井の頭歯科

「隔たる世界の2人」を観ました

2021年4月28日 (水) 09:33

トレイヴォン・フリー監督     Netflix

Netflixでちょっと面白そうだったのと、短い作品だったので・・・

相変わらず、なんだかバタバタする毎日が続いています。しかも映画館がまた閉まる、という状態です。映画館への補償がなされていて欲しいですけれど、文化に厳しい国なので、どの程度の補償があるのか?気になりますし、先の緊急事態宣言の時には、重点的に飲食店での感染が、と言っていましたけれど、感染対策が十分に行われている、とされている施設まで自粛を、要請、しているのはとても気にかかります。補償をしないで、要請、ですからお願いしているわけですし、しかも不要不急なもの、という事で言えば、私にとっては文化的な映画音楽読書舞台演劇絵画鑑賞等はすべて不要不急ではありませんし、仕事の次にプライオリティが高いものです。そういう人もいると思うのですが、まぁ少数派であるのは理解出来ますし、出来る限りは協力しますけれど、末廣亭の英断は支持したいですね。

とにかく、普通に自粛と補償をセットして、説明と同意を得るのが、根拠を示すのが、怨嗟を生まないやり方だと思います。生活の糧を奪われた人は、恐らくより過激にならざるを得ないと思いますし、文化が死ぬのを黙って見て居たくもありません。

政府与党は、大変重い責任があります。他国と比べても、この1年の振る舞いは、かなり杜撰に見えます。もちろん私を含む考えの浅い国民のレベルが、その国の政治家のレベルだとしても、です。未知のウイルスとの闘いとは言え、もう少し出来る事があったと思います。五輪に拘泥している場合ではありませんし、面子では生きていけませんし、ましてや莫大な税金を使っています・・・確かコンパクトでローコストな五輪とか言ってたと記憶していますし、復興五輪とも言いましたし、コロナに打ち勝った証って言いましたよね?打ち勝ってからやって欲しいです・・・今現在が打ち勝った状況に見える人は開催でもいいですけれど、そういう人は少数派だと思います。

閑話休題

女性の部屋で起きたアフリカンアメリカンのデザイナージェームズは、彼女との関係も大事なのですが、愛犬の待つ家に帰るために、身支度を整えます。しかし・・・と言うのが冒頭です。

私は詳しくないのですが、恐らく、今までに起きた様々な、偏見に基づく実際の事件をほのめかした作品なのだと思います、そういう演出をされています。いかに、様々な事件があったのか?を考えると、本当に恐ろしいです。

非常に白人が悪意を持って描かれていますけれど、こんな人ばかりではない、と思いたいです。

コテンラジオというポッドキャストで語られた、ガンディーについて、思い出しました。もちろん、その息子である長男のハリラール・ガンディの哀しみと共に。

私はもう少し、警察官の行動原理を聞いてみたくなりました。なんでここまで?なのか?を。

BLM運動に興味のある人に、オススメします。

「ノマドランド」を観ました

2021年4月27日 (火) 09:25

クロエ・ジャロ監督     サーチライト・ピクチャーズ

少し時間があったのと近場の映画館の開始時間がピタリとはまって見られる環境にあったので。それに、フランシス・マクドーマンドがカッコイイですし。コーエン兄弟の「ファーゴ」の時から好きになりましたけれど、近年も「スリー・ビルボード」の演技も素晴らしかったですし。

2008年、アメリカ。リーマンショックの余波を受けて一つの街が存在しなくなります。その街を出た70代とおぼしきファーン(フランシス・マクドーマンド)は自家用車で放浪生活をするようになるのですが・・・と言うのが冒頭です。

私の知識が足らないので、いろいろ調べないとワカラナイのですが、いわゆる季節労働者、繁忙期になる産業の臨時の担い手として全米を移動しつつ、完全に自家用車(といってもかなり改造していますし、キャンピングカーとは違う乗り物で、凄く機能的で面白いのが特徴)での生活、ハウスレス状態が日常の人々の生活を追ったドキュメンタリー風映画です。

原作もあるようですし、役名が出演者名の方も多くて、多分原作の登場人物も多く出演されているのだと思います。

とても伝統的なアメリカ人のように感じます、西部開拓時代の、伝統を感じるのです。そう、私の嫌いな西部劇の時代の伝統を、です。その当時は恐らく、国家によるセーフティネットなど皆無に近い状況で、希望だけを頼りに、西部開拓に向かった人々の現代版としてもアップデートが感じられます。

年金に頼る事が自尊心にどれだけの負荷がかかるのか?に自覚的なファーンは仕事を求めて各地をさまよい、同じような人々との交流から、相互ほう助社会を、ノマドの連携を模索しつつ、死という逃れられない事実に向き合う姿が印象的でした。途中からはファーンがまさに決闘に臨むガンマンのように見えてきます。

また、感傷的に煽る構図や、自然光の美しさを感じさせる絵が大変多くて、綺麗ではあるものの、それだけではない厳しい生活を考えてしまいますが、確かに景色は素晴らしいです。フォレスト・ガンプの途中でランナーになる辺りの美しさと言っていいと思います。

ただ、セーフティネットの無い社会の恐ろしさは、とても怖いと思いましたし、結局のところ、豊かな両親の基に生まれたものは更に富み、貧乏な家庭に生まれたものは貧乏になる傾向は、日本よりもさらに強いアメリカという社会の一部を垣間見る事が出来ます。

もう1点、良く分からなかったのが、何でAmazonは季節労働者を受け入れているのでしょうか?年間通して必要な気がしますし、よくこの映画にAmazonが撮影許可したなぁ、とは思います。

1番気になったキャラクターは歩いて放浪を続ける少年です。凄く佇まいが良かったです。ある種ノマドの先を行く、しかも高齢者じゃない存在。孤高の人に見えました。

誰でも1度は憧れる移動する住居生活に、興味のある方にオススメ致します。

ご無沙汰しています。

2021年4月21日 (水) 09:46

いろいろな事があり過ぎて、なかなか自分の頭の中を整理して文章にする、という余裕がなく、すっかり間が空いてしまいました・・・ま、そもそも私以外の人にとってはどうでもいい話しばかりですし、私の備忘録としてのブログになっているので、それはそれでよいとします。

ぼんやりと、最近摂取した文化的なモノを書き留めておこうかと。

1『海を飛ぶ夢』 アレハンドロ・アメナバール監督

尊厳死を扱った素晴らしい作品です。本当に、素晴らしい作品なのですが、この問題は最近よく聞く言葉でACP(アドバンス ケア プラン)の話しだと思いますし、もっとACPが広まり、理解され、共有されれば解決できる部分と、さらに進めて、自死を認めるのか?問題に、必ず繋がっています。成人前の、健康だがこの世に絶望し、希望が見いだせなくて自死を選ぶ人をどう認めるのか?という問題で、非常に難しいと思います。昨年読んだ1番記憶に残る名著「急に具合が悪くなる」とも近い話しだと思います。

2『犯罪都市』 カン・ユンソン監督

人気絶頂の俳優さんであるマ・ドンソクさんの主演映画です。これがエンターテイメントとして素晴らしいのですが、脚本と演出が本当に凄く良かったです。もちろんマ・ドンソクさんの魅力も素晴らしいのですが、私には脚本と演出、見せ方が素晴らしい作品。

3『悪の偶像』 イ・スジン監督

で、逆に全く評価出来ない作品がこの作品。レビューを読みに行くと、かなり高評価なんですけれど、私には脚本は0点だと思います。後出しじゃんけんをして、驚かそう、という事だけで作り上げた脚本なんです。凄く脚本が都合良い。

4『存在しない子供たち』 ナディーン・ラパキー監督

これも素晴らしい作品でした。主演の子供の瞳の演技が凄すぎました。

と言うような感じで全然時間が無い中ですが、少しは観れて良かったです。でも感想をまとめる時間は無い・・・

今は人事担当の仕事をしていますけれど、面接だけでその人がどんな人なのか?を判断するのは難しいと痛感しています。

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