ロン・ハワード監督 ディズニー・ピクチャーズ
決して悪い作品ではないです。
が、サイコーにアガるシーンも数えるほど、ではある作品ではないかと感じました。もちろん作ってくれて感謝です。少なくともエピソードⅧ(の感想は こちら )よりは全然良かったです。
だけど、同じスター・ウォーズのスピンオフ作品のローグワン(の感想は こちら )より上って人は少ないんじゃないでしょうか?
全体的に画面が暗過ぎる!これが1番気に障りました、ここはもっと怒ってる人がいても良いと思います。だいたい、劇場で見ていて暗過ぎて見難いなんて今までで経験ほとんど無いです、私は。特に娯楽映画で、エンターテイメント作品で見にくいってちょっと致命的だと思いますけど・・・
また、伏線回収がかなり大掛かりに放り投げてるのと、実はこういう事でした、という部分のエレン・ジェイムズ問題(ジョン・アービング著「ガープの世界」に出てくる、とある過激な集団の話しです、これはどうしてもフェミニズムの話しを匂わせる行為なのは、制作者側は承知でやっていると思うので、その点がとても乱暴で気になりました・・・)なのが、すっごく飲み込めないです、私は全然納得出来なかった。
も一つ、ラストにある人物との対決シーンがあるのですが、なんかドンデンの為に、作ってるって感じが否めません。キャラクターを深める意味には到底ならないし、反って逆効果だと思います。
多分伏線未回収とか、ある人物を画面で見せるのは、続編への意欲と捉えられなくもないんですけれど、それならば、もう少し今作のクオリティー上げないと無理だと思うんですよね。
以上ダメな点も挙げましたが、良かったところがかなりカバーしてくれてます!
まず、ハン・ソロの『すまん、あとは任した』が素晴らしく良かった。あくまでスター・ウォーズエピソードⅣの前の、若いハン・ソロを扱う作品なんですから、ハン・ソロのキャラクターの若さの方で魅力を出すのであれば、このシーンはとても素晴らしいと感じました。
声を大にして言いたいのが、チューバッカの造形とソロとの繋がりを描いてくれた点!ここがサイコーです!特にチューバッカの年齢が判明する瞬間から座席に座って音楽が流れ出すシーンが今作の最もアガるシーンで間違いなし!と思います。
本当にチューバッカが全てをかっさらって行きますよ〜
あ、私ハン・ソロより、全然チューバッカが好きなんで、なんなら全キャラクターの中で1番チューバッカが好きなんで、そういう人の感想だと思って下さいませ〜
レイアにwalking carpetとか呼ばれてた時に近い造形がホントサイコーです!
なんなら、ハン・ソロ より、チューバッカ250年の歴史 の方がずっと面白いんじゃ…←はい、こういう事を言ってしまうので、信頼性が低くなってしまいますけど、これは好き好きなので仕方ないと思いますし、ちゃんと劇場にお金を払って見ている一観客の意見なので仕方ないと思います、いろいろな感想があって良いと思いますし、作品を公開するってそういう事だと思います。
アテンション・プリーズ!
ここからネタバレアリの感想になります。鑑賞された方に読んでもらいたいです。あ、かなり辛辣な話しになりますけど、でも、そこはファンだからこそ、な訳で許して頂けたら幸いです・・・
スター・ウォーズが好きな人に、チューバッカが好きな人にオススメ致します!
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ネタバレ全開になりますが、 キーラはなんでシスのダース・モールと知り合いなの?ハン・ソロの3年よりずっと波乱万丈過ぎてかなり興醒めしました・・・やり過ぎです、ハン・ソロの主役の3年間よりもキーラの3年間の方がずっとドラマチックなのはちょっとどうかと思います。
また、後出しじゃんけん的なのでキーラが何をしたいのか?わけわからな過ぎます。ドライデンには近づくな、とか言いつつ、結局キーラが倒してしまうんですよ・・・
また、重要な競合相手の盗賊団、あなたたちも、なんで正体明かす気になったんでしょうか?それなら最初から正体明かして、ベケットと仲良く山わけの方が賢い選択だったと思います。また、なんで都合よく、ラストに正体を明かすのでしょうか?しかも帝国領じゃない精油所が盗賊団の本拠地で、しかもココでわざわざガープの世界のエレン・ジェイムズ党員を出してくるのは違和感が強いです。センスを問われますし、安直な気がします。
ベケットの行動もかなり意味不明なんですけど、わざわざ撃ち合いまで最後やる意味あったのか?大変微妙です。いや、分かりますよ、ウェスタンにしたいのは。わざわざ列車強盗オマージュまで入れてますし。それでも、不意打ちはちょっとどうなんでしょう?西部劇での不意打ちは完全にヒール側しか行わないと思います。ハン・ソロが卑怯者のイメージは無いと思います、ちゃっかり感はあるんですけど。しかもそこから、撃ったハン・ソロが泣きに入るような行動起こしてて、ならもう少し師匠と弟子な場面を作っておかないと飲み込みにくいです・・・
3年間歩兵訓練しかしてないハン・ソロが、いきなりなんでこんなに運転上手いパイロットなんでしょう・・・少しは成長する、失敗から学ぶ姿を見せておかないと、ただの天才スーパーマンにしか見えないから、共感出来ないんですよね・・・
宇宙怪獣も都合よく出てき過ぎなんですよね、まぁスター・ウォーズではよくある展開なんですけど・・・
チューバッカが仲間を置いていくのが、ちょっとだけ気になりました。 けど、私はチューバッカが出てくるから、ウーキー族がたくさん出てきてくれるので、私は観て良かったです。
チケットをいただいたので、観てきました。
井上バレエ団 ピーター・ファーマー美術 『白鳥の湖』全幕 関 直人振付
全幕の白鳥ですから、大変有名というか、バレエ作品の中で1番有名と言ってよいかと思います。
私は14日に観に行きました。
まず、ジークフリートを演じた清水さんが凄く良かったです。王子の風格やオーラが感じられ、しかもとても明るい佇まいを身にまとっていて、大変好感持ちました。どうしてだか(身長とか身体のキレでしょうか?)オーチャードホールで熊川さんが演出した『パッシング・ヴォイス』を踊られた堀内元さんを思い出しました。とても基本に忠実で。奇をてらった事はしない、淡々とした踊りであったので、より高貴な雰囲気を醸し出していて、素晴らしかったと感じました。正直ダンスの部分はそもそも少ないのですが、マイムの部分にも気品があって、これがノーブルというものなのでしょうか?好みとして、好きです。
オデットは源さん。プロポーションは素晴らしいものがあり、見た目映えます。ですが、こんな事を全く踊れない観客に言われたくないでしょうけれど、やはりプロはお金を取っているので、あえて、批判的な事を話してしまいますが、少々本気度が足りない、と感じました。執念といいますか、どうしてもコレを表現したい!という想いがダンスからは感じられなかったです。なにかちぐはぐな印象で、それなのに、顔の表情だけは強いのでより印象がアンバランスになってしまいます。それでも、2幕のアダージョの後、とても盛り上がる部分での足の動き(アントルッシャカトルって言うらしいです、その程度の素人の意見です)は良かった。もちろんこういうオデットが好みの人が居ても良いと思います。でも私の好みでは無かった・・・身体が硬くて空間を大きく使えていないのも・・・
オディールの田中さんは個人的には良かったと思います。少なくともオデットよりは説得力がありました。でも出来たらもう少し妖艶さ、オデットには無くてオディールにはある色香があっても良かったように感じました。ピルエットと呼ばれる回転モノはかなり良いのでしょうけれど、全体として小ぶりな印象なんですね、空間を大きく使って欲しかったです。
で、このオデット、オディールに絡むロットバルトの説得力は結構ありました!マイムの手のひらの使い方、印象的な指の開き方、など、マイムの説得力はこの舞台の中で1番輝いていたと思います。衣装も化粧も良かったけれど、目の力がさらに良かったです。
で、もう一言書いてしまうと、ジークフリードの演技が、オデット、オディールに完全に合わせに行ってあげてる、のがもったいないと思うんです。少し降りてきてくれていて、そうじゃなく、それぞれ高みを見せて欲しい、と思ってしまったんですね。
ちょっとだけ、脱線すると、というか本当に好みの話しになりますけど、かつての井上バレエのプリマであった藤井 直子さんの踊りは素晴らしかったと思っています。決してプロポーションが飛び抜けて素晴らしいわけでは無く、ピルエットもそれほど切れが凄いわけでもなく(いや、主役級だと、という感じです、もちろんプロポーションもピルエットも凄いんですけど)、それでもなお、存在感と佇まい、その上での藤井直子さんでしか出せない個性を感じる事が出来ました。言葉にすると非常に陳腐ですが、チャーミングで浮遊感のある、人間離れした地に足のついてない感覚がありました。これってそう簡単には醸し出せない何かだと思います。藤井さんでしか見られないからこそ、その個性をまた観に行きたくなるんだと思います。海外のダンサー含めても、ちろん生で観れたわけではないけれど、中でも1番好き、と言えるのはやはり藤井さんだと思います。エトワールに上がる前のドロテ・ジルベールも好きなベクトルにいますけど、最近は変わってしまったなぁとも思います。ダンサーの首藤さんがおっしゃってましたが、バレエは若さの爆発、みたいなニュアンスの話しをしていましたが、確かにその通りな部分もあると思います。技巧的に上達しても、パッションは落ちてくる事ありますし。
でも結局のところ、個性が足りないという意味で今回のオデットとオディールは残念だった。
しかし、群舞の、コール・ドの素晴らしさは特別に良かったと思います。照明の効果を含めて、の評価ですけど、本当に素晴らしく幻想的でしたし、群舞でしか出せない何かが確実にあって、私には完全に主役を食っていたと思います。2羽の上手の髪の毛のややブラウンな方、4羽の1番上手側の方は見ていて訴えかけるモノを感じました。群舞の中でも目立たず、それでいて2羽や4羽の時に個性を感じさせるのはなかなk難しいと思います。照明も美術を引き立たせる演出で素晴らしかったです。
古典芸能って細部の解釈の、狭いが故の面白さ、が特徴だと思います。落語とも似たものを感じます。その細部にこそ、解釈の僅かなゆらぎの中で、この演出が見せたかった何か、に説得力や強さがあると、その舞台を観た人にとって、永遠とも言える刻印を押されるのに等しい体験になると思います。そういう体験を求めている人、案外多いと思うんですけど、どんなんでしょうね。
今度はもう少し違った、例えばマシュー・ボーンの白鳥を観てみたくなりました。
デイブ・マッカリー監督 カルチャヴィル
ネタバレ無しの感想ですが、『万引き家族』(の感想は こちら )に『スター・ウォーズ』を足して、『スーパー』(ジェームズ・ガン監督作品の宗教的寓話作品、と言えば聞こえは良いですが、かなり特殊な映画です)のクリムゾンボルトを振りかけて、ファンタジー強めた映画です。
でもこれだけじゃ何も伝わらないので(私には伝わるんですが・・・)、もう少し説明すると、ジェームズは25歳。外気から遮断されたシェルターのような中で暮らしています。父、母そしてジェームズの3人家族です。ジェームズには定期的に『ブリグズビー・ベア』とこ呼ばれるセサミストリート的な教育と冒険譚で綴られたビデオテープが届きます。つまり、学校へは行かずに『ブリグズビー・ベア』で教育を受けているのです。しかし、実はこの父母は・・・というのが冒頭です。
この父をマーク・ハミル(『スター・ウォーズ』シリーズの主役であるルーク・スカイウォーカを演じている方です)が演じているのですが、個人的には今年観た映画『万引き家族』を連想してしまいました。
改めて家族とは何か?について考えさせる映画になっていますが、とてもハートウォーミングな作品に仕上がっているように、見えます。が、よく考えると、幼少期を超え、一人の人間として成長するための話し、とも言えますし、自分を乗り越える作品とも言える作りになっています。
作中に出てくる作り物のクマである、ブリグズビーベアの造形がとても面白いしカワイイです。
まぁ難点を言えば、少々ご都合主義的な展開でもありますけれど、それでも、それなりの説得力は出せているかな?と思います。
唯一の希望は、やはり完成した、あの作品を全部見たかった、という事ですね。
家族って、という万引き家族のテーマを、スターウォーズのジェダイ的な視点を交えて展開する作品、クマが好きな方、そしてあんまり名前は出したくないけど、ジョン・アーヴィングが好きな方にオススメ致します。
この4年間、武蔵野市歯科医師会の理事職を経験しました。
理事職を経験する事で、組織の重要性や、どのような事で成り立っているのか?その成り立たせる努力を間近で見る事が、知る事が出来た貴重な経験でした。
同時に大変自分の能力を過剰に見積もっていいた事も痛感致しました。
何とかなるであろう、と思っていたことが、本当にどうにもならなくて、他の理事の先生方にご迷惑をお掛けしました。
それでも、やはり知らないよりも、参加する事で得た経験は何物にも代えがたい経験だったと思っています。
6月29日の総会終了をもって理事の職から離れました。
今後理事になられる先生のご迷惑にならないように歯科医師会の会務にも協力しようと思います。
また同時に、もう少し個人の能力、研鑽を積まねばならないとも思いますし、残り少ない時間の中で自分を充実させるべく、読書や映画鑑賞や文化にも触れる時間をより多く求めたいです。
などと思っていたのですが、今度は武蔵野市歯科医師連盟の会計として、新たに2年間携わる事になりました。
自分は政治的な趣味趣向はございませんが、意味のない言葉で、空疎な表現で、政治を語られると困ると思っています、政治は結果がすべてだと思います。
ですので、政治には少し距離を置いていたのですが、そうもいかなくなったようです。
会計として出来る事を頑張りたいと思います。
理事の頃よりは出務は減るので、患者さんのご迷惑には、今まで程ではなくなると思ってます。
前々関係ないんですが、今週末に高校の時のビッグバンドのOB会で演奏するこの曲、とても難しいんですが、頑張ろうと思います。
高橋 ヨシキ著 スモール出版
高橋ヨシキさんはアートディレクターで映画ライターでデザイナーという肩書ですが、とても理知的な方で、文字通りに受け止めると眉を顰めそうですが、サタニストでもあります。とは言え私もこの本を読むまではサタニストという言葉の定義が理解出来ていませんでした。無知である事は恥ずべき事でもありますし、実際害も多いと思います。文字が読めても、文脈が読めない、ユーモアのセンスが理解されない事も多くありますし、尊敬出来る作家・金井美恵子を評して言われる「悪口・辛辣」という言葉も、私からするとユーモアを交えた上での、辛辣に聞こえる、しかし正確に表そうとしているだけ、のような気がします。悪口を言いたいのではなく、正確さ、言葉の表記であったり、定義に沿うという非常に重要で必要な事柄に厳しいだけだと思うのです。文脈を読もうと思えば理解出来ると思うのですが、文字を読む練習はしても文脈を読む習慣(特に読書ですね)が無くなりつつあるので、自戒も込めて気をつけようと思います。特にテレビのニュースでは、まさに文脈が発生しない状態でしか接する事が出来ませんから。
サタニストとは(あくまで本書を読んだ私の個人的解釈です)、徹底的な個人主義的な思考を持って、来世やスピリチュアル等の戯言を排し、自らを鏡として現世をより自由に楽しく生きる為の哲学、自己宗教という事かと思いました。そして、これはとても理知的で論理的で整合性があり、不条理な現世を生きる上でとても重要かつ必要な視点ではないか?と感じました。なんかすごくぐるっと回って、リチャード・ドーキンス(「利己的な遺伝子」とか「神は妄想である」とか9.11以降はかなり強い口調で「宗教」を批判するようになった生物学者ですね)の思想に近い気がします。ドーキンスは宗教を信じるには値しないし危険な妄想、と断じていますが、多分サタニストはニヤっと笑いながら、その滑稽さを指し示したり、矛盾を指摘したりするんでしょうね。
そんなサタニストである高橋ヨシキさんが回答する人生相談です。まぁいつも、人生相談をいう単語を聞くと、PUFFYの曲の「夢のために」の歌詞である「人生相談は子供だまし」というフレーズを思い出してしまいます。しかし、そうでない人生相談も時にあるような気がします。それは頭ごなしでなく、自ら考える道筋を示すようなモノであれば、理解出来るように感じます。そして高橋ヨシキさんの回答はなかなかに考えさせるのです。まぁ、そうは言っても高橋ヨシキさんくらい考えを徹底させる方の回答ですと、ある一定確立で同じような場所に立たされることにはなってしまうのですが。
中でも私が面白かった問いかけと回答ですが、回答は書籍を読んでいただくとして(とても哲学的な回答だと思いますし、ユーモアのセンスも良いので笑えます!)、列記します。
『夫との価値観の違いに悩まされています』
『社会をサバイブする為の心構えを教えてください』
『友達が「自分は異星人だ」と思い込んでいます』
『絶対にいないと思っているのに幽霊が怖いんです』
『事故物件ってどう思いますか?』
この回答は本当に膝を叩き、そして胸がすきました。考え方そのものに、その哲学に、真面目さを感じずにはいられませんでした。
チャーチ・オブ・サタン創立者のアントン・サンダー・ラヴェイ師の著作「サタニック・バイブル」をとても読んでみたくなりました。
自己を豊かにする学問、文化、音楽、美術、文学、哲学に今後も、残り少ないであろう時間を使って行きたいです。
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