シャイアン・ブラウン監督 Netflix
2025年公開映画/2025年に観た映画 目標52/120 19/59
カナダの都市トロントの市長のドキュメンタリーです。
なんというか、既視感すらある、とてもトランプ的人物の、成功と挫折の話しです。
当たり前なんですけれど、というか私はそう考えるんですけれど、アートの世界であれば、書き手がどんな人物であろうと作品とは切り離して考える事が出来ると思います。しかし政治、となるとそうはいかない部分があるのを感じます。
市民感覚で権力を握らせると、崩壊する恐れがあるからです。とは言え、市民のレベルに応じた政治家しか生まれるわけがなく、言葉で協議をした玉虫色の結果が政治的な決断なわけで、自分の主張が100%通る事を目的とするなら、それは独裁という事ですから。
人物の魅力と、政治的判断の高さにどのような傾向があるのか?を考えてみると、まぁ身近な人を振り向かせられなければ議員になる事すら難しいでしょうから、それなりに必要なんだとも思いますが、その魅力だけで政治家を選ぶのは危険だと思うのですが、でも民主主義って衆愚政治になりやすいですから、まぁ難しい判断です。
ただ、この騒動を見ても、映像が無い、証拠が無い場合に白を切る、つまり嘘をついている人物に、普通は投票しないと思います。
間接民主主義を、代表を送り込むという制度、テクノロジーが発達した世界では割合簡単に直接民主主義に変えられそうですけれど、それはそれで怖いですし、感情に流されない事が上品で冷静、またはフェアに考えるという事に重きを置かない場合、より衆愚に陥ると思うと、簡単ではないですね。
しかしこの市長ロブ・フォードという人物、トランプの劣化版とも言えますし、より強力で、大規模で、現在進行形の、実験を観ている2025年7月8日の今だと、既視感しか無かったです。こういう欲望に忠実で躊躇の無い人物、自己顕示欲と、政治的判断と自己の境目を見分けられない人物を観ていると、とても政治家、というか権力を握らせてはダメなの、誰でも理解出来ると思うのですが、渦中にいると難しいんでしょうね・・・
イランに対して、疑惑があるのかも知れないけど、イスラエルは査察さえ受けてないし、なんなら現実に言えば保有しているわけですよね?もう無茶苦茶だけど、福音派の、という事は宗教という科学的な判断が出来ない人の代弁者をしているわけで、何が起こってもおかしくないです・・・
暴力の支配する世界、私は恐ろしいです。
そして今、参議院選挙が行われていますけれど、カルト(私の感覚ですと)が出て来ていて、カルトが政党を名乗って選挙に出るってオウムの時くらいの恐怖を感じます、当時は笑っていたけれど、笑えなくなっていきましたし、化学テロを起こした集団です。似たようなモノを感じます。が、カルトを支える人たちにとっては、自らが正義と思っているので、言葉が通じないわけです。本当に恐ろしく、感情に支配された有権者が、感情に任せて投票するとどうなるのか?の実験みたいで恐ろしいです。これまでに、モラルの低下や公平性について行われてきた事を、行き過ぎたといってバックラッシュが起こる事を考えると、そしてそれが文化によって培われたのだとすると、もうそろそろうちの国は・・・
カナダでこれですからね・・・うちの国に民主主義は根付かなかったのかも当然なのかも知れません。そしてアメリカでさえ、アレですから・・・
他者の考えを変える、それは凄く難しいから、合意を取るのが難しいから、権力や力で押さえつけないと難しい種族なのであれば、ここから先に進むのは厳しい気がしてきました。
政治に興味のある方にオススメ致します。