井の頭歯科

「ハウス・オブ・カード 野望の階段」シーズン1を見ました

2015年1月30日 (金) 09:32

ディビッド・フィンチャー監督    ソニー・ピクチャーズ・エンターテイメント

「ゴーン・ガール」が凄すぎて、ディビッド・フィンチャー作品を何か見たくなって借りたのが運の尽きで、年末年始でシーズン1を全部これにつぎ込むという感じでした。うん、良かった、それなりに良かったけど終わってない!シーズン2とか3がある・・・3で終わってるのかが知りたい今日この頃です。

フランシス(ケヴィン・スペイシー)は下院議員で、大統領選に圧勝した現大統領から国務長官を約束されていたが、無下に断られてしまいます。耐え難い屈辱を感じたフランシスはそのことで『復讐こそ命、それ以外は無価値』とばかりに周囲の人、物を巻き込み利用して権力にすり寄ろうとするのですが、その思考も常に周囲の先にあり・・・というのが冒頭です。

非常にクリアな映像でいつものディビッド・フィンチャーっぽいですし、脚本もしっかりしています(割合あからさまにソニー製品が出てくるのが印象的ですけれど・・・)、役者も大好きなケヴィン・スペイシーで特に言う事ないくらい完成度は高いです。おまけにルーニー・マーラという好きな女優さんのお姉さんも出てきますし。監督も総監督ディビッド・フィンチャー以外にもジョエル・シュマッカー(「セント・エルモス・ファイアー」とか「フラット・ライナーズ」とか「オペラ座の怪人」とかの)監督ですし、タイトに作られていて良いです。シーズン1の最終話の監督アレン・コールターも非常に良かったです、デビッド・リンチっぽい始まり方で。

とにかくケヴィン・スペイシーのフランシスがイイです、そんなに言う程の悪性には感じられなかったんですが(対比としてヒース・ジョーカー・レジャーを挙げておきます)、それでもリアルな社会ドラマとして出てくる悪役ならではの場面が多く、しかも軸になるのが己の権力志向のみ、という部分がドラマ性を生んでいると思います。

そのフランシスがカメラ目線で視聴者に訴えるという演出が見事でして、とても多面的な解釈を生んでいると思います。その際のフランシスの目線と、言葉使いから生まれる目下の者を導くかのような演出で、ここが面白いのです。まるで物語の中に視聴者を引き込んでくるように感じさせます。

また野心的な記者ゾーイを演じるケイト・マーラがメイクのせいもあるのでしょうけれど、非常に上昇志向の強い目線と挑発的な口調、保守的な目上の男性に癇癪を起させ、手玉に取る感じがはまっています、決して近寄りたくないタイプの女性ですが。ルーニー・マーラだとこの高圧的な態度にもう一つ説得力が無かったと思うので、キャスティングの勝利なのではないでしょうか?

個人的に気になるキャラクターと役者として、フランシスの秘書であるダグラス・スタンパーを演じるマイケル・ケリーが良かったです。冷静でいてなおかつボスに意見できる男、彼の今後が気になりますし、断酒会での一面も深みを感じさせます。

もう1人がピーター・ルッソと、演じるコリー・ストールです。ルッソのキャラクターはどう見てもこのドラマの中では2枚も3枚も人間として敵わないのですが、そこを承知したうえで這い上がろうとする姿勢には、共感出来ますし、演じるコリー・ストールの演技も相まって説得力があります。最も、予想通りの展開ではあるのですが・・・

あと2人挙げたいのがゾーイの上司であるルーカスの最後のセリフと、同僚のスコースキーを演じるコンスタンス・ジマーです。脚本家が同じ作品ですけど「スーパーチューズデー 正義を売った日」に出てくる同じような記者マリサ・トメイのような感じで好印象を持ちました、叩きあげの女性記者で現実にいそうです。

終わってないのが苦しい。もうまとまった休みは無いからしばらく見られそうもありません・・・

「ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅」を見ました

2015年1月16日 (金) 09:18

アレキサンダー・ペイン監督      パラマウント・ヴィンテージ

昨年の映画で割合みなさんが上位に挙げている作品ですし、アレクサンダー・ペイン作品は「ファミリー・ツリー」を見たんですが、もうひとつピンとこなかったので見てみようと思いました。

雑誌の賞金に当たったと信じる父(ブルース・ダーン)は足が悪いにも関わらず、一人高速道路を出版社に向けて歩いて行こうとします。運転免許を取り上げられる程の高齢であり、警察に保護されたことも既に数回、息子であるディビッド(ウィル・フォーテ)も何度も説明しますが納得してくれません。そこで2人で父の故郷でもあり、出版社のあるネブラスカまで車で旅に出るのですが・・・というのが冒頭です。

いわゆるロードムービーであり、故郷を訪ねる話しであり、父と子の話しなんですが、ストレートでありつつも、何処か笑わせる演出、キャラクターが散りばめられていて、非常に上質です。何も起こらない話しではありますが、何と言いますかウディ・アレン作品では出来ない諦観を描きつつ、しかしその先を魅せる映画でして、私は好感を持ちました。

ブルース・ダーンはあまりよく知らないですし、ウィル・フォーテはもっと知らない役者さんですが、この2人がとても良い感じの距離感で、自然なのに、どこかしら、何かしらの問題を抱えた個人であり、その問題の抱えたからこその世界に対する疎外感があるからこその親子間の距離感になっていて素晴らしくリアルに感じられました。

息子であるディビッドの冒頭で分かるダメさと、頑固なだけでない父のダメさとが入り混じっていくのがまた面白く、しかもクライマックスで見せる息子の計らいと、それを受けての父の行動が、非常に、胸打つ作品です。

また、共感も何も感じないながらも、居そう、という1点に置いて恐怖すら感じさせる母親の半ば狂気にも似た怖さが印象的でした。お墓の前でする行動、凄いです。

家族のいる人に、オススメ致します。

「ビフォア・ミッドナイト」を見ました

2015年1月9日 (金) 10:45

リチャード・リンクエイター監督     ソニーピクチャーズ

あの名作「ビフォア・サンセット」からさらに9年後を描いた作品です。「恋人たちの距離 ビフォア・サンライズ」から数えれば18年後!ものすごく長いスパンで考えられていますし、この情熱が続くのも凄いです。

で、個人的には最もロマンティックなのは実は「ビフォア・サンセット」でその次が「ビフォア・サンライズ」、でがらりとこの3作目はビターな、いやビターでは生ぬるいくらいのシビアな作品に仕上がっています。

何を書いても前作「ビフォア・サンライズ」のネタバレになってしまうので、ネタバレなしの範囲で書きますと、リアルな男女間の深い河についての、生活の中で積もってくるであろう澱のようなものを、どのようにしていけば良いのか?を考えさせられる映画です。

異性間交際の経験のある方、それも現在進行形の方にオススメ致します。

アテンション・プリーズ

ここからはネタバレありの感想です、未見の方はご遠慮ください.

実際に付き合い始めたカップルに訪れる、生活することで降り積もってくるすれ違いや感覚の違いから起こる些細な食い違いが、9年間、子供、元妻、血の繋がらない息子、などという様々な重い事象と繋がっていく事で、飲み込んできたつもりの些細な行き違いが、感情的になってしまう出来事で吹き上がり、相手に責任を被せようとする様が見事に描かれています。

もうこれだけで、夫婦と呼ばれる関係に身を置く人を尊敬したくなってきますし、また同時に厄介そうだ、とも感じてしまいます。

とにかく感覚が、実感が違う他人だからこそ、その人とどうやって、相互理解していくのか?またはここは分かり合えないからこそ見て見ぬふりをしてきた部分を、感情的になって吹き上がった時にどうやり過ごすのか?を考えさせられます。

ドアを開けて出ていくセリーヌ、そして行き場もなく5分もしないで戻ってきてすぐには言えなかった反論を感情的に怒鳴るセリーヌが、私はただただ恐ろしく感じました。

9年後、新たな作品は生まれるのでしょうか?見たくもあり、見せないでと思うところもあり、複雑です。

あけましておめでとうございます!

2015年1月5日 (月) 08:53

昨年は大変お世話ににありました!今年も会議等があり、診療時間がいろいろ変則的ではありますが、武蔵野市民の為の歯科医師会の関係です、よろしくお願い致します。

年末年始のお休みでリフレッシュ致しました、是非定期的な健診を繰り返して、健康なお口の状態を維持していく為のお手伝いができたら、と考えております。

今年も1年、よろしくお願い致します!

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