井の頭歯科

「ハイ・フィデリティ」を見ました

2019年11月30日 (土) 08:29

スティーブン・フリアーズ監督     タッチストーン

映画に詳しい1コ年上の方に強く推薦していただいたので見ました!今年も年間に日本公開した映画を36本は観ようと自分に課しているので、まだ結構足りないですし、観たい作品もいろいろあるんですが、オススメして頂いた方は、私にとっては信頼のおける方、これは観なければ、と思いTUTAYAで借りました。相変わらず、オススメ作品が凄くイイです。

ロブ・ゴードン(ジョン・キューザック)は同居中のローラが出て行こうとしている30前の男です。そして画面に向かって話しかけてきます、いわゆる第4の壁を破る演出がなされている映画です。

これは、音楽が好きな人ならタマラナイ映画だと思います。私は音楽にはそこまで詳しいわけではありませんが、冒頭にベルセバの話しが出てきて、グッと心を鷲掴みにされた感覚になりました。こういうの大好きな奴じゃないですか!しかも第4の壁を破ってくるのも、この映画にとっては向いている題材です。

しかし、大変しみったれた男の話しではあります。もしかすると、女性の方々からは、全然評価できない作品として有名かも知れません。ですが、女性にとってラブロマンスが必要であるのと同じように男性にもハードボイルド的な、いわゆる、浸る作品が必要なんだと思います。男女の間には深い河が流れていて、私は相互理解は出来ないと思っている人間の戯言なので、あまり怒らないで欲しいですけれど。

私が第4の壁を破って欲しかった映画で思い出されるのが、ジェイ・マキナニー原作、マイケル・J・フォックス主演、ジェームズ・ブリッジス監督「再会の街/ブライトライツ・ビッグシティ」です。小説版は2人称形式で書かれているので、映画化する時に第4の壁を破る演出、して欲しかったなぁ、と思った事を思い出しました。いろんな人に酷評されている映画ですけれど、私はストーリィの落としどころ、あのパンの匂いまで感じられるところ、そしてマイケル・J・フォックスも良かったけれど、何といってもキーファー・サザーランドのヤッピー感がすさまじかったので大好きな映画です。良い映画だと思うんですけどねぇ。

閑話休題

ロブ・ゴードンの過去の女性遍歴について、思い出し、考察し、それと共に音楽がかかる、という大変ロマンティックな映画とも言えますし、同時に大変厳しい現実も見せてくれます。

レコード店の店員であるバリー(ジャック・ブラック)とディックの凸凹コンビも、凄くいい雰囲気を醸し出していて、常にアッパーでオプティミストなバリーと、常に内省的でペシミストなディックの、2人の音楽の好みと、彼らの行動、主人公ロブに対する態度を含めて、とても面白かったです。ああいう職場なら、私も働きたいです!

しかし、フラれた男が、何年も経って、過去に付き合った事がある女性を訪ね、何故フラれたのかを教えてくれ、と詰問されたら、普通は、怒っていいと思います。もちろん主人公ロブの精一杯の、大人な対応、友人として意見を求めるかのような、でも自身の存在意義を含めた限界ギリギリ感も相まって、女性とも会話が成立する感じは、大変好ましいモノを感じました。きっと、こういうのは男性の夢のような感覚、それこそロマンティシズムなんだと思います。あんまり褒められた行為ではありませんけれど。

また、順位をつける、というのも甚だヒドイ行為と揶揄されても仕方ないんですけれど、あくまでこれは映画、人の心の声、と思えば、誰しもおそらく経験があるはず。そんなところも面白く、心許せる仲間同士の酒の肴としては、かなり濃密になると思います。

さらに、そこに音楽の話しまで加われば、それこそ一晩くらいは続けられそうです。そういう意味で男性的な映画。

1番引っかかった飲み込みにくい展開は、あるお葬式の後の車のシーンです。本当にこんな事ってありえます?でも、ありえないからこその、ロマンティシズムなんでしょうね。

音楽が好きな方、あるいは映画「(500)日のサマー」マーク・ウェブ監督作品、そしてジョセフ・ゴードン=レヴィットの眩しい演技が観れる良作、が好きな方に、オススメ致します。

「パペット大捜査線 追憶の紫影」を見ました

2019年11月29日 (金) 09:03

ブライアン・ヘンソン監督     パルコ

2019年見逃し後追い作品 その6

パペットって結構好きです、セサミストリート子供の頃英語の意味も分からずに観ていましたし、まぁドリフ的なコントが好きだったんですね。ちょっと前の映画になりますが「ザ・マペッツ」(の感想は こちら )の世界観と似ています。パペットと人間がリアルな世界に共存したら?というIFを扱ったコメディ映画です。

なにより、パペットって温かみを感じますし、多少口や目を動かせたとしても、表情ほどではないのですが、ちゃんと演出や演技の積み重ねによって、表情が見える、分かる、という瞬間が訪れるのが好きです。そういう意味で、クレイアニメに近いと思います。クレイアニメは本当に素晴らしい作品が多いですし、好きな作品も多いです。特にチェコの作品はすさまじい、と言っていいと思います。

フィリップはパペットでありながらかつては警官として初めて採用されたパペットでもあるのですが、今は私立探偵をしています。そんな中、パペットの仲間に殺人事件が起こって・・・というのが冒頭です。

決して、お上品な映画ではありません。しかし、ギャグとしてこの世界観を許容できるのであれば、かなりキツイ表現を含んでいますけれど、面白い作品に仕上がっていると思います。そして私は作り手のちゃんと再現する、という姿勢に上品さを感じました。ええ、映像として映っているのは下品極まりないんですけれど、真剣に馬鹿をやる、というのと同じ意味で、下品な事を写してはいるけれど、作り手の姿勢は上品、という事です。

もし、パペットが生きていたら、と思うとなかなか楽しいです。そして、規制がかかる部分を、ある程度回避する事が出来ますし、利他性について扱いやすい部分があると思います。ま、今作ではそんなことはありませんけれど、だからこそ、現代における家族の形を問う作品が増えているんだと思います。家族、大切なモノかもしれないけれど、私は個を認識の最小単位の上に家族があると考えています。既に世帯数では夫婦よりも個人が上の世界に生きているのですから。だからこそ、公共の概念をもう少し共有する必要があると思います。

見るも無残な破壊描写が、パペットのものとなるとモザイクも無しで見られますし、ほどよい笑いさえ生まれます。

大変くだらないバディモノではありますけれど、私は面白かったです。

しかし、1番面白いのはエンディングです。私はココで製作者の上品な態度、作り手の矜持を理解出来ました。パペットを動かしている人たちの真剣さ、本当に素晴らしいと共に、これほど笑えるとは思いませんでした。物事には、ほどほど、というモノがありますけれど、突き抜けています。

上品な姿勢が生む、大変下品な作品に、興味のある方にオススメ致します。

「マロ―ボン家の掟」を見ました

2019年11月27日 (水) 09:08

セルヒオ・G・サンチェス監督      キノフィルムズ

2019年見逃し後追い作品 その5

なんだか結構評判がイイ、ホラーだけどホラーじゃない、という噂を聞いて、手に取りました。2019年公開映画ですとやはり前半のモノは既にDVDになっているんですね、今年も1年が早い。

母親と4人の子供である長男のジャック20歳前くらいの青年、長女ジェーン15歳くらい?、次男ビリー16歳くらい、三男サム8歳くらいは、母親の生家である人里離れた屋敷に引っ越してきます。しかし母親は病に倒れ、長男ジャックが21歳になるまで、誰も屋敷を離れず、自分が亡くなった事を隠して生活するように言い残して世を去ります。隠遁生活を続ける4人には、隣家といってもかなり離れた所に住むジャックと同年代の女性アリーと親しくなり・・・というのが冒頭です。

ホラー作品とも言えますし、サスペンスモノとも言えますし、淡い家族恋愛モノとも言える不思議な作品です。かなり衝撃的な出来事とも言えるこの映画の肝の部分を、どう捉えるか?で評価が分かれそうな作品です。

次男のビリーくんを「ストレンジャー・シングス」(の感想は こちら )のジョナサンが演じているのと、隣家のアリーを「ウィッチ」ロバート・エガース監督作品のアニャ・テイラー=ジョイが演じているのを知っているくらいでほとんどの方が観た事が無い俳優の方でしたが、演技は良かったです。

とある場面からいきなり話しが飛ぶのですが、こういう形にする、という事は、と身構えてしまう感じはあろうかと思いますし、そうしなければ出来ない話しでもあるんですけれど、個人的な感想として、もう少し上手く出来たんじゃないかな?と思っています。事実を知る瞬間のカタストロフィの為には、細心の注意を払う必要があって、その注意が、どこか抜けていると感じました。

その最大のポイントは、自らが文章にしているのにも関わらず、その事実を忘れている、という事です。

もう少し気を利かせた何かを挟まないと、ちょっと厳しいです。同じような事として思い出されるのが「灼熱の魂」(の感想は こちら )です。都合良く〇〇という部分を気が付かなければ、大変エモーショナルな瞬間が訪れると思いますけれど、気が付いてしまうと醒めてしまいますね・・・

エモーショナルな映画が好きな方に、オススメ致します。

「グッドフェローズ」を見ました

2019年11月25日 (月) 09:16

マーティン・スコセッシ監督     ワーナーブラザーズ

これから劇場で観たい映画は年末にかけていくつかあります。その中にスコセッシ監督の「アイリッシュマン」がありまして、そうなると予習としてこの作品を観なければならないと思った次第です。そしてちゃんとNetflixにありました、本当に便利な世の中です。

実在したギャング、ヘンリー・ヒル(レイ・リオッタ)の告白を基にしたギャングストーリィです。

結構古い映画ですが、やはりスコセッシ節が感じられます。

ただ、私はあまりこの話しは好きになれませんでした。

ギャングの中にも掟というモノがあるはずです。ただのならず者集団だとすると、組織の忠誠という意味で混乱をきたし、それこそ秩序が保たれません。しかも、いつ爆発するかワカラナイ爆弾のように暴力的な男トミー(ジョー・ペシ)がいるので、余計に恐ろしいです。ですが、私はこの映画を観ても、このギャングたちの掟のようなモノが理解出来ませんでした。

また、結局のところ、告白本を書く、という部分から推察されてしまう結末を超える、想像を超える部分が無かったのもこの映画の評価が私の中で下がってしまった部分です。

ギャングモノに興味のある方にオススメ致します。

アテンション・プリーズ!

ここからネタバレありの感想です、未見の方はご遠慮下さい。

結局、散々ヒドく周囲に迷惑をし散らかし、時には法を超え、人命までも奪ってきた男に、組織の粛清も、法的な鉄槌も、なんにも下されない部分に、私はとても面白味の無さを感じました。

好き勝手に生きる代償を何も支払わずに、最後に粛清を受けそうだから、組織を売る。とても見下げた、下品な男の、都合の良い思い出話を、都合良く聞かされた、しかもスコセッシの映像で、という部分が強すぎて感じてしまったからなのかもしれません。でも、このような男を保護しなければならない、司法取引のような法の価値は私には判断がつかないです。

私にはヘンリーの良さ、良い部分が微塵も感じられなかったです。

とは言え、これはおそらく、マフィアである、ロバート・デ・ニーロを見せる映画なのだと思います。そういう意味で掟を守っているのは最後までロバート・デ・ニーロなんですね。大変怖いけれど、組織に準じている。また、ヘンリーが所属する組織の幹部でもあるシセロには、私はある種の悪であったとしても、アメリカの善なる部分、麻薬を扱わない、組織を裏切らない、という意味で信用が置けましたし、筋が通っていると思います。

泣きつくヘンリーに3000ドルも渡す温かみもあるのに、ヘンリーからすると、たた3000ドルぽっち、と言い出す始末です、本当にこのヘンリーは唾棄すべき人物としか感じなかった。

なので、ヘンリーがカッコイイと言える人の意見も聞いてみたいです・・・

ただ、スーツ映画としては、かなり見どころありましたし、特にスーツの襟の作りは、大変心動かされました。こういうシャツが欲しい!!襟が下に長くて隙間が細い、なんてカッコイイんだ!

カテゴリー: 映画 感想 | 1 Comment »

「KING」を観ました

2019年11月22日 (金) 08:03

デヴィッド・ミショッド監督       Netflix

本当はアップリンク吉祥寺で観たかったのですが、既に年末関係の仕事がいろいろ滞っていて、映画館がとても遠い存在です・・・仕方がないので、Netflixで観ました。これも2019年公開映画ですね。

15世紀初頭、イングランド。ハル(ティモシー・シャラメ)は奔放に暮らす青年です。お酒を飲み、怠惰な生活を送っているのですが、そこに父親が危篤との知らせが来ます。それでも父に会おうとしないハル。その父とはヘンリーⅣ世、イングランド王なのですが・・・というのが冒頭です。

いやー、初めて見ましたけれど、確かにティモシー・シャラメ、美しい造形してますね。髪の毛が長い方がかっこよかったのに、割合すぐに短くカットされてしまうので、もう少し観たかったです。が、ショートにしてもカッコイイ。いつも思いますけれど、カッコイイ人は何を着ても、何も着なくても、だらしない恰好であっても、カッコイイものです。だから私はファッション関係が苦手です、どうにか見た目を良くしようと無理しているような気分、欺いているような感覚があります、もともとダメな人が着飾ろうとするのがよりダメな結果を生みそう、と思ってしまうんです。ま特に私がですけど。それよりは着心地とか機能性の方が信頼できる気がします。ジョセフ・ゴードン=レヴィットさんがどんな服を着てもカッコイイのはそういう事だと思うんです、特に映画「メタルヘッド」ではアンダーウェア1枚の姿を見れますけれど、本当にカッコイイんです、あ、もちろん好みの問題もあると思いますけれど。

カッコイイというのはそれだけで価値があります。

しかし、この映画、その他のキャラクターが、すっごく弱い。そしてストーリィも、分かるようで、分かりません・・・あまりに当たり前の事実や歴史を扱っているのでしょうけれど、日本人の知識の浅い私には、何が何だか、という感じで、常に頭の上に?が乗っかっていました。いろいろ調べてみても、どうももうひとつはっきりしないストーリィです。

父ヘンリーⅣ世が、何をして、どうしてこうなったのか?また、何故ハルがここまで疎まれたのか?の説明は、ちょびっとされますけれど、良く分かりません。こちらの教養の問題とは思いますが・・・また幕閣の面々の、認識がいまひとつ出来なかったのも、私の問題だとは思うんですけれど、どうも良く分からなかった・・・

それでも、確かに美術にもお金はかかってますし、装置も、お金かかってます。そういう意味で頑張ってはいると思うんですけれど、いかんせんストーリィがどうにも飲み込みにくかったです。ハルがすっごくブレてしまうような気になりました。

史実とも違う面があるようで、シェイクスピアを原作に取り入れているようです。ですが、とにかく、基本的にハル1人のための映画として、出来上がっているのに、そのハルの造形、演じているティモシー・シャラメの美しさは光りますが、この人物の取る行動が、凄く一貫性が無いように、見えます。父との確執の原因がはっきりしないのは歴史的な知識の無さが原因でこちらの問題としても、彼の統治の正しさを指し示す事柄が、言葉だけで示され、その上反対派に対する処罰が、父への反抗の理由とは全く違う苛烈なモノである事、隣国の皇太子の贈り物に過剰に反応するのはおかしい、私は父とは違う、と言いながらも、次第に父よりも過激になっていく様が、評価の別れるところでしょうか。

ネタバレは無しの感想なので詳しく言及出来ないんですけれど、ラスト近くに、ある人物から諭される場面からの、ハルの行動は、私にはさっぱり理解出来ませんでした・・・

だがしかし、とにかく、アイドルのようにティモシー・シャラメを愛でる、という意味において突出した作品。

ティモシー・シャラメが好きな方に、オススメ致します。

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