井の頭歯科

「ワン・バトル・アフター・アナザー」を観ました     One Battle After Another

2025年10月24日 (金) 09:46
https://www.youtube.com/watch?v=-1nsFoDgxDw
ポール・トーマス・アンダーソン監督     ワーナー     ヒューマントラストシネマ渋谷
2025年公開映画/2025年に観た映画   目標52/120   40/103
なかなか劇場に足を運べなかったのですが、このタイミングで。しかし、PTAの新作でディカプリオも出てるのに、もう1日2回とかになってる・・・
リコリス・ピザからぐっと娯楽作品になった、というか、やはりコーエン兄弟は偉大だなと思う、クライムアクションコメディというジャンルになったと思っています。
現代の、でも移民が不当に逮捕監禁されるアメリカ。過激派組織フレンチ75は移民解放運動を行っているのですが・・・というのが冒頭です。
結構スパンの長い話しです。冒頭45分くらいはこの世界の設定を見せてくれますが、仔細な説明ではないので、何とも言い難いのですが、まぁディストピア的アメリカを描写しています。
だからといって過激革命組織の方もなかなかに面倒な感覚もあるのですが、どうやらトマス・ピンチョンの「ヴァイランド」が元ネタになっているようです。それって、過去作に「LAヴァイス」から「インヒアレント・ヴァイス」を撮っているPTA、どんだけトマス・ピンチョン好きなんだ!です。読まなきゃと思いつつ、結構な厚みにたじろいでいますが、これは読もうと思います。
まず出演陣が豪華。ディカプリオにベニチオ・デル・トロ、ショーン・ペンにチェイス・インフィニティ。この中でもチェイス・インフィニティさん、これから人気作にいろいろ出るんだろうな、という予感というか実感がありました。
で、ディカプリオがどんどん「デュード」に見えるんですね。もうまんま、と言ってもイイけど、ここに追加要素としての父親、があります。
相変わらず、ディカプリオの困った、切羽詰まった、けどそれは自分に問題がある、という状況の演技、最高です。もう文句なく最高です。ずっと見ていられます。恰好も薄汚い寝巻姿で、いろいろ子供相手に凄んだりもしますけれど、ボンクラなわけで、デュードな訳です。
このボンクラを助ける、この映画の中の最も信頼できるSENSEIことベニチオ・デル・トロが最高にカッコイイ。
で、この映画は、まぁ普通に笑える作りですし、トマス・ピンチョンを読んだ事が無い無知蒙昧の私だとワカラナイ事がたくさんあるんですけれど、そして観ている時は、ただ、あはは、と笑えるんですけれど、鑑賞後に結構気になった事があります・・・その辺はネタバレありの感想で。
基本的にはめちゃくちゃ楽しくて笑える映画。
それとトマス・ピンチョン、ちゃんと読まなきゃな。
コーエン兄弟作品が好きな方にオススメします。
で、気になるのは、パーフィディア・ビバリーヒルズ、つまり娘のお母さんの人、です。
生粋の、そして血筋的にも、革命家で過激。でも余計なマウントをしてロック・ジョーに執着をかけ、その上、そりゃ人を殺めてしまえば(それまでは、爆弾テロを行ったり、移民の施設を解放したりで、殺人は行っていない)警察も本気にならざるを得ないし、いつまでも反体制側で過激な行動を起こし続けていれば破滅がやってくるのは必然だと思います。
その上、自身の欲望の結果の、子供に対しての行動、父なら今まで掃いて捨てるほど描かれてきましたけれど、母となると難しいですし、なにより、裏切り行為は、なかなかです。つまり保身に走った事になりますし。
もちろん血の繋がりよりも、家族の定義は広いと思いますし、その傾向は強まっていくと思いますが、それにしても、この人の無責任かつ欲望に突き動かされ、責任を負わないの、凄く不快な感じがします。最後に手紙で詫びを入れられても、なかなか受け入れがたいし、娘がまた過激組織に加担してて、程度にもよるとは思いますし、私もなんなら政府や権力の側に違和感を覚えますけれど、そして移民政策や、クリスマス冒険者みたいなヘイト集団には嫌気がさしますけれど、破壊活動で訴えるの、どうなんだろうという気持ちになります・・・
まぁ盛り上がるけどね。
それにディカプリオが拳を振り上げ「Revolution!」と叫ぶのカッコイイけど、うん。

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