井の頭歯科

「Flow」を観ました   Straume

2025年8月5日 (火) 09:35

 

ギンツ・ジルバロディス監督     ファインフィルムズ     Amazonprime
2025年公開映画/2025年に観た映画   目標52/120   27/71
Amazonprimeに落ちてたので。あと猫が出てるから。アニメーションで難しくなさそうでしたし。
深く薄暗い森の中に1匹の黒猫が周囲を見渡していると・・・というのが冒頭です。
優れた漫画家が時々、丸ごと1エピソード、あるいは連載の中での1話を、セリフ無しで行う事がありますよね?そしておおよそ、このセリフ無しの漫画の、その回はかなりの完成度になります。だって言葉を封印して、絵だけで、ストーリーを見せなければなりません。その為に、この無言のエピソードが描かれるのは連載の漫画であれば中盤以降、という事になります。何故なら、読者が登場人物であるキャラクターの性格や好み、立ち振る舞いについてある程度知っていないと難しいからです。漫画第1話が無言で行われたケースは、私は知らないですし、かなりハードルが高い。
しかしこのアニメーション作品Flowは、そもそも全く知らない「動物」を主人公にしていますし、擬人化もしません。
更にインディペンデント作品なので、予算が限られています。wiki情報ですが、無料の動画ソフトを使って製作されています。つまり、割合、技術が日進月歩で進むいわゆるアニメーションの世界で、その技術があって初めて可能になる表現、というテクニカルな部分でもって(ディスニーやピクサーがやる様に)驚かせる、技術的進歩による驚きを封印されている訳です。
そ、それなのに!という驚きに満ちています。
私は今何を見させられているのだ。という驚きです。しかもアニメーションとしては、2025年8月5日の今、大人気作品が劇場でかかったいるわけですけれど、そしてその作品を観ておっしゃる方々の、ニュアンスとして、絵が綺麗、作画凄い、というこの1点で、この作品の素晴らしさを伝えようとされるわけですが、確かにお金をかけて、時間をかけて、絵の素晴らしさ、動きの凄さ、で魅せる作品は素晴らしいけれど、いくら何でもスクリーンを占拠し過ぎで、その他の作品の上映回数が、びっくりするほど少なくなってて、驚きますが、その作品は観てないけれど、この作品の驚きは、そういう最新技術、突っ込んだ金額ではなく、魅せたいモノを見せるという凄く純粋な映像化だと思います。つまり、志が高い、という事です。それにみんなが観ている作品を、みんなが観なければならないとはならないです。過去作を借されて観た事もありますが、とにかく安易な、名前の付け方、敵の存在、味方の在り方、そういうのが触るんですよね・・・強さが目に書いてあるって発明だけど、それを話なり、関係性なり、動きで見せるのが技術というのモノなのでは?まぁお子様向けなんです、多分。
それに比べて本作はあまりアニメーションに詳しくない私でも、少し古い感じだな、とは思います。特に、水回りの描写。でも、これは分かる人にしか伝わらないけれど、漫画で、細密に書かれた最近の背景さえ細かな、しかしコンピューター的な処理を写真から起こしている可能性もある手法と、ガロデビューか?と感じたりもしてしまう味のある絵を持っている漫画家の作品だと、格の違いを感じたりしますけれど、前者を浅野いにおさんだとすれば、後者は宮崎夏次系さんです。そして私はそういう作品に惹かれてしまいます。
しかも主役は猫。もう私の為に作られていたのかも。
ツッコミどころはある。そして解釈は開かれている上に、結構な、え?ポイントもある。
そしてもちろんみんな地球だと思ってるけど、地球じゃない可能性もあると思ってます。
あの、鳥の、白と黄色の、神々しさ、今現実の写真や動画で調べてるけれど、凄い。そしてあの猿!私は知っている猿でしたけれど、イイ。そして、ね〇みの仲間のアレ、私は船のお母さんポジションだと感じました。もちろん神々しい鳥はお父さん。
私はなんとなく、ですが、手塚治虫の未完のライフワーク、「火の鳥」黒猫編だと思ってます。
絵が凄いアニメーションが好きな人に、絵の凄さは技術だけではなく、何を魅せたいのか?受け手である観客が受動的でただ圧倒されるのももちろん素晴らしいが、能動的に脳内補完出来るアニメーション表現も素晴らしい事を確認したい人にオススメします。
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