井の頭歯科

「風立ちぬ」を観ました

2013年7月30日 (火) 09:16

宮崎 駿監督      スタジオ・ジブリ

宮崎駿監督作品は私の世代ですと、観たことが無い、という人の方が圧倒的少数派、というくらい子供のころから慣れ親しんできた絵柄であり作品です。過去の宮崎駿監督作品の感想はこちらこちらです。

こういう話題作は事前情報はなるべく入れないで行くのが基本的には最も楽しめる(情報は今や閉ざすのが至難の業であり、だからこそ、価値を個人にとって倍増させてくれるテクニック。でもみんなが知ってる方法でありながらかなり難しくもあります)ので、とにかく何にも知らないまっさらな状態で観てきました。なので今でも堀越二郎も堀辰雄もよく知らないでの感想です。多少のネタバレありますので、出来れば未見の方はこのまま読まずにまず観に行っていただきたいです。

田舎町で飛行機に魅せられた少年は、目が悪いことでパイロットへの道を諦め、飛行機の設計技師としての道を歩むことを夢見る二郎(庵野 秀明)。先達である設計技師のイタリア人カプローニとは夢の中(私注!個人的には妄想と判断致しました。ただ、ここは解釈が分かれる部分だと思いますし、どちらとも取れるような上手さがあります!)で話し合いさえ出来る、尊敬すべき人物との邂逅を経て、その夢に向かって曇りないひたむきさで進んでいきますが、この時代は天災や戦争の時代であり、一日本人である二郎もその流れの中で生活しているのであり、様々に翻弄されていくのですが・・・というのが冒頭です。

とても広い解釈の開かれた映画で、現実を受け入れる度量の深さを、潔さを描いた傑作と私は感じました。二郎はかなり激しく様々な場面で妄想に耽るのですが、アニメーション的な表現である、個人の妄想をその周りにいる(あるいは実在はするものの、会ったことさえない人物であっても!)二郎と心の繋がりのあるキャラクターとはその妄想を共有出来ている描写を多用していて、この表現方法ひとつとっても、解釈が開かれていると感じます。私のように感じる人もいれば、その後の現実的で細かい意思疎通をアニメーション的に表現しているとも解釈出来ますし、その妄想部分と現実(と言いつつこのアニメーション内でのリアル、だからこそ映画的表現!)の切れ目をとてもデリケートに曖昧にすることで、とても綺麗な作りになっていると思います。

二郎と距離ある、その生き方に共感し得ない無粋な連中とは、話さえも咬み合わない上に何を言っているのか分からないように表現されており(少年の頃のけんか相手のセリフ、そして青年になってからの重役、軍関係との会議の場面)、これだけとっても、それがアニメーション的表現なのか、それとも二郎の主観描写だからこその表現なのかをあえて曖昧にすることで、受け手がどの程度二郎に感情移入するか?を意図的に考えさせるつくりになっているからこそ、ここでも幅広い自由度を増すことへの配慮を感じさせます。

二郎はただただまっすぐに自身の夢へと突き進んでいくのですが、飛行機をつくる、それも美しい飛行機を作る、という「夢」がいかに純粋であるのかを徹底的に綺麗に見せつつ、必ず周囲の人間はその負の面(戦争の道具であったり、技術を盗む側面があったり、軍の介入を避けられなかったり、そして軍国主義に傾いていく祖国をどうすることも出来なかったり)を挟み込んできます。一見、二郎は良い面だけしか能動的には見せていないにも関わらず、その場には一緒にいることで、その負の面を知っていると感じました。ただ、その負の面に対して映画の中では最期の最期の場面でしか答えていない為に、より純粋で綺麗に見えるようにはなっていますけれど。こういう場面でも、観客である受け手がどこまで二郎に感情移入するか?を問われているように感じました。

もちろん宮崎駿作品の主人公ですから、とてもジェントルマンで、少年の心を持っている、ちょっと不思議な人、なんです。そしてヒロインは主人公よりもっと宮崎駿的ヒロインの枠を外さないキャラクターです。宮崎監督はお嬢様や姫さまを描かせたら本当に上手いです。

珍しく正面から主人公とヒロインの恋愛感情を扱っていて、それも逃げない正面からの描写をたくさん取り入れているのですが、その部分にも潔さを、セリフにもある通りの「1日1日を大事に生きる」ことへの覚悟を感じさせました。きっとだからキャッチコピーが「生きねば」になったのではないか?と思います。ねば、という表現に、潔さの強さ、覚悟の重要性を問いたい、という強いメッセージを感じるのです。死が単純な悲劇なのではなく、時間や場所や病気や仕事や天災や、という生きているという様々な制約を受け入れつつも、その中でどれだけのことを成したのか?だからこそ、何をしなければならないのか?を描ききっているのではないか?と感じました。

私はこの映画は傑作ではないか?と思うのです。

映像ですが、地震の映像表現は特に素晴らしかったです、石の揺れ動き、火事の場面も素晴らしく、また相変わらず「水」を描くのが素晴らしい。水面の見せ方、田んぼの水が張られた場面での視点が動いていくことでの美しさ、風が波間を立たせる動き、素晴らしかったです。宮崎駿の絵のクオリティがさらに上がっている感じがしました。忘れられないのがドイツでの壁に映る影の懐かしいけど斬新な表現です、絵画的でありながらも漫画的でありながらも、上手い表現だと思いました。

音で気になったのが、飛行機のエンジン音で、なんとなくですが、人の声で作っている部分があったと思います、象徴的な作りで、びっくりしました。また、地震の場面でも多分人の声を使っての地響きのような音を使っていると思います、特徴的で良かったと思います。とても細やかに、細部に至るまで作り込んだ作品です。

そしてこの庵野さんの声優起用は私はとても合っていると感じました。プロではない人に任せるのはどうか?とも思いましたし、確かに、最初のセリフを聞いた瞬間は「えっ?」と思いはしたのですが、すぐに慣れてしまいました。そして朴訥とした浮世離れしつつも夢を形にすることに異様にこだわる姿勢を表現するのに深みと説得力を与える配役だったと思います。最終的には庵野さんでしか表現できない、この人で良かった、と思わせるに十分でした。

結末のちょっと類似形の無いカタルシスは結構やられました。最期に負の面を受け入れてみせる二郎が、生きねば、と言う重みはちょっと凄いと思います。カプローニは半分も帰ってこないのに、二郎の1機も~の下りからして二郎は夢の負の側面を知りつつ、加担したことの自覚をしつつ、戦争の悲劇性も知りつつ、それでも「生きねば」とつぶやく芯の強さの重みは相当のものがあったと思います。

ただ、単純に「夢」というものを良いものとしてだけ捕えない、物事の多面性を表現しつつ、負の面を理解させるのは素晴らしいと感じました。

宮崎駿作品が好きな方に、オススメ致します。

3歳児健診に参加してきました!

2013年7月26日 (金) 09:23

武蔵野市の保健センターで3歳児健診に参加してきました!

3歳児の方々ですと、ちょうど乳歯列は完成している頃なんですが、まだまだ個人差も大きいですし、お口をあけて診査するだけなんですがやはり診察台に上がることに恐怖を感じる子もいれば、何事もなくお口をあけてくれる子供まで様々です。お母さん方は大変ですね。

各種ポスターでの周知徹底が、知識を知っていただくことが予防への第一歩だと思います。

今日の診察台にはアンパンマンを作るコックさんがいました!ジャムおじさん!子供たちのアンパンマンへの憧れは相当に強いですね。

歯磨き3歳児でもそこそこ出来るはず!お母さんの仕上げみがきを完璧にするためにも、お母さんの負担を減らすためにも、是非がんばってもらいたいです。

批評する ということについて・・・

2013年7月23日 (火) 09:17

何かを観たり、聞いたり、読んだりしたことについて、感想をまとめて文章にしてみたりすることで、自分が本当にはどんなことを考えていたのかが分かる気がします。

文章にすることで、自分の意見をまとめることで、読んでくださった方からの反論や意見を伺うことも出来ますよね?もちろん同好の趣味を持つ人と飲んで、食べてしながら、お互いの意見を交わすことの楽しさはどんな方でもご経験があると思います。この場合、感想もあるでしょうけれど、印象批評ということにも繋がると思います。なにしろ主観での印象、感じ取った自分の意見ですから。

それを、文章にすることで、批判的に聞こえたり、伝わったりするのは本意ではないのですが、でも、その良くない印象が何故だったのか?どうしてそう感じたのか?を言葉にすることで反論だって出来ますし、より建設的な意見を築いていけるのではないか?とも思うのです。

何をごちゃごちゃ言っているのか(というか毎回私のブログはただ単に私が感じたことをごちゃごちゃ言うだけのものなんですけれど・・・)といいますと、ワタクシ、先日バレエを見に行ったのですが、やはり生の舞台で、しかも生オーケストラの演奏で一流のダンサーが踊るバレエはなかなか面白いものであるわけです。が、結構気になる部分もありまして、その辺を感想としてまとめてみたんですが、どうしても否定的な意見になっちゃうんですね。

どう受け取ったのか?という事については受け手の自由度があるのではないか?とは思うものの、私は演奏が出来るわけでも、舞台経験があるわけでも、ダンサーとして踊れるわけでも無い人間が批判すべきじゃない、という意見もあるとは思います。根拠なく批判したり、自分の感覚だけで拒否されるのは私もどうかと思いますが、その立場に身を置かないと批判できない訳でもないと考えているのです、変なたとえですけど、親にならないと子供を躾けられないわけではないですよね?私の仕事で言えば虫歯になったことが無いと治療できないわけでも無いです(虫歯になったことあります、恥ずかしながら)。

前置きが長くなり過ぎましたが、観に行ったバレエは井上バレエ団の「白鳥の湖」です。

主役のエマニュエル・ティボーはとてもエレガントでした。特に着地が素晴らしく綺麗で上品に感じられます。相手役のオデット/オディールを演じた島田 衣子さんもエレガンスを感じさせる踊り手だと思います。とても細やかで日本的な美しさを感じさせます。

でも、この2人とそれ以外の開きを感じてしまうのです。ロットバルト役の藤野さんは良かったです、説得力ある演技(体格の説得力もあった!)で良かったのですが、コールドの方々、ソリストの方々、もうひとつ何か足りない、あるいは意気込みが強すぎる感じがしました(もっと正直に言うと、自らが強く「踊りたい」という意欲を感じられない人と、もっと私を見て!という自己顕示性が透けて見えてしまう人の両極端な感じがした、という事です)。もう少し自然な演出の方が好み、というだけかも知れませんけれど。あるいは全体の方向性が定まって無いような印象を受けた、という事です。

また、物語の終盤の飲み込ませ方にも、もう少し工夫があっても良い気がします。たしかに「白鳥の湖」は悲劇ですが、最後の演出が工夫されてきているのも事実だと思います。ロットバルトに勝つにしろ、2人で身投げするにしろ、そこまでの何かを感じさせられないと、中途半端な印象になってしまうのではないか?と思ったのです。

などと、勝手な感想ですが、やはり実際に観に行くという行為があってこその面白さです。また、違ったバレエ団や違った演出のものと見比べるのが面白いです。

私がすっと前にメルパルクホールで観た井上バレエの「ラ・シルフィード」の藤井 直子さんはとても素晴らしかったので強く記憶に残っています。もう引退なさってしまったのでしょうか・・・

ハンズオンセミナーに参加してきました。

2013年7月19日 (金) 09:24

武蔵野市歯科医師会の学術講演でのハンズオンセミナーに参加してきました。

内容が歯内療法という歯の神経の病気に関するものであったので、昔大学病院の講座に非常勤勤務医として参加させていただいたのが歯内療法学講座だった私はとても興味がありました。

日本ではまだ手で扱う器具(ファイルと言います)を用いて歯の根の中(かつて神経や血管組織が中を満たしていた部分)の内壁部分に存在している細菌や汚染物質を削り取るのですが、アメリカの専門医(アメリカは歯科の中でも専門医が多数存在します)ではほとんどがマイクロスコープを用いたうえに機械的な根幹拡大形成を行います。その機械の紹介と実際に触らしてくれるというので参加してきました。当時(もう大学病院に行かせていただいていたのも10年近く前の話しですが・・・)からすると少し改善され進歩も感じられましたが、基本的な部分は同じでした。

透明な樹脂の中に湾曲した歯の根の中を想定した穴を作っておいて、その部分を綺麗にするのを機械的な操作で行います。ちょっと専門的になりますがいわゆるクラウンダウンというテクニックで行います。私もそうですが日本では主流の手でファイルを使用して綺麗にする場合に行うステップバックとは異なる方法でその中を綺麗にしていきます。非常に弾力性に富んだフレキシブルなニッケルチタンファイルを用いての方法です。私も早速拡大形成してみました。

かなり綺麗にできましたし時間も早かったです!というのも以前所属していた講座ではこういう機会がとても多かったので割合器具の扱いに慣れていたからなんですが(笑)

日本でもこの方法を用いられている先生方もたくさんいらっしゃいます。私はどちらの方法も良いところがありますし、欠点もそれぞれ抱えていると思ってます。連携を取りながら、そろぞれの欠点をカバー出来れば、紹介しあえれば問題は少ないと思います。さらに突っ込んだ専門的な話しになれば、根管系をすべて綺麗にするのはかなり困難な課題だと私は思っているのです。

ここ数日ちょっと体調を崩して風邪をひいてしまい、咳が出る中の診療になってしまっていて、患者さんにはご迷惑をおかけしています。夏風邪、流行っているようですので皆様も健康には十分ご留意くださいませ。

30T イベント!

2013年7月12日 (金) 08:55

吉祥寺には漫画家さんが多く住んでいらっしゃると聞きます。

時々パルコ・ブック・センター(じゃなくて今はリブロ書店なんでしょうけれど、私は1番馴染みの本屋さんで個人的にはパルコ・ブック・センターです)でもサイン会を行ってたりしますよね。私が知っている方ですと江口寿久さん、西原理恵子さん、いしかわじゅんさんなど多数の方がいらっしゃいます。

そんな中、漫画家さんやイラストレーターの方が江口さんの呼びかけで集まって手作りTシャツを作ろう!というのが30Tイベントです。

昨日が初日だったので早速行ってみました。

ギャラリー創で毎年行われているのですが、とにかく今までで最も多い人だったと思います。ものすごく盛況でした!

私は去年買えなかった江口さんの「白いワニ」Tシャツを購入するのが精一杯でした、人が多すぎてゆっくり見られないくらいの混雑!盛り上がっていて良かったです。

素敵なTシャツです!

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