!!ネタバレありの感想です、未見の方はご遠慮下さいませ。

すみません、ここからは本当に愛の無い話しになりますので、ファンの方々は読まないで頂けると嬉しいです。

まず、サノスは本当に、悪だったのでしょうか?

もちろん、半数を犠牲にするのが良いとは言えません、もしサノス自身をも、その半数に入る可能性を示唆してくれていれば、より良かったとは思いますけれど。それに正義のヒーロー側は何かしらの代案は出せたのでしょうか?特に、戦う事で解決に導ける世界は単純で素晴らしくカタストロフィがあると思いますが、現実にはありえませんよね。

しかもサノスは自らの死さえ受け入れてたのかな?と思える描写まであってその部分は大変に考えさせられました。

また、その後の5年に疲弊している、荒廃しているのにしたって、多分半数が消えたからではなく、それ以上の何かが無いと、あの描写まで荒んだ世界にはならないんじゃないでしょうか?この部分に、もう少し説明が欲しかったです。

ついでに荒廃シーンに日本が出て来るんだけど、もちろん拙い日本語でも喋って貰えて嬉しい感じにはなりますが、唯一、日本語だけ字幕が入るのって、宇宙人たちが英語を喋る事を逆に意識させられるので、ココはかなり違和感あります。日本人、日本語って宇宙人や宇宙人が喋る言語よりも未開でワケ分からない世界に、アメリカからは見えてるのかな?って思ってしまいました。

で、今回の話しはパラドクス、タイムトラベルモノなんだけど、モロに、『バック・トゥー・ザ・フューチャーⅡ』の焼き直しみたいでびっくりしました・・・

ヒーローの皆さんが、タイムトラベル、ループモノ映画に言及してて、かなり批判的なんだけど、そのルールをそもそも破って(キャプテンさんは自分と戦ってしまいますね)しまったり、ハルクさんに至ってはギャグ描写になってて、ちょっと悲しかったです。 どんな映画でも、それなりの理由を出して(あの!ビルとテッドでさえ!!!)説明してくれるんだけど、今回は量子力学。私は量子力学には懐疑的なんすよ・・・

量子力学は学問としてまだ完全確立されてないと思うし、やたらに引用されるシュレディンガー、観察者効果って奴ですけれど、これを都合よく解釈して勝手に自論の強化に使うスピリチュアルな人も大変多いし、正直ホントにまだ確立されてないと思うのです。

だから量子力学でタイムトラベルは、私はどうかと思ってしまいますし、そんな説は聞いたことないです。でも、映画『ルーパー』(の監督はSWエピソードⅧの監督、ライアン・ジョンソンさんですね)の説明よりはずっと飲み込めました。

指パッチンで生き残る側に、アイアンマン、キャプテン、ソーがいるのが、とてもご都合主義的でもあるけど、やっぱりアライグマは生き残る側にいて欲しかったって思うって事は、私のいわゆる主観で(これが観察者効果なんじゃないかな?だから二重盲検法があるわけで、私は『二重盲検法』を用いる科学の方が論理的だと思います)好きな人からしたら全く下世話な話になってしまいますね。

でも、やはり最も美味しい所を持って行くのは、アイアンマンさんとキャプテン・アメリカさんなんですよね。

あ、あと、どうしても設定的に強すぎて上手く扱えて無いのが、キャプテンマーベルさんだと思います。カヴァーする範囲が広すぎるからって全然納得出来ないです。全宇宙の半分が亡くなる話しなのに、すっごくエゴイスティックな方で好きになれない、容姿や性別じゃなく。アイアンマンよりエゴイストでジャイアニズムな方。

でも、最終決戦での籠手のリレーは大変カッコ良かったです。あと太ったソーは可愛かったが、やはりマザコンだったかですか・・・・マザコンは〇リコンよりタチが悪い派の私としては(マザコンは、まさに母親がレールを敷いてて、人為的に感じます。ロ〇コンは人為的では無いにしろ弱者にしか視座が向かないダメなんで、両方ダメなんですけど)ちょっとがっかり。でもアライグマとのバディ感はサイコーでした。

あとはヴィジョンさんをもう少し助けようと、せめて話題には上げて欲しいです。物凄く可哀そうです。可哀想過ぎる。

最終的に石をアイアンマンが簡単に奪えて、それが、ね。まあ感動的ではあったけど。

あと1点。スカーレット・ヨハンソンさん、ちょっと、とうがたってきましたけど、今回はかなり良かったと思います。

キャラクターの中では最も深みを感じさせてくれます。綺麗に撮ってくれてるのも良かったです。でも、相変わらず、やはり『家族』の話しになってしまうのが・・・最後のキャプテンの顛末もだけど、やはりアメリカ映画は家族の話し、最強ですね。

またまたスタン・リーさんが出てきてくれて嬉しかったです。

とにかく、大団円な作品を、ファンが支持してるんだから、良かったです。 ソーが加わったガーディアンズなら、観に行きたいと思いました。

「ペパーミント・キャンデー」を観ました

2019年5月15日 (水) 09:26

イ・チャンドン監督       TWIN

同監督の最新作「バーニング」があまりに面白かったのと、吉祥寺の新しい映画館アップリンクで監督の過去作がリバイバルされると聞いて足を運びました。アップリンクには長く残って欲しいので、これからもアップリンクで出来るだけ観ていきたいです。

2000年公開のイ・チャンドン監督作品です。

1999年春。とある鉄橋の下で、ピクニックが行われています。およそ40~50代の男女の集まりの中へ、一人の男が乱入し、奇怪な行動をとりはじめます。この男は過去に戻りたい、と口にしながら突飛な行動をとり続け・・・というのが冒頭です。

すっごく有名な事件も扱っていますし、とても男性目線に寄り添う形のサスペンス映画だと思います。

そして確かに素晴らしい作品なんですけれど、すっごく気になる部分もあって・・・大変エモーショナルな映画だからこそ、どうしても気になる部分があります。

20~40代の主人公キムを1人で演じ分けて魅せたソル・ギョングさんの演技は圧巻です。非常に振れ幅の大きい20~40代を、ものの見事に演じ分けて見せてくれます。これだけでも凄い役者さんだとわかりますけれど、それ以上に、この人の生きた世界の破滅的なまでの残酷さを刻み込まれた、その顔がまたすさまじいです。冒頭のワンシーン、この映画を象徴する鉄道の上で両手を挙げている、このポスターの人物がキム役なんですけれど、本当に慟哭を感じさせてくれます。で、その理由を観客が辿る旅を映画にしています。

とにかく観れて良かった作品、ありがとう吉祥寺アップリンク!です。身近な映画館なので、これからも長くお付き合いしたい映画館です。

全部で7つの章で出来上がっています。しかも、順に過去へと戻っていくのですが、その合間合間にはさまれる郷愁を誘う、逆回しの鉄道映像が、とても気が利いていると思います。

過去に、取り返しのつかない(と言いつつ、過去は基本的に何一つ取り返しがつかないはずです)出来事がある、男性に、オススメ出来る作品です。

私は、過去に戻っても、きっと同じように失敗し、同じようにダメだと思うし、メンドクサイので、過去には戻りたくありません。

アテンション・プリーズ

ここからネタバレありの感想です。出来れば未見の方はご遠慮ください。

主人公キムの人生は、確かに陰惨な出来事に満ちていますし、不条理の極みとも言えます。

が、それは誰しもが生まれる時代や場所を選べないからこそ、その中でもがくしかないはずだと思っています。同情に値すると思いますし、特に光州事件時に入隊している事はPTSDを起こしても仕方がない出来事なんですけれど・・・

でもね、なんか犬が嫌いだから蹴れる人間はちょっと心情的に寄り添えなかったです。

そして最も嫌なのは、自分が好意を寄せている最初の女性に対しては、潔白なまでの純真さを持ちながら、それ以外の女性には、まるで人間的な感情を抱いている訳じゃない、モノのように扱っている点が最も嫌悪感を抱かせます。それくらい、軍隊での光州事件への加担、警察組織の中での歯向かわれないからこその軍隊以上に陰惨な暴力性を飲み込める人間になってしまったとしても、もう少し違った態度の取り様があると思うのです。

私がナイーブなだけではないと思いたい。

傑作と言われているけれど、そのエモーショナルは分かるけど、全然乗れなかった。でも、受け手に観る前とは違った人間にさせるチカラはある映画だとは思いますけど。

全然「バーニング」や「シークレット・サンシャイン」の方が素晴らしい映画だと思うんだけど、それは私に軍隊経験が無いからなんでしょうか?

「ザ・バニシング ー消失ー」を観ました

2019年5月10日 (金) 09:08

しばらくお休みしておりました。思うところありまして。

ですが、いろいろ考えた結果、続けさせていただく事にしました。

ジョルジュ・シュルイツァー監督

あのスタンリー・キューブリック監督が、3回観て『今まで見た映画で1番怖い』とまで言わしめた1988年公開の映画で、長らく日本未公開作品だったのですが、新宿の映画館でついに公開されたので観てきました。本当に恐ろしい作品です。これと比べたら、ホラー作品なんてほとんどの作品が怖がらせる為の、子供だましに見えます。

レックスはサスキアと2人で初夏のフランスを車でドライブしています。これからフランスの田舎にある別荘で過ごす為に。しかし、トンネルで車はガス欠になり・・・というのが冒頭です。

失踪してしまう事、衝撃的な結末、サイコサスペンスの傑作、と言われています。私も同感です。素晴らしい映画でした。とにかく何も情報を入れず、予告も見ないで、今すぐ観に行くべきけです。

執着、の映画だと、私は感じました。

今年の今のところのNo.1です。

サスペンス映画が好きな方に、強くオススメ出来る傑作です!

アテンション・プリーズ!

基本的にネタバレはしないで観て頂きたいのですが、観た方とはいろいろ話したくなる傑作です。

ネタバレを含んだ感想ですので、未見の方はご遠慮願います。

私はこの映画の主役はレックス(被害者)ではなくレイモン(加害者)だと思います。キャストの最初もレイモンですし。

レイモンも最初からずっとサイコパスなわけではなく、漫画家・吉野朔実が「ピリオド」でも主人公迥も言ってましたが、殺人者や異常者だって日常的に異常な事ばかり考えているわけじゃなく、生活もしているわけです。レイモンのように、人助けだってします。大学で生徒に授業をしたり、家族の中では良き父親を、演じる事さえ出来ます。 そして、だからこそ、恐ろしさが増すわけですけれど。

もちろん、レックスの取る行動は、最初は普通なのですが、サスキアへの愛情(でも地続きに執着)、謎への執着から、次第に狂気の領域に足を踏み入れて行く様が、やはり恐怖を感じずにはいられません、明日私が同じ様な理不尽を経験し、捕らわれてしまう事だって十分にあり得ますから。この世は理不尽には事欠かないです、人の悪意だけじゃなく。

閉所恐怖症なレイモンが、その診断書まで手に入れつつ、自らの閉所恐怖症を克服する、儀式のように、人をさらって、生きたまま棺桶に入れる行為には、きっとレイモンなりの意義があり、執着があります。

サスキアへの愛情かも知れないが、レックスの行動は、私にはサスキア失踪の謎への執着だと感じています。何しろ、犯人と対峙し、サスキアと同じ目に合わせてる、と言われて睡眠薬入りコーヒーを飲んでしまうのは、サスキアはまだ生きている可能性もゼロではないけれど、かなり低いと、頭では理解していると思うのです。

しかし執着故に、コーヒーを飲んでしまうレックス。 レックスが結局コーヒーを飲む事まで理解していた、レイモンの執着と冷静さが勝った瞬間だと思います。

コーヒーを飲むシーンの、恐ろしいまでの葛藤、そして映画の観客もここでレイモンとの共犯関係を成り立たせるのが、巧妙過ぎると思います。私も、例えレックスがどうなろうと、サスキアがどうなったのか知りたい、レックス、コーヒーを飲んでくれ、と思わずにはいられませんでした。

しかさ、本当に恐ろしい映画。いや、私の恐ろしい映画No.1は、それでも『ブルーバレンタイン』なんですけれど。

あと、ある種のハッピーエンドじゃない?だってサスキアと同じ境遇を選んだんだからって言ってる人は、私から見ると頭がどうかしていると思います。自分の好きな人にヒドイ目に合って欲しい、しかも自分の死後に、って言ってるわけで、私は全然理解出来ないです。それも執着だと私は思います。

「杉山くんたちは夜専門」を見ました

2019年4月5日 (金) 09:28

佐々木 睦監督       ブロードバンドピクチャーズ

友人の方からお借りしたDVDなので視聴しました。劇団おばけおばけの同名戯曲を映像化した作品です。

舞台演劇、とても面白いモノがたくさんありますし、そんなに多くはないですけれど、私も見に行くことあります。が、映画のつまらない作品はなんとか2時間我慢できますけれど、演劇のつまらない2時間は本当に苦痛な体験になる気がします。より生感覚に近いので、余計にいろいろ感じてしまうんだと思います。

ですが本作は大変面白く見る事が出来ました。という事は、もしこの作品をDVDでなく、生の舞台演劇で観ていたら、もっと衝撃度のある体験になっていたと思います。演劇の面白い時は衝撃度が増すように感じます、良くも悪くも生モノは強いですね。

とある町工場の夜勤を務める仲の良い3人組、工場長の息子で既婚者のアラキ、中堅どころのハラグチ、どことなく印象のつかめない感じの新人杉山くんが夜のシフトの休憩時間に入ろうとしていると・・・というのが冒頭です。

5人だけの舞台ですので、会話劇を楽しむ演劇だと思います。突飛な演出は、ほぼ皆無です。だからこそ、会話の妙が重要なんですけれど、私が知っている人は1名だけでしたが、この方がまさに奇妙奇天烈なキャラクターで、その意味でも、知っている作品のキャラクターにも似ていて、そこがまず面白かったです。庵野秀行監督『シン・ゴジラ』の巨災対メンバー、厚生労働省医政局研究開発振興課長(医系技官) 森文哉 を演じられていた津田寛治さんです。この方がこの物語を動かす最初の動力になっているのですが、いろいろ話しているうちに、この方の狂気のようなモノを徐々に理解していく事になり、物語がひっくり返っていく様がとても面白かったです。

その他の男性役者さんはみなさん頑張られていらっしゃいますし、悪くないと思います。ですが、やはり戯曲を基にした演劇なので、ややオーバーな感じにはなってしまっていたと思います。特にそれぞれ感情を激高させるシーンがあるんですけれど、ある種の見せ場でもあるんですが、その場面でのオーバーさは否めなかったです。でも演劇ってそういう熱が大事でこれは、私の視聴方法に問題があって、やはり生の演劇で観るべき作品だと感じました。

女性の役者の方は、少々物足りなく感じてしまいました。もう少し声のトーンを落としていただけたら聞きやすくなったと思います、でもこれもある種の困惑して感情的にゆとりのない事への演出なのかも知れません。『好意』を受け止める側の不安を表すキャラクターとしては、良いキャスティングだと思います。

最後はまた全然違う話題になっていくんですけれど、この辺を面白く感じるかどうか?で話しが変わってきます。主な話題が『好意』の表現方法についてなんですけれど、急に国際情勢に話しが飛ぶんですけれど、そのブリッジも上手く行っていて違和感なかったです。そして、この話題の最大のポイントは、ドライになれない関係を築けるパーソナリティーがあるのか?という事だと思います。

演劇が好きな方、巨災対の要(と言いつつ、要になろうとしているだけで、実際はなれてないけど、こういう人もいないとね)森 文哉さんが気になる方に、オススメ致します。

アテンション・プリーズ!

ちょっとだけネタバレありの感想をまとめてみたくなったので。

ですので、この先ネタバレありますので、未見の方はご注意を!

ストーカー行為、確かに、完全に、犯罪です。が、ストーカー行為をどこから犯罪とみなすのか?にはかなり個人によって認識の差がでる行為である気がします。さらに、被害者側がどう感じているか?に思慮が及ばない、視野狭窄的で身勝手な部分があるのも事実。実際はもっとヒドイ事になっていると思いますし、この手の犯罪は常習性が高いとも思います。

最初は単純な好意から始まったわけですけれどね。やはり客観性って重要だと思いますね。

杉山くんの話しは、最終的にとても面白いと感じました。まぁ私が思うに既に私の住む、国籍を持つ、日本という国は、今後衰退していくと思いますし、少子化は避けられていませんし、もともと国土の広さを鑑みれば異常に人口の多い国とも言えます。ただ、確かに平和な国家ではありますけれど、これって少なくとも短期的に珍しく平和が続いているように感じます。それでなくとも自然災害の多い国で、残念ながらとても同調圧力の大変高い国民性があってこそな部分も大きいと思います。

3人組のキャラクターと関係性は凄く面白かったです。

「FYRE 夢に終わった史上最高のパーティ」を見ました

2019年3月20日 (水) 09:25

クリス・スミス監督     Netflix

ラジオ番組の特集「人類はまだ大丈夫なのか?」という番組で紹介されていたドキュメンタリー映画なので見ました。もう一つ紹介されていた「ビハインド・ザ・カーヴ 地球平面説」(の感想は こちら )も大変恐ろしい内容で、現実感がどんどん希薄になっていくようでしたが、こちらも、なかなかに凄い内容でした。

俳優や有名人をパーティなどに呼ぶ際は、所属事務所等に連絡しなければなりませんが(当たり前ですね)、そうではなく、直接交渉できるサイト・FYREを立ち上げようとしている起業家ビリー・マクファーランドとラッパーのジャ・ルールの2人です。そのサイトを有名にするために、彼らはちょっとしたアイディアから、フェスの開催を企画します。それがFYREフェスティバルです。バハマのある島で大規模なフェスを開催しようと試みたのですが・・・というのが冒頭です。

起業家はアイディアを形にするまでが仕事だと思いますけれど、そのアイディアを形にするのが最も難しい事だと思います。この映画の場合はあくまで宣伝のために、経験のないイベント業を行って行くのですけれど、とにかくビリーという男の、大変大物ぶった素振りが印象的です。ですからどことなく怪しいと感じる人もいれば、同時にすごく信頼感があると感じる人がいてもおかしくないように、見えるのです。

で、いろいろ見ていくと、かなり大きな事を言っています。バハマに適当な島を見つけたので購入した、とか、出演ミュージシャンと交渉して決まった、とか、です。実際本当に購入なり、契約なり出来ていれば本当にスゴイ事です。ですが、実際のところは違ったわけです。

バハマまで実際に行き、宣伝効果の大きい世界的モデルを集めて、パーティをしているところを映像に収めます。そして彼女らのSNSから発信する、というまさに現代的な宣伝の仕方を行います。ですが実際のモデルは、ここに何をしに来たのか?さえ知らされていなかったのです・・・ですが、この宣伝の動画は瞬く間に広がり、発表してから翌日までに、大変高額なチケットなんですが、95%まで売り切れてしまったのです。

この後、さらなる混乱につぐ混乱が待っているのですが、それは見ていただくとして、とても気になるのが、ポジティブシンキングについてです。

ポジティブシンキングはもちろん重要な事でしょうけれど、しかし現実を見れないポジティブシンキングは、ただのバカだと思います。もちろんネガティブだから良いという事にはなりませんけれど、しかし何かに備える、という事はネガティブな発想が必要です。何でもそうですが、程々、というのが難しいですね・・・個人的には、そうしたアッパー思考、上昇志向は、自己啓発に結びつきやすく、また自己啓発的なるものは、非常にスピリチュアルなモノとの親和性が高いと感じます。思考は実現する、というのはとても有名な自己啓発のフレーズですけれど、もちろん、現実化する事もあれば、しない事もあるのは考えなくても分かると思います。その考えに執着し、現実を見なかったビリーは虚言と詐欺に手を染めてしまいますけれど、それがどの時点だったのか?凄く興味があります。

結末はさらにヒドイ展開でした。本当に起こって欲しくない出来事の連続です。ですが、何とかなる、でずっと来てしまって、自業自得なんですけれど、周囲の人も大変だったと思います。

また、宣伝、という事についても考えさせられました。宣伝というよりももはや詐欺なんですけれど。でも、その詐欺が巧妙になっていった場合、どこまでが自覚的で、どこからが違うのか、もっと言えば誰に何処までの責任があるのか?を考えさせられます。

宣伝というか広告の世界では、ビリーはある程度の立場を作れた男なんです。広告の世界の危うさ、も描いていますけれど、受け手のリテラシーも、常に求められる世界になってしまったのだなぁ、と感じました。自由で誰もが(このブログも、まさに)何かを発信できる世界、素晴らしいけれど、だからこそ、リテラシーも求められます。個人的には教育に今、最も求められる事だと思うんですけど。

ドキュメンタリー映画が好きな方にオススメ致します。

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