井の頭歯科

学術講演

2014年9月26日 (金) 09:29

先日、学術講演に参加してきました。

接着、という何かと何かをくっつける技術は歯医者さんの中でも毎日使う技術のひとつです。特にこの接合面の部分から壊れたりすることが多いために、重要な技術です。

歯の中でもエナメル質とくっつくモノ、象牙質(エナメル質の下にある組織)にくっつきやすいモノ、くっつけるのが、金属なのか、プラスティックなのか、セラミックなのか、などなどいろいろ考えなくてはいけません。

この接着の世界はとても日進月歩が進んでいまして、新しい製品がたくさん出ています。またその使い道も(つまり、何と何をくっつけるのか?)特化しているわけです。

また、各社様々な商品を出しているために、単純に比較することが難しいものでもあります。

今回講師にいらしていただいた冨士谷先生はこの道のスペシャリストですし、大変有意義な講演を聞くことが出来ました。早速次の日から臨床に取り入れた次第です。

そして、この先生のお話しの面白いところは、歯科界の今後の見通しまでお話しに含まれ、しかもどのように変化していくので、このように対応しましょう、という対策が盛り込まれている部分です。

学術講演を受けると、知識を得る事だけでなく、日々のモチベーションも上がります。今後も時間を割いて行きたいと改めて思いました。

9月21日 休日応急診療致します

2014年9月19日 (金) 09:47

9月21日の日曜日は休日応急診療の当番です。

午前9時から12時までと午後1時から5時までを休日応急診療致します。

普段の健診が歯にとってはとても重要な事なのですが、緊急の痛みは誰しもが経験するツライ状況です。武蔵野市歯科医師会では休日応急診療の対応をしています。私は9月21日の当番です、よろしくお願い致します。

「STAND BY ME ドラえもん」を観ました

2014年9月16日 (火) 09:40

八木 竜一 山崎 貴 監督      東宝

ドラえもんが『泣ける』というので観に行きました!というのはウソで、(映画を観に行って)人前で『泣く』という行為って個人的には恥ずかしい行動だと思います。映画館の中であまり感情的になるのはちょっと違うような気がしますし、泣いてすっきりして終わってしまうより、考えさせられる感情的な何かを持って帰らなけらばならないような作品の方が好みです。でも笑うという感情なら曝け出しても恥ずかしくない、不思議です。笑いも捻ってあると考えさせられて好きですし、思い出して笑ってしまいます。思い出して泣く、は何か酔っている感じで嫌なのかな?まだ自分でもよくわからないです。

友人が「俺としてはダメだけど、映画としては娘に見せて良かった」と言っていたので観に行きました。

割とネタとしてアレやるらしいよ、と聞いてしまったのですが、ネタバレなしの感想で。

いわゆるドラえもんのセオリー映画のような、1本の大きな物語、ジャイアンもスネ夫もイイ奴、みんなに活躍の場、最後におうちに帰る、という定番から離れ、マンガドラえもんの最初と、ある意味最終回的なストーリィのような印象的な話しを繋げた作品です。

で、ワタクシ、とても面白い要素が多いとは思いつつ、大人向けのドラえもんなんだな、と感じました。ドラえもんが何故のび太の家にやってきたのか?を見せておいてからの展開なので、正直のび太にしたらものすごくショックでへこむと思いますし、だからってドラえもんのひみつ道具に頼るのはどうなのか?っていうなんと言いますか根本的な違和感が増してしまうと思うのです。

出来杉くんのエピソードは素晴らしく納得。でも、それが最初に来ると、とってものび太に救いが無いんだな、と感じます。この映画の中でのび太が成長というか成し遂げようとする場面は数少ないんですが、それが何か成長とか考えた結果ではなくてそんなに大変じゃない感じがしてしまうんですね。とにかくのび太が悲惨で悲しくなってきます。

それと、時代設定が凄く違和感ありました。のび太の子供時代は結局1970年代初頭な感じの(携帯電話も無いし、空き地があって土管がある・・・)、漫画の中でのリアリティに寄せてしかも3Dで表現されているのに、のび太が大人(どう見積もっても30代だとすると2000年台で、それって今から考えると近過去・・・)の世界がもうびっくりするほどの未来で、異常に違和感を覚えました。

とか、気になってくるとどうしてものび太に、映画に集中出来なくなりやすいとは、思います。でも、身を委ねて見られるのであれば、結構面白い作りになっていると思います。ドラえもんってこういうものだよね、という設定の刷り込みのある人には、それなりに飲み込みやすいですし、ベタな部分を、思いっきりベタに作ってくれているので、どちらかと言えば大人向けの作品だと思います。

ドラえもんとはどういう世界なのか?を知っている人にはちゃんと通じる空気があるけど、そうじゃない子供にはなかなか響かない映画なんじゃないかな、と感じました。ドラえもんリテラシーが求められてる映画、もしかすると間口は狭い映画なのかも。

ドラえもんが好きな方でのび太はそれほどでもない人、あるいは泣ける映画が好きな方にオススメ致します。

「東京バレエ団創立50周年 祝祭ガラ2014」観に行きました

2014年9月12日 (金) 08:38

東京バレエ団のイメージといえば、男性ダンサーが多い事だと思います。それくらいしか知らないド素人です。見たことがあるのはアニキ・ベジャールの振付作品「ザ・カブキ」とか「ボレロ」とか。有名どころしか見てないですけど、今回はゲストが凄い!シルビィ・ギエムとマニュエル・ルグリ!!!生見られるのは恐らくそうは無いでしょうし、ギエムは来年の引退を発表しましたし、ルグリの年齢考えると(踊りはまだまだ現役でした!けど)そうは無いチャンスですし。

プログラム順の感想ですが、初めて見る「ペトルーシュカ」にウラジミール・マラーホフ。ストラビンスキーの曲に合わせての小品です。人形劇の人形に命を与えられた3つの人形の悲劇的な演目です。マラーホフの演じるペトルーシュカの動きの人形感は凄いものでした。弱弱しい人形が感情があるために陥る悲劇なんですが、ショッキングな結末で余韻があります。
ただ、マラーホフの踊りはあまりよく分からない感じでして、どちらかと言えばキャラクターダンスのように思えました。
気になったのは人形の異形さ、です。鳥の首が長い人形が出てくるのですが、なかなか怖いです。また恋敵を演じるムーア人の民族衣装が強烈な印象でした。前腕の部分が長くて肘から先に切れ目があり、そこから直接腕が出せる、と描写してもなかなか分かりにくいかと思いますが、とても力強いイメージを沸かせるのです。美術も素晴らしかったです。

続いて「スプリング・アンド・フォール」はノイマイヤー振付です。ダンサーはすべて日本人なのですが、物語の無い作品です。予習として、マニュエル・ルグリの「スーパー・バレエ・レッスン」での「スプリング・アンド・フォール」を見ていったのですが、なるほど、と思いました。全体的に女性ダンサーは躍動感と停止した落差を感じさせてくれましたが、男性ダンサーがいま一つ迫る迫力に足りない気がして、男女の差を感じてしまいました。決して悪くないのですが、かえって「スーパー・バレエ・レッスン」を見なかった方が楽しめたのかも知れません。私は当たり前ですが、バレエを踊ったことが無く、習った事もありません。ですが、このマニュエル・ルグリの「スーパー・バレエ・レッスン」を見たことでかなり意識が変わりました。この番組では(ずいぶん昔にNHKで放送された、その当時のエトワールであるルグリが若い後輩に指導する番組です)練習指導場面をそのまま放送するという、バレエを体感したことが無い人でもどのように練習していくのか?を十分に分からせる番組になっています、もちろん基本的にはバレエを踊る人向けのレッスン番組なんでしょうけれど。ものすごく難しい事を演じているのだ、とか、どのような感情をこめているのか?などを初めて知ったと思います。あまりに経験のない事にはなかなか想像が及ばない私でも、レッスン状況を知ることで出来上がっていく(さらに番組の最後には模範演技があり、これが凄い!)作品の意味を知ることが出来ました。また、その指導者であるルグリの言葉のセンス、教え方の上手さには非常に驚かされました。よく言われますが、良い選手が良い指導者であることは稀だと思いますが、ルグリはその両方を備えた稀な人間なんだと実感しました。その指導を受けた2人のダンサーが上手くなっていく(言われてすぐに身体が動く、生徒側の凄さにも驚かされます)のを見ているとやはり指導の凄さを実感します。

また、どうしても直前に見てしまったのが良くなかったのは、いわゆるプロポーションの問題ですね。恐らく、着物が1番似合うのが日本人の体形であるように、バレエの舞台で映えるのは西欧人のプロポーションなんだな、と男性でも女性でも、そう感じました。

続いて「オネーギン」で、ルグリ!です。これもずいぶん前ですが、東京バレエ団で行った「オネーギン 全幕」を観に行った事がありまして(その時の感想はこちら )その時もタチアーナを演じたのは吉岡さんだったのですが、その時と同じような印象を持ちました。いや、もっとはっきり言えばさらに相手との開きを感じてしまいました。まあ、ルグリと踊って見劣りしないというのは相当だと思いますけど。

ルグリはやはり素晴らしく、オネーギンのこの場面は正直みっともなく縋る男を演じるわけですが、その演じ方にもいろいろあるのだな、と感じてしまいました。なんといいますか、粘り気や湿度をあまり感じさせないスマートさがあるように思うのです。だいぶんと私がルグリを気に入っているからこそ、そう感じるのかもしれませんけれど、とにかく生で見られて良かったです。

次に「ラ・バヤデール」の影の場面です。1番有名な場面ですし映画「愛と喝さいの日々」ハーバード・ロス監督のオープニングシーンでも使われています。幻想的なコール・ド・バレエ(群舞と思ってこの言葉を使っています)です。

このバレエくらいコール・ドが主役と思える演目は無いと思います。こういうコール・ド・バレエはもしかすると日本人に向いたものかもしれません。で、気になったのがアラベスクというのでしょうか?片足を上げて片足で立ち、背中を反らせる姿勢をとるのですが、これが綺麗。素晴らしく幻想的です。が、ここで気になったのが振付です、なんとなく私が覚えている振付では上げる足が交互に左右で変わっていったと記憶しているのですが、何故かずっと同じ足を上げるのです。出来れば交互に違った足を上げる方がより美しく見えると思うのですが。少し残念でした。が、それも些細なもので、非常に美しいコール・ド・バレエだったと思います。

で、ソリストの3人が踊った後に出てきたのが上野水香さんの演じるニキヤ。これがソリストの方々が霞むほどの華がありました。こういうカリスマ性は持って生まれたものなのかもしれませんが、登場するだけで場の雰囲気を変えるすさまじさがありました。そういう意味では、ルグリが登場する場面やシーンを分かってしまっていると、どうしてもこういう新鮮な驚きは少なくなっていくものなのでしょうけれど、上野水香さんの登場にはハッとさせられました。そのうえ、素晴らしく日本人離れしたプロポーションと身体の柔らかさ、足の甲、脛までのラインの美しさには前に見た時よりもさらに磨きがかかったように感じました。以前(相当前ですがプティ振付の「シャブリエ・ダンス」 )見た時とはまた違った、さらに進化した上野水香だと思います。昔から身体性には恵まれていましたが、「ノートルダム・ド・パリ」のエスメラルダを踊ったのを観て少しがっかりしてから、あまり見てなかったのですが、今回のニキヤを見て全く印象が変わりました。本当に素晴らしかったです。東京バレエ団に移籍して良かったのか、どうなのか、私には分からないですけれど、少なくともこの公演を見に来て1番新鮮な驚きだったのは間違いなく上野水香さんだったと私には感じられました。ルグリも後述するギエムももちろん素晴らしいダンサーですが、驚く事は無かった(知っているからこそ!)のですが、上野水香さんはその想像をはるかに超えている、という事で新鮮な驚きがあったのだと思います、知らない事の良い面を感じさせられました。
そして最後が来年引退を表明したシルヴィ・ギエムの「ボレロ」です。
私は生で「ボレロ」を見たことがあるのが首藤康之さんだけなのですが、そんな私でも映像作品ではその他の方の作品を見ています。なんといってもジョルジュ・ドンのボレロなんでしょうけれど、それ以外の方も個性を感じさせるダンサーが踊る(アニキ ベジャールのお目にかなったダンサーでないと踊れない作品ですし・・・そう、もうベジャールはいないのです・・・)作品ですし、好みもあるでしょうけれど、ジョルジュ・ドンと双璧をなすのはシルヴィ・ギエムしかいないでしょう(個人的には凄い荒い映像で見たマリシア・ハイデの「ボレロ」も凄いと思ってます)。
シルヴィ・ギエムは日本を好み、日本もシルヴィ・ギエムを好んだのだ、と感じさせるくらいに客席の熱気はすさまじいものがありました。世界的に評価の高いダンサーですし、もちろん非の打ち所のない踊りです。が、周囲の観客のあまりにすさまじい賞賛に驚きを隠せなかったです。何と言いますか、圧倒的な支持だったので、ちょっと熱気にあてられる感じがありました。なんでか私はリチャード・ブローディガンを想い出してました。

「ボレロ」は素晴らしかったのですが、ひとつだけ不満もあって、演奏がいまひとつでした・・・特にボレロってある意味ソロの連続。そのソリストがミスタッチされると、そちらが気になって集中できなくなってしまいます。もう少し配慮して欲しかったです、プロなんですから。ギエムだってびっくりしたと思います。テンションが上がってクレッシェンドで終わる曲、踊るダンスですし、最高に盛り上がっての幕となりました、余韻に浸りつつ家路につきました。

上野水香さん、もっと観に行こうと思いました、しかし、いい写真です。

「her/世界でひとつの彼女」を観ました

2014年9月5日 (金) 08:47

スパイク・ジョーンズ監督    アスミック・エース

ホアキン・フェニックスとルーニー・マーラが出演しているので観てきました。ずいぶん前の公開でしたのでいろいろ事前情報を聞いてしまっていたのですが、想像していた内容とはずいぶん違って面白かったです。
少し先の、スマートフォンではなく、直接イヤホンからの声や人間の言葉を理解するOS(オペレーション・システム)が普及し始めているくらいの未来。離婚をし、代筆業で生計をたてるセオドア(ホアキン・フェニックス)は心が動かされることの少ない生活を送っています。そんな中、新しく使用者本人に合わせた、しかも人工知能を持ったOSが発売され、ふとしたきっかけでセオドアもそのOSを手に入れるのですが・・・というのが冒頭です。
OSというコンピューターのソフトウェアが人工知能を持つ、という割合よくある設定の近未来SFなんですが、そこに恋愛という要素を持ち込み、かなり狭い範囲の中の出来事を描く物語です。
で、最初はもちろん恋愛という状況や心の動きを扱っているように見えるんですが、相手がコンピューターからなので当然ですが、実体が無い事で、どんどん抽象的な、というよりも関係性の築き方、コミュニケーションとは何か、といった非常に深く、しかも自分の中の認識を確かめさせ、揺さぶり、その認識に影の部分は本当に無いのか?と迫ってくるような作品になっています。恋愛映画のようですが、認識や関係性を問いかけるなんだか哲学的な映画だと思います。
主役を演じるホアキン・フェニックスの演技がとても素晴らしく、本当にこういう人がいそうな感じです。とても落ち込んでいる際の、薄いベールに自分だけが包まれた別世界にいるかのような存在感を出すのが上手いですし、だからこそ、喜びに満ち溢れている際の弾けた感じが、また普通と少し違って世間の目を気にしない感で表されていて良かったです。どことなく、今まで見たホアキン・フェニックスの演技というか演じるキャラクターは不穏で実のところどう考えているのかワカラナイようなタイプが多かったと思うのですが(「ザ・マスター」「誘う女」)、かなり毛色の違ったタイプの人物だと思うのですが、そのナイーブさも感じられて良かったです。
相手のサマンサの声を演じるのがスカーレット・ヨハンソンで、こちらも声だけであるのにいろいろ感じさせるのが素晴らしかったです、まあ、ちょっといろんな色を感じますけれど(今ではセクシーな女優さんとして有名ですよね)、その色を上手く使った演出だとも言えると思います。
ルーニー・マーラがまた美しいだけじゃない、かわいくて心地よい時の華やかさと、関係性が乱れた際のヒステリックを隠しているかのような眉間のしわの寄せ方を含んだ狂気をうっすら感じさせるのがまた良かったです。以前に観た「サイド・エフェクト」(の感想はこちら )の時もそうでしたが、儚げなのに狂気を感じさせるのが素晴らしいと思いました。今回はどちらかと言えば普通の人を演じているわけですが。
代筆業というと、なんとなく私はガブリエル・ガルシア=マルケス著「コレラの時代の愛」の主人公フロレンティーノ・アリーサを思い出しました。
いろいろネタバレは厳禁な作品だと思います。が恋愛の話のようでいて、実はコミュニケーションの話しというのは、なんとなくそうなるだろうな、と思っていても、それ以上にヘヴィな物事を扱っていて考えさせられました。
そして、音楽が良かったです。素晴らしい。服装となによりあのピン留めがチャーミングな映画でした。
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