井の頭歯科

増村保造監督作品 1 「青空娘」 を観ました

2020年4月30日 (木) 10:23

増村保造監督     大映

ついに入ってしまいました、Amazonprime!映画館がこれだけ閉鎖している時期、というのは大変悲しい事ですが、仕方ないですし、テクノロジーの進化で、家で映画がみられるのは大変喜ばしい事です。

私は全然知らなかった日本映画の巨匠の1人増村保造監督の事を、映画に詳しい友人に教えていただきましたので、まずさらりとした作品から手を出しました。

とにかく予備知識なしでまず観ました。

田舎で祖母と暮らしている有子(若尾文子)は、高校卒業後に東京で暮らす両親の住む家に引っ越す事になるのですが、それはいろいろなしがらみがあり・・・というのが冒頭です。

正直、大変少女漫画的なストーリィが展開されますし、脇のキャラクターも大変紋切型で、そういう意味での新鮮さ、今2020年に感じる新鮮さは、微塵もありません。

しかし、俳優、女優さんんの、その時にしか無い輝きが収められています。非常に新鮮と言えます、特に主演の若尾文子が、です。

この作品は原作あり、です。ですから、原作を変える事がどの程度であったのか?がワカラナイ部分があります。しかし、上映された1957年という当時のリアルではなく、おそらくフィクションとしての映画の中のリアル、という感じだと思います。冒頭から、今では考えられない程の、かなり気恥ずかしい場面がありますが、それも、その当時の人には、それなりの普遍性として、映画内リアリティとして受け入れられていたのだと思います。

まず、何といっても若尾文子の魅力、それが全て、と言ってもイイと思います。そして、その1点を、のみを全面に押し出している作品。そしてそのための演出、と言えると思います。

しかし、それと同時に、その当時の、ある種大衆に向けた、分かり易さ、その純朴さが、まだ通用した時代の、垢抜けなさ、を表しているとも思います。だからこそ、演者が清々しいくらい、今ならまず無理なリアリティラインを、本当に生き生きと演じられていて、その上自然なんですね。

脇で言えば美味しい所はほとんどミヤコ蝶々と魚屋さんが持って行きますね、この2人の間の取り方が素晴らしいです。

しばらく、増村保造監督作品が続きます!

若尾文子が好きな方に、オススメ致します。

「聖なる地獄」を観ました

2020年4月28日 (火) 09:12

ウィリアム・フランチェスコ・アレン監督       Netflix

最近観た映画で(と言いつつ、映画館が恋しいです、既に・・・)ミッドサマーという映画(の感想は こちら )のラスト、私はあまり納得できませんでした。だってカルトなんですから・・・カルトの中にいる人は、カルトの怖さを理解出来ないし、否定したいと思います。でも、そこに安住の地を見つけても、それは地獄だったりするわけです。

で、そういうモノを描いた作品が、この聖なる地獄です。

ブッダフィールドというコミュニティ(今のところ、コミュニティと表現します)に所属していた、その組織の中での記録や映像作品を作る担当であった今作のアレン監督が、22年に渡ったその活動のドキュメンタリー映画です。

私は、やはりスピリチュアルという単語にうさん臭さしか感じないんですけれど、カルトに嵌り易い人、という方が個人的に居ると思うし、性善説を唱える人は危ないと思います。良い意味で、スピリチュアルという単語が定義するモノ、私個人は、皆無だと感じています。そもそも、ただの偶然にも、そして縁にも、後付けで意味を持たせているのが人間です。縁を感じる事はイイ、しかし、それは他者とは共有出来ない、あなただけの解釈。そこにスピリチュアルを絡めると、必ず危険な臭いを醸し出します。宇宙まで交信してしまったり、都合良く量子力学を語り出したり、大変危険な兆候と言えると思います。個人的にスキで行うのは構いませんが、他者を引きずり込むのは止めて欲しいし、だいたいにおいて、良かれと思って、とか自分側に正義があると 信じ ている人は、強引にも、そして簡単に残酷になりますし、それは歴史が証明していると、私は考えます。

多分、化学的にも、科学的にも、暗示的にも、神を見せる事は出来きます。そしてそれは体験としてはすさまじいと思いますが、神じゃなく、ケミカルに、サイコロジカルに、神だと脳が誤った判断をしたから、だと思うのです。個人的には文化的な神(神が存在するという人や集団が作り上げた事で得られた文化的価値)は認められるけれど、所詮は人間が作り上げた妄想だと思うのです。でも、もちろん神を信仰する人とも共生したい、信仰は、人の心は何物にもけがされない未踏の大地だと思います。

この映画では、ブッダフィールドというカルト集団を描いています。対外的な危険は少なかったと思います。が、中にいる人間にとっては、そうでは無かったと思います。マインドコントロールの恐ろしさを描いた傑作です。個人という考えが割合少なく情緒や関係性に絡まる国、この日本であれば(遠藤周作は、日本を沼と形容しましたし、今は追っている増村保造監督はその集団に抗う個人を描いていて、凄く面白いです、COMING SOON!)もっと被害や規模は大きくなったのではないか?と想像します。

自分の人生を22年棒に振るって、どんな体験なんだろう・・・棒に振った、とは言い切れないと思う、心で理解していても。そして、大変に深い傷を負う事になる。取り返しのつかなさとして、22年という時間は、あまりに重い。

もちろん教祖が問題だが、しかし、本人にも問題はある、私はそう思います。

人間に興味のある方に、オススメ致します。

「HOUSE ハウス」を観ました

2020年4月24日 (金) 09:13

大林 亘彦監督     東宝

追悼の意味を込めて。私はたかだか2作品しか大林作品を観ていませんが、その2作を映画館で、しかも先に原作を読んでいたから、観に行ったので(小学6年と中学1年生でした)大林監督作品とは認識してなかったのです。小学6年生にとっての「転校生」と、中学1年にとっての「時をかける少女」です。本当に面白かった、と記憶していますし、その後何度か繰り返してみてしまいます。
その当時は山中恒さんにはまっていたので。特に「ぼくがぼくであること」という作品は、明らかに自分にとってエポックな出来事でした。多分自我に目覚める、という事に近い、それこそ哲学的な意味を朧気ながらも感じた瞬間だったと思います。
そんな大林監督もお亡くなりになり、そういえば処女作観てないな、と思ってみた次第です。だいたいにおいて、書籍も音楽も処女作に監督の嗜好が現れてると思ってるので。

オシャレ(池上季実子)とファンタ(大場久美子)は演劇部の親友同士です。オシャレは夏休みに父親と(母親は病没しているようです)軽井沢に、ファンタは部活仲間6人と夏合宿に行く予定です。しかし、軽井沢には父とオシャレだけでなく、父が連れてきた再婚相手(鰐淵晴子)も一緒にと行くと聞かされ・・・というのが冒頭です。

処女作からして、この内容で、この演出方法!すでに出来上がっているとさえ感じました。いい意味でオカシイです。多分前衛芸術に分類されかねない作品だと思います。チープなんだけれど、そのチープさ込みでの魅力、そして演者の拙さ含む若さ、凝りまくった演出、そこに、GODIEGOの洗練された音楽がマジックを生み出しています。

特に、挿入歌のCherries Were Made For Eatingがめちゃくちゃカッコイイです!

さらに、何歳での撮影なのか?不明ですが、池上さんの妖艶さ、大場さんのあどけなさ、その他、ガリのメガネ属性を生かした豹変、スイートのその頃にしか出せない魅力、クンフーの身体のキレとスタイル、メロディの不思議ちゃんキャラの先見性、そしてさっさと退場するマックの潔さ・・・どれも凄いし、よくこの人数でこのキャストを集められたな・・・しかも被らないのが凄い。名前を与えないのも、凄すぎる。

中でも、美貌、という意味で個人的にやられたのが鰐淵晴子さん。何この人の、この世と思えない美貌!美については個人差がありますし、基準は人それぞれだけれど、美しいです。もちろんそう撮っているわけですが、こういうのが好きなんです。

GODIEGOも大林さんもちゃんと出演しているのが面白い。

さらに、何歳での撮影なのか?不明ですが、池上さんの若さに似合わない成熟された妖艶さ、大場さんの今だけの純真なあどけなさ、ガリ役のメガネ属性を生かした豹変、スイート役のその頃にしか出せない魅力、クンフー役の身体のキレとスタイル、メロディ役の不思議ちゃんキャラの先見性、そしてさっさと退場するマック役の潔さ・・・どれも凄いですし、よくこの人数でこのキャストを集められたな、と思います。しかも被らないのが凄い。名前を与えないのも、凄すぎる。
あ、もちろんカメオ出演や、友情出演も豪華です。ちゃんと大林監督も、GODIEGOメンバーも認識しました!
そして個人的には尾崎紀世彦さん、まるでコメディリリーフな扱いで、凄く違和感あるけれど、面白かったです。

あと、猫好きにとっては、この猫ちゃん大丈夫だったのかな?とちょっと心配になりました。

しかし、これが処女作って、ちょっと凄すぎです・・・普通じゃないです・・・あもちろん称えています。

大林作品が好きな人に、そして、私は全然知らなかった鰐淵晴子さんが好きな方に、オススメ致します。
鰐淵さんが凄く、美しいです!

「HiGH&LOW THE MOVIE」「HiGH&LOW THE MOVIE2 / END OF SKY」「HiGH&LOW THE MOVIE3 / FINAL MISSION」を観ました

2020年4月21日 (火) 09:16

久保 茂和、中茎 強監督       日本テレビ

凄く有名みたいですが、私は知らなかった映画ですが、期間限定でYoutubeで無料公開されていたので、レッドレインを除いて観ました。とにかく設定とかストーリィとか、そういう事は脇に置いておいて、大変気分的に盛り上がる『少年マガジン』的な不良漫画の実写化、と思っていただければ間違いないです。

すみません、映画の冒頭から、全然説明出来ないんですが、とにかく、昔ある地域を暴走族(という言葉も既に死語でしょうけれど、他に形容出来る単語が見当たりません)ムゲンというグループが居たおかげで、かえって(??でもナレーションでそう言ってるんです!)、治安が維持されていた地域がありました。しかし、その後ムゲンは解散し、その地区に5つの暴走族チーム(?)が頭角を現します、それぞれの頭文字を1文字とって、SWORD(スウォードと読みます)地区と呼ばれるようになった地区の抗争劇を描く作品です。私の言語力だと、この説明が精いっぱいです・・・とにかく登場人物が多すぎますし、説明が全然無いんです・・・

SWORD地区を紹介する動画をご覧になって下さい・・・

多分この動画を見ても何だかワカラナイと思います・・・ええ、私もです・・・

でも、とにかく、アクションが凄いです。めちゃくちゃに、お金がかかっています。その1点だけでも観る価値があります。役者さんもカッコイイです、でも全然映画では見かけない人たちばかりで、本当にびっくりしたのですが、この方たちは歌手のグループなんです・・・本当にびっくりです・・・歌手はやめて俳優になったらいいと思います。

ただ、話しはすごく、いい意味で余白があるんです・・・いや、脚本は穴だらけとも言えますが、そういう細かい事はどうでもいいんだよ、という人にはかなり嗜好性の高い作品になると思います。細かい部分が割合私は気になる方だと自覚していますが、私もとても楽しめましたし、そのストーリィや人物の穴、余白の部分をおもしろがれる、意図的に提供しているのだと思うと、大変肝の据わった演出だと思います。

不良グループの抗争に興味のある方にオススメ致します。ここまで振り切って作品を作れるのであれば、多分多くの人がおもしろがれると思います。凄いです。

大林亘彦監督の訃報 と 藤原啓治さんの訃報

2020年4月17日 (金) 09:09

大林亘彦監督が亡くなられてしましました・・・

私が最初に大林作品を観たのは、原作「おれがあいつであいつがおれで」の山中恒著の原作を読んでいたからで、その当時たしか小学6年くらいの頃の話しです。その当時、山中恒さんの「ぼくがぼくであること」で山中恒さんにはまっていた頃だったので手に取り、凄く面白かったのを覚えています。中でも最高傑作だった「ぼくがぼくであること」に次いで面白かった「ぼくがあいつであいつがあれで」の映画化!と聞いて、叔母さんに映画館に連れて行ってもらったのを覚えています。

映画はいろいろな意味で最高に楽しくて、笑えて、そして最後にすん、とくるとても素晴らしい作品でした。その後も好きになって何度か見ています。

そして中学生になった頃から、角川映画のブームが私も知るようになり見た「時をかける少女」が、またまた大好きな映画になりました。

正直、私はテレビに出てくる芸能人やら有名人を好きになる、という事が全然ないのですが、別格で原田知世さんの初々しさには、何かある、と感じられました。好きになった、と言ってもいいかもしれません。まぁあまりに一方的な存在なので、自分とは関係ない、と理解していましたけれど、でも、いいな、とは思いました。しかし原田知世が演じる芳山和子が、という事なんですけれど。

つまり、芳山和子が気になるのですが、映画を最後までみていただければわかりますが、映画は原田知世の歌う「時をかける少女」のプロモーションビデオ、として映画として完成しているので、本当にいろいろ入り組んだ映画だな、と思ってます。そういう仕掛けを経験して、原田知世が演じる芳山和子が、好きになったわけです。

もちろん、映画としていびつだけれど、面白い!と思いました。でも、この時は同じ監督が撮っているとは気づいてなかったです。

私が観ている大林作品は多分この2本だけですね・・・決してイイ観客ではありませんし、悲しがるのも失礼だというのも理解していますけれど、でも、大変ショッキングな映画体験でした。それも小中学生の頃の経験ですので、大変刷り込みが強かったと思います。これから、大林作品を観て行こうと思います、でも、このままこの2本を大事にしていくかも・・・

そしてもう1名、この方はもっと何にも知らないに等しいんですけれど。藤原啓治さん、いや、クレヨンしんちゃんのお父さん、ひろし!

映画「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツオトナ帝国の逆襲」を、いろいろな人からオススメされてみたのですが、相当な大傑作だと感じました。そのお父さん ひろし を演じていたのが藤原啓治さんです。

原恵一監督の大傑作ですけれど、子供に向けられた作品であるのに、大人がやられてしまう作品として有名ですが、私も同様にやられてしまいました。

悪の組織「イエスタディワンスモア」の主張に、大変共感してしまいます。そして、ラストの、あの展開の、ただ走る姿に、素直に感動してしまいました。

そんな作品の肝の人物を演じる藤原啓治さんの声の素晴らしさは、悪の組織のトップの声の素晴らしさと同時に非常に感銘を受けました。

どんな人でもいつか亡くなるのですが、亡くなってから追悼するよりは、亡くなる前に、ちゃんと応援しなければいけないと常々思っています。このお2名ともそれほど何かが出来ていたわけではありませんが、それでも、残念で悲しいです。

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