ジェームズ・ガン監督 DC 新宿ピカデリー
2025年公開映画/2025年に観た映画 目標52/120 26/69
ジェームズ・ガン監督のスーパーマン。2025年の作品として、これからも残ると思います。それはそれで素晴らしい事ですし、大変に良く出来た作品。
でも、それは、リチャード・ドナー監督、クリストファー・リーヴ主演の「スーパーマン」という作品があったからこそ、です。
今回冒頭の描写説明はしません、というか出来ないし、したくない。
完全にフォーマットとして、リチャード・ドナー版の「スーパーマン」を使って、物語を現代にアップデートしています。
そして2025年作品として、残念だけれどコメディ部分はかなり少なくなってしまっています、仕方のない事だとしても、それは悲しい事でもある。
そして主演は、多分観た人なら納得してもらえると思いますが、スーパードッグであるところのクリプトさんです。ネタバレ無しで言える所が少ないけれど、主役はクリプトです!
今作を観て、いかにリチャード・ドナー版が素晴らしかったのか!を、今までも好きでしたけれど、そして映画友人さんから指摘されて、再度見直して、もっと好きになりましたけれど、それ以上に、本当に決定版なんだと理解しました。今後も原点であり頂点だと思います。
非常にリチャード・ドナー版に敬意を払っていますし、それでも、ジェームズ・ガンの映画になってるし、当たり前ですが2025年の、こういう言い方は好きじゃないけれど仕方なく、トランプという頭が悪くて視野狭窄で自己顕示欲しかなく、そして客観性を失くした男に権力を与えた、アメリカ国民だけでなく、今回の参院選を観ているとうちの国も全く同じで、理性が感情に負けた動物的世界に突入した以降の、作品として、とても理知的に描かれてはいるけれど、それ以上に個人的に、リチャード・ドナー版が如何に素晴らしい作品だったのか?を理解させる為の作品だと思います。
どう考えても、イスラエルを非難しているし、まぁ当たり前ですが人為的な民族浄化(ホロコーストと地域封鎖して餓死させるのはどちらも同じくらいというか餓死の方がより非難されて当たり前だと私は感じますが)を目指していて本当に恐ろしいし、なんならロシアのウクライナ侵攻よりも、もっと複雑怪奇にいろいろな要素が絡んでいるので、より酷い状況のガザの状況を、映画的には描いていますが、これでいくら感情的にスカッとしたところで、現実は何も変わらないし、スーパーマンもいない世界で、何が出来るのか?とても考えさせられました・・・
ボラビア共和国大統領を揶揄して感情解消しても何も解決しないけれど、それでも必要な作品。
あ、そう言えば!今回も、ニコラス・ニュークス・ホルトさんは本当に素晴らしかった。この俳優さんは観るたびに驚きを増やしてくれます。V8!役者陣の中では断トツに良かった。
スーパーマンを演じた方のデヴィッド・コレンスェットさんの覚悟の顔、良かったですし、体格もイイです。で、若さも、良い。凄く人間臭いスーパーマン。
ロイスを演じたレイチェル・ブロズナハンも決して悪くない。ただ、私の理想のロイスは既に知っていてマーゴット・タギ―と比べられるのは大変でしょうね。
リチャード・ドナー版「スーパーマン」を見た事がある人にオススメします。
アテンション・プリーズ!ココからは「スーパーマン」と「スーパー」(ジェームズ・ガン監督作品)のネタバレをしますので、ご注意を。
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ネタバレありの感想ですと、
もう現実世界がそうなんだから仕方ないんだけれど、非常に話しが込み入ってて、詰め込み過ぎなくらいです。その中でも、ちゃんと、ピース・メイカーが出てくるのとか、本当にちゃんとしてる。
そしてホモサピエンスの造形としてスーパーガールがめちゃくちゃ印象を残しました。こういう部分そして本作には決して過剰なかかわり方はしないところが、ジェームズ・ガン監督が信頼できるところ。しかしこのホモサピエンスの造形、いいなぁ~
確かに、イスラエルとガザの事をモチーフにしてるし、政治色の強い作品でもありますし、それはそれでイイのだけれど、なんというか、この映画で感情を消化して良いのだろうか?という疑問は残るし、結局の所、スーパーマンは正義だし、ちゃんと勝つので、うん。
それと、やはり身内の錆びからの綻び、それでイイんですけれど、なんだか今回の場合、記者の彼、忍びない感じで、彼に負荷がかかっているの、ちょっと心配。今後どうなる事やら、です。
ルーサーが、ハイテク企業のCEOで、かなり完璧な作戦で、しかも運動機能を人にさせて自らは命令しないといけない、という構造にしたの、上手いなぁ~と思いました。かなりのサイコパスでソシオパスでもあり、これは嫌われそう。でもこうするしか無かった、という何かバックボーンみたいなモノがあればなぁ、とは思いましたが、それは続編かな。
で、重要人物にハイテクのスーパーヒーローがいるんですけれど、何と言いますか、スーパーヒーローって超人的な能力を持っているのに、ハイテク機械に頼るのが、どうも上手く理解出来なかった、けど、懇親のシャッターギャグ、時間はかかるけど、削られなくて良かった。それに、コントロールは意思のチカラってオーラバトラーかよ!とは思いましたけど、笑えました。
それと、クリプトさんはCGなんだろうけれど、モデルもいるはずで、次回も出てきて欲しいし、なんならスーパーガールもやって欲しい、スーパーガールの笑顔の強さは凄いですね。とてもアメリカナイズされた美形なんだろうけれど、それもここまでになると、何か魅力の強さがスパイラル的に強く感じました。
そして次元の谷とか視覚効果は理解しますけれど、やはりちょっと強引だけれど、アメコミの映画だしね。
でね、リチャード・ドナー版スーパーマンに敬意を表している(エンディングの時のスタッフロール行く前の、あのクリアで文字の形が動く奴!)の心地よいんだけれど、そしてジェームズ・ガン監督作品だと、私はどうしても、スーパーを思い出さずにはいられない・・・
あの狂気のクリムゾン・ボルトの哀しみを。人生の善き事が、警察官に泥棒が逃げた先を指で指示した事がクライマックスの、あの迷惑1名自警団の、彼の哀しみを。だってクリムゾン・ボルトも、スーパーマンを夢見た男、きっと知ってたはずの男なんです。
特に人と変わった事などなく、実力も無い男の、ヒーローへの憧れが、何を引き起こしたのか?考えずにはいられない。
クリムゾン・ボルトのやった事を肯定する事は出来ないが、心情としては理解出来るし、スーパーマンと違ってとても小さな世界の話し。そちらの方が好みだし、私の好きなジェームズ・ガン作品だと思う。
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