井の頭歯科

「街角の盗電師」を観ました     Powerless

2025年9月20日 (土) 09:05
https://www.youtube.com/watch?v=W57wmjn4Zac
ディープティ・カッカ―、ファハド・ムスタファ監督     アジアンドキュメンタリーズ
2025年公開映画/2025年に観た映画   目標52/120   33/91
ついに手を出してしまいました・・・アジアンドキュメンタリーズ。
2013年の作品です。
インドの工業都市カーンプル。かつては東のマンチェスターと呼ばれた工業都市も電力不足により、400近くあった工場の半数が倒産しています。そんな中、街の人々から頼まれて電気を盗む為の配線を独自に行うロハは・・・というのが冒頭です。
2025年9月のうちの国の東京近郊で暮らしているのですが、まず基本的に体力を奪われる毎日です・・・暑すぎる・・・仕事場は冷房が効いていますが、身体も精神も弱い前期高齢者には、冷房にずっと当たり続けるのも体力を消耗する、というポンコツです。ですが、敬老の精神を持って触れていただきたい毎日です。今年は10年を重ねる事にしました。立派な中期高齢者になる予定です。死なないだけで頑張って生きるだけで精いっぱいです。
ですが、2013年くらいのインドはもっと、もっと、もっと過酷でした・・・私なら1日で死んでますね・・・まず気温が47度。47度って何?って感じです。そして、停電が多い。日によっては18時間ほど停電しているそうですし、なんならラストの字幕が、本当に恐ろしいのですが、絶対亡くなる人いたと思います・・・
そして、画面の何処にも、クーラーとかが出てきません・・・恐ろしいです。
工業化が進み、人口が急激に増え、電力供給が不足し、電力会社は不法な電力の盗電を許さないよう、政府から派遣された官僚を新たな担当者(女性)として厳しく取り締まるのですが、貧困層は、どう考えても盗電を繰り返すしかなく・・・といった状況が描かれています。
官僚的女性指導者は、かなり良い感覚の持ち主です。不正に対して厳格でありつつも、恐らく、官僚、警察の不正や賄賂の横行にたいして、かなり厳密に対応しています。そして、変化に対して柔軟な対応をしていますし、それを継続しています。
そこに、選挙が近づき、この事を民衆に訴えて票を得ようとするかのような男性まで出てきて、非常に混沌としているのですが、インドを見ている、という感覚がありました。
人口が多く、まだ教育も普及している感覚はあまりなく、経済成長のスピードが速すぎて、インフラ整備が追い付かない状況と思われます。
そんな中、盗電師こと、ロハはかなりの手練れだという事は分かりますし、彼の手口の入手先が分かった時の、この混乱の沼具合が良く分かる感じです。
そのロハの、見せたくなかったであろう家での姿と、何でも俺に聞いてくれ、的なインタビュー時の、まぁ態度のギャップが・・・
しかし、急激な成長を遂げるインドの、様々な問題の絡み具合が如実に知れます。
まるで、敗戦当時の日本も、そうだったんだろうな、という感覚です。
インドに興味のある方にオススメします。
私は、盗電師、という単語にやられて観てしまいましたが、面白いです。
原題は英語だと(官僚の女性は英語で話します)Powerless結構意味が違ってきますね。

「パール」を観ました     Pearl

2025年9月16日 (火) 08:57
https://www.youtube.com/watch?v=L5PW5r3pEOg
タイ・ウェスト監督     A24     U-NEXT
2025年公開映画/2025年に観た映画   目標52/120   33/90
まぁ何故かワカラナイけれど、勢いで観てしまうことありますよね。本当はあまり個人的には無い事ですが、個人以外の力が働いて。
で、たしか3部作の作品、X、とかマキシーンとの関連作で何番目の作品なのか?も知らずに観る事になりました。
父は車いす生活で指示は入らないですし、意思疎通も難しいように見えます。さらに強権的な母が家庭を仕切っている家の1人娘であるパール(ミア・ゴス)は・・・というのが冒頭です。
全編、非常に1950年代風の、映像、字体、音楽を使っていて、古き良きアメリカ映画、を模しています。
そこに、非常に特徴ある性格で、そういう役を演じているミア・ゴスの演技も相まって、なかなかな展開です。
でも、もう少し、説得力が欲しい所ではあります。動機も、分からないではないのですが・・・あまりに突飛で、まぁ映画ですから、という事なんでしょう。
ほぼミア・ゴスの1人舞台です。
ミア・ゴスが好きな方にオススメします。

「イットフォローズ」を観ました     It’ Fllow’s

2025年9月9日 (火) 09:02
https://www.youtube.com/watch?v=fY4wqcdsemU
デヴィッド・ロバート・ミッチェル監督     ディメンションフィルムズ     U-NEXT
2025年公開映画/2025年に観た映画   目標52/120   33/87
ロングレックスが、どうにも鼻について・・・まぁ宣伝の問題ですけれど、作品にも問題あると思う。呪いとか呪詛とか悪魔の力とか、ファンタジー要素を入れてもいいのだけれど、設定が甘い、だとすると、みたいな細部が詰められていない、ニュアンスの、雰囲気の映画が苦手なんだと思います、ただ単に私の映画の許容度が低いと言うだけなんですけれど。
今作は結構流行ってたと思いますし、ホラー作品として有名ですし、マイカ・モンローが出てたので、観てみましたが・・・合わない作品でした・・・ホラー作品てどうしても緩い作品多いですね、設定というか細部が・・・
家から飛び出してきた女性(マイカ・モンロー)が異様におびえていて、突然車に乗り込み走り出すのが冒頭です。
うん、新しいルールを作ったホラー作品で、ただ単に人が立っているだけでも怖い、という作品になると思います。
呪いのような?なんというか曖昧な設定なんですけれど、そして予告でも、映画の中でも割合最初の方でルールを説明してくれるので、私も説明しちゃいます。
1 感染した人だけが見える
2 それ、は人の形に見えるが、何か?は不明
3 歩く速度で追ってくる
4 知能がある
くらいでしょうか。
で、それ、の説明は終わりです。終わりなのに、追加項目が増えます。で、なんでなのか?が良く分からないし、この映画、多分、円環構造を目指して挫折しているし、思わせぶりなラストなんですけれど、その先を観客は観てるので、え???どういう気持ちになれと?と思ってしまいました・・・
これ、なにをどう楽しめば良いのか?が掴めない感覚です・・・ホラー映画弱者な私には、なんとも冗長な作品という印象を受けました・・・
演者の皆さんは悪くないと思います・・・
あと、何でも光らせたり、文学作品のタイトルを入れておけば深みが出るってものでもないな。
ホラー作品を面白いと感じられる人に、オススメします。
アテンション・プリーズ!
ここからはネタバレありの感想です。未見の方はご遠慮ください。
どうしても、ネタバレありの感想を。
まず、見えないけど、銃弾でダメージを与えられるのが、最も不明です・・・なんで?しかもドアすら開けられない・・・鍵がかかってたりすると、もうだめ。チープな呪いだな。でも、窓ガラスは破壊出来る、モノを投げて・・・えっと、触れるんなら、ドアを蹴破れるのでは?そして、プールのシーンでは、布を被せたら、人間にも見える状況になるんです。なんか、こういう細部の設定が緩いと、凄く気になる。何故か血みたいのも出るし、倒せるようでいて、この後復活しているはずです、映画冒頭で死んでますから。
最初の彼も、追加の情報を教えてくれるんだけど、
5 憑かれた人が死ぬと、その前の人にそれが戻ってくる
これ、その場限りの女性で名前も知らない人から教えてもらったとか言ってたけど、え?そのルールが伝承するの、無理じゃね?
AさんがBさんに感染させる。BさんはCさんに感染させる。Cさんが呪い(?ここも微妙)殺される。Bさんにそれが迫ってくる。仮に、BさんはCさんの死を知っていたとして、誰にも感染させてない事も知ってたとして、それがBさんに来るなら、また感染させるか、殺されてしまうか?で、この忠告をAさんが知るの、結構難しいと思うんだけど。
なんかルールが雑なんだよね・・・
そしてポール目線で見ると、まぁその後ポールも死んでるはずなんで、本懐は遂げたとは思いますが、ね・・・何のために出てきたのか?不思議。
妹に至っては、何故出てるのかワカラナイし、その友人のメガネ女子も全然活躍の場が無さすぎる・・・母親をこれほど毛嫌いしてる理由もなく、チープで雰囲気だけの感覚。
モノに触れる、銃弾で傷つけられる、出血する、恐らく個体として倒せても、復活する・・・
多分、ただ単に性交をして傷つけられた人の怨念とか呪い、とかにするなら、人間の形をして、相手の最も嫌な人に見える、とかの方が深みが出ると思うのだが。だってわざわざ人の形してるなら、周囲に見えないのも何か理由を付けておかないと、とは思ってしまいます。
なんで裸の女だったり、男だったり、急に屋根の上に居たり、もう理由が、その方が面白そうだから、しか感じられないのも杜撰な気しかしない・・・

「ローリング・サンダー」を観ました     Rolling Thunder

2025年9月3日 (水) 09:33
https://www.youtube.com/watch?v=oZLGWRI169k
ジョン・フリン監督     アメリカンインターナショナルピクチャーズ     シネマート新宿
2025年公開映画/2025年に観た映画   目標52/120   33/86
ポールといえば、マッカートニーではなく、シュレイダーでございます。
そのポールが脚本をしている作品で、タランティーノ監督が大好きという名作と言われていますけれど、サブスクには何処にも入ってない作品・・・とても見にくい状況にあります。
それがシネマート新宿さんでやっているので、観に来ました。観れるの嬉しいです。
飛行機をバックに、デニー・ブルックスの「わが町サン・アントニオ」といういわゆるカントリーミュージックが流れ・・・というのが冒頭です。
確かにポールの仕事で、ポールの作品でした。現代2025年の感覚で捉えると、つまり2025年で解釈すると、違和感のある部分もあります。しかし、それでも、ポールの映画。
1973年を舞台にしたベトナム帰還兵を扱った映画で、公開は1977年。ベトナム戦争にアメリカが軍事介入しだしたのは1961年とされていますけれど、1975年まで戦争は続いていますから、いかにベトナム戦争が長かったのか?を感じます。
そんな状況の中、ベトナムで捕虜生活を7年続けて故郷サン・アントニオに戻ってきたレーン少佐(ウィリアム・ディヴェイン)はまさに軍人の鑑ですし、故郷の英雄なのですが、もちろん7年の捕虜生活で心身共に深い傷を負っています。
まだPTSDという言葉すらなく、帰還兵の苦しみさえ理解が遠かったであろう1977年にこの映画を作っているのは凄い事だと思います。
そこには、故郷の英雄だったり、軍人の鑑としての男ではなく、常に周囲との壁、それも説明出来ない、経験した人にしか分からない壁、外からの他者の目のギャップと、内なる自身からの現実 感 の遠のいたかつての感覚が戻らない壁があるように、私には見えました。ここの部分、観た人それぞれに違った印象で、解釈も開かれています。
あまりに深い傷なので、普通の生活に戻れない、しかしそれでも生きて行かねばならないレーン少佐の、厳しい、厳しすぎる現実。
唯一、同じ生活を送った部下のジョニー伍長(トミー・リー・ジョーンズ!が若い!)だけが正直に話せる人です、同じ経験を負っているから。
そんなベトナム帰還兵にさらなる追い打ちがあり・・・とまるで昭和残侠伝シリーズのような、鬱屈が溜まる様が続くのですが、これがなかなかヘヴィーです・・・
そしてもっとヘヴィーなのが、非常に厳しく、苦しく、ヘヴィーであるのに、その事実から眼を背けているわけではないけれど、全く、レーン少佐には、響かなくなってしまっている、という事実が重いんです。
ここは受け手である観客に、委ねられていると思いますし、この映画を観ても、ヒロイックでカッコイイ、となる人もいれば、ストレスがたまる映画、と感じる人もいるでしょう。私は心が完全に死んでしまった場合の恐ろしさを克明に描いた作品と捉えました。
友人であり、しかし妻からの告白の後、単純な友人とは言えなくなってしまったクリフに言う拷問に勝つ方法を話すレーン少佐の目、その言葉の重さ、観ている、作り物の映画を観ている観客にも、のし掛かってきます。
個人的に、最も違和感があったのが、リンダの存在、です。このキャラクターの扱い、難しいでしょうけれど結構重要です。池のシーン、どのような状況でリンダが生きてきたのか?が分かるのですが、何故レーン少佐だったのか?が、どうしてももう少し何かが欲しかったです。もし悪く解釈すると、完全に巻き込んだ、使えそうだったから、で終わってしまうし、妻ジャネットとの対比であったはず。
ネタバレにならない範囲でなのでここくらいまで、ですが、ジョニー伍長の、一家団欒からの父の言葉、発せられる家族構成の中で、ただ、父だけがジョニーが何処に向かうのかは分からないけれど、挨拶をしている言葉に、真摯な挨拶を返すシーン、見事。
世界がある種無音になってしまった男が、心動かされ、ただ1人だけ、かすかな繋がりを感じる友人と、決着を付けに行く。確かにベトナム戦争を扱った映画は多いですし、その心理的傷までを扱うモノも多い中、確かに異色の映画ではありますが、めちゃくちゃにヘヴィーでした。
私が観に行った回の、観客の濃さ、ちょっと異常な感覚ありました。完全な好事家が集まって、終始無言、ほとんどの人が個人の男性オジサン、稀に女性二人組がいるくらい。そして、まぁ分かるけれど、私的には全然違う鬱屈の作品で、個人的にはさほど面白味を感じない「狂い咲きサンダーロード」ファンも結構いました。全然違う映画だと思うんだけど・・・
ベトナム戦争に、男性の狂気に、そしてある種の愛に興味のある方にオススメします。
アテンション・プリーズ!
ここからはネタバレありの感想です、未見の方はご遠慮くださいませ。
ネタバレありとしては、
とにかくなんでこんなにてんこ盛りにしたのか?ってくらいなんですけれど、7年の捕虜生活、身体も精神もボロボロだけれど、軍人としての動きだけ条件反射で、出来る。しかし本当は何も感じなくなってしまったレーン少佐の唯一のかすかな気がかり、心の動きとしての息子だったのに、その息子、そして妻ジャネットもクリフに懐いている、邪魔者は自分、という状況です。しかも故郷の人たち、サン・アントニオの人々は、何も考えずに、故郷の英雄として、その振る舞いを期待されている事をレーン少佐も理解していると思います。だからこそ、その場合に出せるカードが、軍人としての規範的行動、しかない・・・それしか出来ない、日常の、普通の父、夫、男、人という行動が出来ないレーン少佐の苦悩・・・妻に裏切られ、その友人にも、仕方のない出来事だとしても傷つけられ、街の人々からは英雄としての行動を勝手に期待され、賞金を贈られたら(それもわざわざ捕虜生活と同じだけの日数の銀貨・・・悪気は無いにしろ、それは傷つくだろう・・・)、それが強盗を家に呼びこみ、拷問生活が長く、拷問を愛する手段で乗り切ったレーン少佐が、メキシコ人相手の拷問で音を上げるわけもなく、右手首を失う・・・
この際も、決して右手首が失っても構わない、というのではなく、私個人の見解ですが、拷問をする相手を愛しているから、答えられない、と言う感じがするのです。
そして自らも銃撃され、妻、子供も亡くなり、自分だけが生き残る・・・
リハビリをし、それこそ唯一の気がかりであった息子の仇を討つ為に、と言いつつ、私には、仇が討ちたい、というよりも、それ以外に何をすれば良いのか?ワカラナイという風に見えるのです。ここに最大の悲劇性を感じます。
ここでリンダを連れていくのは、確かに打算はあったと思いますが、巻き込む事へ感覚すら麻痺しているように見えます。(勝手に)近くに居て、話しかけやすく、いう事を聞いてくれそうだから、なだけで、リンダでなくても良かった。
だからこそ、リンダの個人的な生い立ちを池で射撃練習をしながら聞き、個人として向き合ったから、だから置いてきたんだと思います。ここはあくまでそう感じた、くらいですけれど。
ジョニー伍長の家には、娘が二人、良くしゃべり、生活している。そして未成熟な弟、恐らくそれなりの死地を経験した父との会話と、突然、制服を着て少佐とビールを買いに行くというジョニー伍長の父との会話の質の違い、弟とは世間話であり、保護者の会話をしているのに対して、ジョニーとは、ある種の今生の分かれすら滲ませる短い会話・・・ココが泣けます。父は分かって送り出している気がするのです。
そこからは、ついにこれまでのスラストレーションを爆発させるかのようなアクション。しかし、ここでも、そしてジョニー伍長に仕事を頼む時も、嬉々として行っているのではなく、あくまで兵士として、何も考えずにいられる事を、喜んでいるように見えるんです。なんなら死んでしまっても構わない、という風に。どこまで精神を損なえばこの境地に立つことになるのか?全く分かりませんけれど、大変に苦しい事だと思います。
ラストは唐突に訪れ、家に帰ろう、で終劇。そこにオープニングと同じカントリーミュージックである(日本で言えば、間違いなく演歌です)わが町サン・アントニオが流れる。
不覚にも目から水が出てしまいました。何でかワカラナイ。何故だかわからないけれど、目から水が数的こぼれました。恐らく、存在を自らもどう扱って良いか?分からなくなってしまった男の、兵士としての役割を終えた、という仕事を全うした、というだけの感覚なんだと思います。仇を成した、とか、そういうのでもなく、ジョニー伍長というこの世界で唯一の理解者で同じ被害者との共同作業。
消化しきれない作品でした。
同じ劇場に居た人たちの、ちょっといわゆるダンディズムやこの映画の影響を語られている「狂い咲きサンダーロード」との関連性は私には全然感じないんですけれど、いわゆる浸っている人、結構居たな・・・
でも私はそういうのとちょっと違うと思うんだけど・・・
サンダーロードの主人公って、結局死を厭わなければ、というただそれだけで、イキがっている、頭が悪い人、に見えるんですね・・・駄々っ子に見える。この映画のテーマともアクションとも全然違うと思うんですが・・・

「ロングレックス」を観ました   LONGLEGS 

2025年9月2日 (火) 08:55
https://www.youtube.com/watch?v=Z03AyAkracY
オズグット・パーキンス監督     松竹     U-NEXT
2025年公開映画/2025年に観た映画   目標52/120   33/84
友人から、オススメでは無いけれど、感想を話しあう為には観ないといけないので、観ました。確かに、オススメではないね・・・
雪が降り積もった白い外壁の一軒家に近づく車、その車に気付いて通りに出てくる少女、その少女が振り向くと・・・というのが冒頭です。
そしてこの冒頭の場面の音楽の使い方、効果音ですね、その使い方で、非常にベタなホラーを目指した作品である事を理解出来る作りになっています。
公会された後の何処かの段階で宣伝に「羊たちの沈黙」を超える、とか言ってたと思いますけれど、全然目指しているモノが違うし、凄く、ホラー好きな方の評価は分からないけれど、私はサイコサスペンス的な「羊たちの沈黙」的なサスペンスを期待していましたけれど、最初の効果音で、そういうのを止めて、チープなホラー向け作品として観ていたら、そんなに腹立たしい感覚にはなりませんでした。ただ、もう少し、筋とか理屈は通して欲しいです。
それと、悪魔崇拝が実際に居たとして、その人たちが、超現実的なチカラを、何故持てるのか?とは思います。それなら神を崇拝している宗教団体にも同じチカラが存在するとでも思っているのでしょうか?神がいるかいないか?は数学的には証明されているようなモノですけれど、現実を扱っているのであれば文句もありますけれど、そうでないなら、まぁ仕方ない。つまり志の低い作品と、個人的には捉えました。安易だな、と思った、感じた、という事です。
基本的に私は、神という上位概念を考えておかないと現実が理不尽すぎて耐えられない人がいる為で、確かにホモサピエンスに神という概念は必要だった時期もあるのだが、今は既に必要が無いと思っております。神が不在でも世界は動いているし、神という概念を使うから、陰謀論的な事を考えてしまう基になってはいないか?と思います。無神論を信仰しています。
私はファンタジーだと思って、観ました。
でも、いろいろ気になるけど。
ファンタジー世界の理屈を、説明してくれないと、な~。
絵は結構気を使っています。キューブリックが好きな人だと思いますし、デビッド・フィンチャーも同じくらい好きなんだと思います。ま、映画に関わる人でキューブリックが好きじゃない人探す方が難しいとは思いますけれど。
それと、凄く、あの文字がゾディアックなんで、まぁもう少し、上手く使って欲しいアイテムなんですが、この辺も雰囲気優先なんです。
1番ビックリしたのは、監督のお父さん、です。
そう考えると、この脚本、それなりに分かる気もするし、そこから着想しているなら、そういう現実を生きている人が居る、という事実が最もホラー的。
ニコラスケイジさんは、本当に頑張ってる。うん、頑張ってる。でも最近の中では「ドリームシナリオ」の方が凄いし怖い。
ネタバレ無しで言える事が少ないけれど、このファンタジー世界のFBIはもう少しちゃんとしよう。
全てが主人公に収斂するの、もうセカイ系という事でいいかな?
比較的、主演マイカ・モンローさんの造形は気に入りました。全然好みではないけれど、嫌いではない。これ、主演が新しい方がリー・ワネル監督作品「透明人間」主演エリザベス・モスさんクラスに合わない人だったら目も当てられない結果になってたと思います。
さて、人は自分で机に頭を打ち付けて、自分で、出来るかな?
ホラー作品が好きな方にオススメします。
ホラー作品の楽しみ方がワカラナイ・・・
アテンション・プリーズ!
ここからはネタバレありの感想になりますので、未見の方はご遠慮くださいませ。
ネタバレありとして、
悪魔崇拝って言えば、他者の意識を自由にできるのか?
なんで9歳?に拘るの?悪魔は6とか言ってなかったっけ?
それとリー・ハーカー(マイカ・モンロー)が選ばれた理由は何なのか?の説明は必要だと思いますよ。
人形が果たす役割も全く不明だし、FBIの上司カータ―、いくらなんでも、なんで???悪魔にそんなチカラがあるの?意味不明過ぎる・・・
あと、リー・ハーカーのお母さん、無敵過ぎるし、タイミングが良過ぎる!
このお母さんはニコラスケイジに何を約束させられたのか?も分からないし、青白いキモイオッサンが脅したとて、拳銃とか凶器で脅されるならまだしも、なんでなのか?全然ワカラナイ。
死後の世界の業火を気にしてるけど、なら、早く自らを選べば、他者を巻き込まないで済むんですけれど・・・
というように、気になる、気に障る、理屈が無い、とかはいろいろあり過ぎます。もういちいち指摘していられない。
でもファンタジーだとて、もし、真剣にファンタジー世界を映画にしている人は、もう少し理屈も説明しているし、説明セリフにしないで、上手く理解出来るようにしてます。
そういう意味で、雰囲気の映画。
雰囲気、だけならまぁまぁ。ただ、しょっぱなの効果音、ダサい。そして下品。志が低い。そして、そういうB級というかC級以下の作品を愛している人からは批判されないだろうけれど、当たり前ですが、似ているデビッド・フィンチャー「セブン」やジョナサン・デミ監督「羊たちの沈黙」は凄く上品に、細部にまで細やかな気遣いが感じられる。
ただ、もし、この監督脚本のオズグット・パーキンスが、お父さんとお母さんの関係性を考察して、母親の狂気から着想していたら、それはそれで、すんごく怖い。
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