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ジャスティン・カーゼル監督 AmazonMGMstudio Amazonprime
2025年公開映画/2025年に観た映画 目標52/120 6/17
2025年の作品を今のうちからこなしておかないと、と思いつつ、ついツインピークスを観ている最近ですが、Amazonprimeでオススメされたのが2025年公開作品だったので。
キリスト教徒の血についてラジオでの対話の中で話される会話が・・・というのが冒頭です。
冒頭の一連の中でも字幕で「実話に基づく物語 BASED ON TRUE EVENTS」となってて7,何となく、a true story とか a real story という表記は観ていると思いますし、storyという単語でもう物語なんで、事実とは異なる、と言っているのと同じだと思うのですが、True Eventsだと、物語というよりは事実に近く感じる感覚があるのですが、あくまで英語の表記から感じるモノなのですが、どうなんでしょうね。
恐らく初めての監督作品だと思います。凄く淡々としている上に、景色の美しさがこの映画の特徴だと思います。もちろん実際の事件のについて、ざっと関連のWikipediaを巡りましたが(ネタバレを含む情報も多数ありますが、おおよそ、1 ウィリアム・ルーサー・ピアーズ 2 ロバート・ジョイ・マシューズ 3 ナショナルアライアンス 4 ターナーの日記 5 ジョージ・リンカーン・ロックウェル )、非常に暗い気持ちになります・・・ちょっとアメリカの右派、それも反ユダヤ思想を知る事になった訳です。
変な例えで申し訳ないのですが、要は、ジョージ・リンカーン・ロックウェルの組織からウィリアム・ルーサー・ピアーズが出てきて、そのピアーズがナショナルアライアンスを作り、その中からより過激なマシューズが出てきた構造で、これって、みんな大好き天才と称される石原莞爾が満州国を作る事を正当化する為に事件を起こして戦端を開き、既成事実を作って上層部の命令を違反した(けど満州を取ったのだから良いという趣旨で天才なんだろうけれど)のを、部下の武藤章が今度は戦線拡大に石原莞爾と同じやり方を踏襲していて、自分はよくて武藤はダメな事にならないし、軍紀を乱したのが自分な訳ですし、その武藤章が出現する事さえ予見できなかったわけで、流石天才と称される人物な訳ですけれど、そういう顛末と似ている気がする・・・
ネタバレになるし、何ならこの映画の中身とは全く関係ない部分もあるのですが、勉強ができるとかじゃない頭の悪さというか、思い込みの強さが妄想と相まって、とても極端な方向へ先鋭化し、自らの欲望が(宮台真司先生言う所の『女は自分を変えるが、男は世界を変えたがる』という種類の欲望の話し)強く、なんなら相手をヒューマンとかホモサピエンスとも思わないわけです・・・とても暗い気持ちになるし、そういう人が昔から居て、だから2025年にはトランプが大統領になってしかるべきなんですね・・・ホモサピエンスが滅ぶ方が地球には良いので、それでもいいか、くらいの気持ちになりますね。
閑話休題
映画は凄くジュード・ロウ視点で進み、いわゆるFBIモノというよりも刑事モノですし、まぁノワール的とも言えると思います。
そしてもちろんジュード・ロウだと思えば心地が良い訳ですけれど、なんか、ね・・・この事実に対してこういう主人公を立てて、ヒロイックというかハードボイルド風にして問題を解決風にするのは逆効果な気が致しました・・・
ただ、やはり光るのが悪の魅力あふれるマシューズを演じた、ニコラス・ニュークス・ホルトです、そう陪審員2番の彼です。
それにしても、なんで思想が過激な人って単純な敵を見つけて、誰彼構わずに、攻撃するんでしょうね・・・
どこの国のSNSでも同じですけど、自分が絶対の正義であると 信じ 込んだり、議論の余地が無いと(相手に確認しないで)自分だけが決めた、となった際の、他者を他者と思わない、最も残酷な存在になれると 私も 信じて います。
もう事実と認定して良いくらいに私も 信じて いるので、この信じている段階で、私も同じ穴の狢で、危ないんですけれど、だからこそ、地域とか国家とか見えない科学的に問えない何かに自我を委ねたり、その威光を借りて先鋭化して他者を傷つけるのはもうやめた方が、とは思うけれどホモサピエンスも動物で、しかも頭が悪い、過去から学べない上に、世代間での継承が行われない生き物なので、仕方ないのかも、とも思ったり思考がぐるぐる金井美恵子文体のように、回る。
アメリカ近代史の暗部に興味のある方にオススメ致します。