城定秀夫監督 クロックワークス Amazonprime
2025年公開映画/2025年に観た映画 目標52/120 23/66
2025年公開映画を1本でも増やしておこう、という低い志で観ました・・・こういう映画の見方が本当に良くないと思いつつ、興味が無かったモノとの出会いの場、でもあります。本作は収穫がありました。
暑い時期の地方都市の団地に住む生活保護自給者を訪問するケースワーカーで市役所職員の佐々木(北村匠海)は・・・というのが冒頭です。
予告編を見て、2025年公開作品だったから見たのが半分ですが、河合優実が出演しているのである程度間違いないだろうとは思いましたが、出ている役者さんたちが皆素晴らしいし、キャスティングが凄いです、もちろん、知らない人も多いんですけれど。
恐らく、ネットミーム的な表現だと思いますし、セーフティーネットとして絶対に必要な生活保護をナマポと(字幕でも表記されてる)実際に言葉で聞くと、強い違和感があります。
ちょっと調べればわかる事なんですけれど、確かに不正受給が無いとは言えないですけれど、政府が出している(とは言え、うちの国の政府の出すデータを信じたいけれど、少なくとも数回、故意に、数字を改竄しているんですよね・・・でもある程度信頼するしかない)数字を見れば、かなり少ない数字だと思いますよ・・・それと国籍の管理をしているのも国家で、外国籍の方であっても、納税している訳で、権利はある程度あると思いますけれど。法治国家なら、なんだけど。おそろしい事に、本当に法治国家なのか?という疑問はありますけれど・・・
凄く悪い感じで出てくる映画「永い言い訳」の時に見た竹原ピストルさんが、まずヒドイ(褒めてます)。そういう人に見えます。そしてあのスモーキー(えっと映画「ハイロー」のRUDE BOYSのスモーキーです、伝わるかどうか微妙ですが)が!俺たちのスモーキーが、悪い人を演じているんですけれど、この人だけ、ちゃんと「考える」人なんです・・・私は登場人物の中で、唯一、モノを考えている人に見えました・・・ただ、すっごく、独善というか、善悪は抜きで、何がどうすれば、どうなるか?を考えて選択しています。ただその判断基準は一般的な善悪とは判断基準が違って、自分に得があるかないか、銭になるか、ならないか?しかないのですが・・・でもカッコイイ、流石スモーキー!
さらに、まぁ貫禄すら出てきた、河合優実さんの、既にこういう役どころを魅せているにも拘らず、今作でも非常に細かな素晴らしい演技を見せてくれます。私が今作で最も良かったのは、最初に関係を持っている男性との抱き合う場面、河合さんはカメラに向かって顔を出していて、相手は画面とは逆の方向に向いている顔と顔が重なる場面があるのですが、後に、全く同じ構図で、違う男性との場面、目の輝き、動き、同じ人とは思えない程でした。相変わらず、拒否を身体全体で出せるのも凄く動物的だと思いますけれど、上手いです。そして、ビート板とハダシが共演している作品だと、後で気づきました・・・驚愕!
そして光るのは2名出てくる子役が、どちらも是枝作品か?と思う程自然。まさか、です、だって私は個人的に相性悪い、あの、城定監督なんですよ・・・これは驚きでした。でも、何と言いますか、城定監督らしくない演出も目立つ作品。下着に関して、特に城定監督作品だとすると、ちょっと。ネタバレになるから言いませんけど、ちょっと。インティマシーコーディネーター居たのか?ちょっと不安。
で、主演の北村さん、観た事が無いと思っていたら、映画「勝手にふるえてろ」のイチの人でしたか!役者さんって全然違う人になれて凄いですね。全然分からなかった。
傍観者と思いきや、結構ダメじゃないか、と思いつつ、まぁ主人公ですから。
さて、真打。この映画の中で最も輝いていたのは、木南晴夏さんです。生命の光や暖かさを消し去る目の演技、恐ろしいです。この映画の中で最も異質で、最も深みのある、リアルな人間に見えました。とにかく、凄すぎた。全然知らない役者さんですけれど、ちょっと尋常じゃないです。
で、ハダシだと、全く気付かなかった、伊藤万理華さん。すいません、私この人のこの役、すげぇ言いにくいけど、タイプです。普段はクールなんだけど、馬鹿。冷静を装っている人。二面性とでも申しましょうか・・・ただ、サマーフィルムにのっての時はビート板派だったんですよ!もう本当に役者さんってスゴイなぁ。あと、どうでもいいけど、顎のラインが素敵。ハダシの頃とは全く違う。私はメガネが好きなんだろうか・・・
で、さらに、私は許可局員なんですけれど、東京ポッド許可局で、何度も言及されているチャンス大城さんの名前がエンドロールに流れて、えっ!ってなりました。そう言えば調べた事無かった。でも初めて観ました。うん、何処に出てたのかワカラナイので、観たとは言えない気がしてきた。でも、あのチャンス大城さんを私はみた(かも知れない)。
話しの筋的にはあまり好みではないものの、韓国ノワールみたいにやる予算は日本の映画界には無いし、そこを工夫するなら、コーエン兄弟作品のような、クライムコメディ路線は正しいと思います。相性悪いと思っていた城定監督作品で割合好きな作品と言えると思います。とにかく出てくる人、役者さんみんな素晴らしかった。
好きな役者さんがお1人でもいらっしゃるなら、オススメの作品です。
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