井の頭歯科

年末年始の休日応急診療

2010年12月30日 (木) 14:17

休日応急診療のご案内です。

12月30日     内山歯科医院               48-2094

12月31日     内海歯科クリニック            51-6487

1月1日      大村歯科診療所             43-5476

1月2日      岡歯科医院                51-1184

1月3日      岡崎歯科医院              32-2378

1月4日      イーデント歯科室            28-7705

です。よろしくお願い致します。

今年もいろいろお世話になりました

2010年12月30日 (木) 08:57

新年は1月5日からの診療になりますが、時々来ています(笑)ので、緊急を要する場合は休日診療の先生か、井の頭歯科までお電話してみてくださいませ。

今年は個人的に本当にいろいろありましたが、無事に1年を健康的に過ごすことが出来ました。崖っぷち30代からジャンプして40歳になったのも大きな区切りのひとつに出来るように努力する次第です。本当は1日だって無駄な日は無いですしね。

様々な方々にお世話になりながらも、皆様のお口の中の健康の維持に役立てて行きたいと考えています。毎日使うものですから、やはり6ヶ月に1度は、最低限定期健診を受け手いただければ、不都合な病態を避けることが出来ると思います。1度削ったり、人の手を加えた歯は元に戻りませんから。

どうか良い年の瀬が皆様に訪れていますように。今年1年、大変お世話になりました。

井の頭歯科                鈴木 健太郎

「切りとれ、あの祈る手を-〈本〉と〈革命〉をめぐる五つの夜話」を読みました

2010年12月29日 (水) 08:57

佐々木 中著           河出書房新社

映画批評が娯楽にまで引き上げられている本、以前感想にまとめました。そんなラジオの番組のパーソナリティー宇多丸さんのオススメの書籍でこの本の名前を聞いたのが最初でした。その後忘れてしまっていたのですが、患者さんと今年話題の本の話しから強くオススメ頂き読んだこの本が、今年最後の月の月末になって、この年のベストの1冊になりました。

跋(おくがき)における本書を書くに至ったいきさつに名前が挙がる佐々木 士郎氏がその宇多丸さんです。こんなところでも接点があるなんてなんだか不思議です。

読書とは、文学とは、一体どういう行為なのか?という素朴な日常的行為の中にある非常に根源的な問いかけに、言葉どおりに、そしてラディカルに、応えたのが本書です。著者である佐々木さんの非常に素直で、頑固で、そして一途な思索者です。個人的には思想家ということなのだと思います。佐々木さんの語り口に非常にオリジナリティーを感じさせますし、もの凄く様々な『知識』を『知恵』に変換できる、そして私にも分かる言葉で語りかけられる、間口を広げられる技術も持ち合わせている方、知らなかったですが、スゴイ方です。

読書という非常に危険な行為を、文学という〈革命〉的行為を、人類の歴史的観点から、思想的観点から、視野を広げ、かつ必要があれば極小な出来事であっても詳しく解説し、そしてしつこいくらいに確認し、繰り返し噛み砕いて説明してくれます、いかに読書という行為が〈革命的〉行為なのか、ということを。

時系列ではなく、しかし飲み込みやすい順を追って、様々な〈革命〉がどう起こって、どうなったのか?を分からせてくれますし、私のようにほとんど何も知らない者が読んでも問題なく読めるようになっています。宗教革命と言われたプロテスタントという「聖書」の徹底的な読み込みを行ったマルティン・ルター、ムハンマドというムスリムのその生い立ちとジブリールとの邂逅、〈革命〉という暴力的ニュアンスを纏った言葉を捉えなおす意味、〈文学〉という知るということの根源的意味、中世に起こったデータベース化がもたらす功罪、終末思想という自己特殊性を軸にした幼稚さと欺瞞、様々な事柄について、非常に切り口鮮やかに語ってくれます。

カント曰く「法の適用方法を定めた法はない」とか、知らなかった知識を知るというトリビアルな面白さも、そのパンチラインのレベルが高くて素晴らしいです。

読後、高橋 源一郎さんが「恋愛太平記」金井 美恵子著を評して使った言葉『読書体験は生き直すこと』を思い出させました。

本に携わるすべての人に、オススメ致します。もちろん全てに納得できるわけではないにしろ、この衝撃の強さは是非体験して損はないと思います。

「大澤真幸THINKING『0』第8号 『正義』について論じます」を読みました

2010年12月28日 (火) 08:53

大澤 真幸、宮台 真司著             左右社

やはり、今年面白かった本の中でも、上位に食い込むこと間違いなしは「これからの『正義』の話をしようーいまを生き延びるための哲学」(講義の方が面白かったとはいえ!)マイケル・サンデル著です。その『正義』について社会学者の宮台さんが、やはり社会学者の大澤さんとの対談まとめた本です。かなり薄いですし、正直便乗している部分も相当に感じますけど、しかし『正義』うんぬんというより、自分の知らないこと、考えもしなかったことや思考実験、読み終わった後に考えさせられたり、今まで見えていた景色と同じものなのに違って見えるかのようなセンスオブワンダーのようなものが詰まっています。その部分に、私は非常に面白さを感じさせます。やはり当然ですが、『正義』には人を惹きつけるチカラもありますが、妄信させるチカラもありますし、「人の数だけ『正義』は存在する(知り合いのお言葉ですが、確かに!)」のですから。そこをどうすり合わせたり、干渉しないように立ち回れるルール(道徳やモラル、法律から生理的嫌悪を感じさせるテクニック等含む)を作れるか?だと思うので。

いつもどおりの宮台さんの語り口ですし、またまた難しい単語や用語も多くて完全に理解出来ているのか?は微妙なのですが、新鮮で面白いと思ったのはフリーライダーというか過剰依存の問題とミメーシス(模倣、感染的模倣)という問題です。

行政に過剰に期待、依存することが普通になってしまったという問題は確かに違和感が凄く大きかったです。自分から問題を投げ出しているかのように感じさせますし、ニュースみ切り口としての欺瞞を感じさせますし、行政側への「監視行為」と「監視してくれてなかった」の両方に責任を求める都合の良さを感じさせますが、これよりもっと面白いと思ったのが、ミメーシスという話題です。

社会的に行き詰った状況を打破するのは計算されたチカラではなく(損得という利害で動くだけではない)、スゴイ人(利他的に見える)を真似てみたいと思うことから始まるのではないか?ということです。利己的ではないけれど、カリスマ性があって(それも特に非常時に)価値ある行動が取れる人を真似たく、協力したくなることが大きいのではないか?という宮台さんの考えの更に先を大澤さんが言及しています。それはキリスト教の「善きサマリア人の喩え」という話しの怪我をした人というカリスマ性を持たない人が起こしたミメーシスにならないか?という議論です。これはかなり面白い考え方だと思いました。確かにカリスマ性を持たない人を契機にして利他的行動が起こっています。

また、この話題を受けて「無痛文明論」森岡 正博著(かなり前に読みましたが、非常に面白い本です!)に話しが及んだり、政治家という平時でない時の覚悟を試される職業としての話し(マイケル・ウォルツァーの先制攻撃容認論)に及んだりする部分も非常にスリリングで面白かったです。さらに進めた「理想自我」と「自我理想」という概念もかなり考えさせられました。大澤さんという方は非常に柔軟かつ、キリスト教的な考え方を下地に持っている方なのではないか?と考えさせられました。

「正義」よりも「考える」ということに興味のある方にオススメ致します。

「アレキサンダー」を見ました

2010年12月27日 (月) 09:22

オリバー・ストーン監督       松竹

やはり見てしまいました。どうしても少しネタバレありますので、未見の方はご注意くださいませ。

思っていたより、あの長い話しを非常に上手くまとめてよくやっていると思います。アレクサンドロスの関わった3大合戦をものの見事にひとつにまとめあげ、またその合戦シーンの見事さは、考えていた以上に素晴らしいものがありました。出来うる限り忠実にしたい!という監督の意欲(例えば、本当に小道具ですが、その時代の子羊をあしらった豪華なコップがちゃんと使われていたところはかなりびっくりしました!)を強く感じさせます。また、アレクサンドロスを見せる上で避けようとすれば避けられたオリュンピアスとフィリッポスという父母の存在の演出は素晴らしかったです。ただ、オリュンピアスにアンジョリーナ・ジョリーというのはどうなんでしょうか?確かに凄く煩い感じが出ていて良かったですけど。

主役のコリン・ファレルさんは私は初めて見たのですが、少年期のちょっとオドオドしたところと、青年期の演じ分けはなかなか素晴らしいと感じさせられました。乗馬のシーンも素晴らしいですし、見ごたえあります。また、へファイスティオン役のジャレッドさんも「そうかこんな感じもありだな」と思わせますし、イメージを完全には壊されなかったので良かったです。そして回想するプトレマイオスにアンソニー・ホプキンスなんて凄く贅沢なキャスティングですよね。制作費は相当高額だったのではないでしょうか。

そして、インド遠征時での象との戦闘シーン(恐らくポロスとの戦いとその後のぺウケスタスが助ける戦闘をひとつに纏めている)の赤い映像はかなり良かったと思います。ギリシャ的世界から草原、砂漠、そして大都会であるペルセポリス、そして熱帯のようなインド、とその進軍が進むに従った変化も、映像で見られるとやはりもの凄い距離であったことを実感させられます。

が、映画的題材では無かったように感じさせます。どうしてもアレクサンドロスの征服欲が強く出てしまっていてもっと複雑な心情がいろいろあってしかるべきなのですが、その辺はかなり難しいです。

1番気になったのはアレクサンドロスが戦いに負けて帰国に同意する場面ですね。ナレーションでも負けた時点で死んでいればもっと良かったというようなニュアンスがあるのですが、そこは違うと思いました。そしてその辺にオリバー・ストーンらしさを感じてしまいます。負けるて帰ることを善しとしないマッチョな嗜好を感じさせます。が、事実は部下が付き添っていかなかったからであり、戦闘での負傷はありますが、それは既に帰国に向けた後の出来事ですし、負傷した戦闘の相手にも結局(文献上、というただしが付きますが)平定していますしね。

それでも、ファランクスという歩兵密集舞台の動き、広大な地域を支配したアレクサンドロスが見た『景色』を追体験してみたい方にオススメ致します。

ところで、マケドニアって英語では「マセドーニア」って聞こえますが、実際のギリシャマケドニア地方の方ってどういう発音なんでしょうね。

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