ポール・シュレイダー監督 コロンビア U-NEXT
2025年公開映画/2025年に観た映画 目標52/120 29/77
ポールと言えば、マッカートニーではなく、シュレイダーでございます。
最近の3部作の「魂のゆくえ」もなかなかですし、「カード・カウンター」は最高でしたが、続く「Master Gardener」が全然日本公開されず、DVDにもなってない・・・早く観たいのに・・・
そんななので、過去作を観て行こうと思います。最後はMISHIMAまでたどり着けたら。
親族が集まってクリスマスを祝う中・・・というのが冒頭です。
傑作。流石ポールの仕事。
カルヴァン派の信徒であるジェイク(ジョージ・C・スコット)は男手一つで娘クリスティンを育てていて、娘は若者たちのカルヴァン派の信徒の旅行にバスで大勢と旅行に出かけます。恐らく、宗教的な儀式や巡礼的な何かで、引率はいるのですが、修学旅行のような感じです。
しかし、その旅先でクリスティンが行方不明になってしまい、私立探偵を雇って探すところからこの映画が動き始めます。
最初はどう考えても、いわゆるカントリー音楽が流れていて、つまり、田舎で閉鎖的な事が示唆されていますし、とても保守的な人が多く住む地域で、雪国なんでしょう(wiki情報だとミシガン州)。
そして旅行先は南国カリフォルニア。子供たちですから、それは羽目を外す事もあるでしょうけれど、行方不明は心配です。
で、タイトルがハードコア、ですからまぁ既にこの言葉が持つ意味の中に捉えられてもおかしくはないポルノ産業についての話しです。なんなら、健全な父性を持つ伝統的アメリカ白人(当時 1070年代後半から80年代初頭)が、娘を探してポルノ業界を垣間見る、まるでファウストの地獄めぐりみたいな話です。
当時の大人、アメリカ社会にどのように受け入れられたのでしょうか。
性の世界は非常に深くて広いとは思いますけれど、そして根源的欲求だという事も理解はしていますけれど、当たり前の事を言いますけれど、私を例に出すと、55歳で男性という事は普通であれば子供がいたら、その子は成人していて、仮にそれが娘であった場合、という状況に置かれて初めて、多分女性を男性と同じホモサピエンスとして見れる人がいる。それもかなり大多数が初めて見れるようになるんじゃないか?と思わせるほどの説得力がありました。
非常に恐ろしい映画。というか多分男性は性産業に触れる前に履修させるべき作品。
ジョージ・C・スコットさん、ある人から薦められて初めて観た感覚ですけれど、素晴らしかった。あとwiki情報ですが、アカデミー賞、オスカーに対して辞退してる!凄いまっとう。理由も述べられていて「あんなのは皆、下らないお祭り騒ぎさ。関わるのはご免だね。」激しく同感。こういう人がいた事知らなかったの恥ずかしい。
ラスト、ご都合主義にならないギリギリの部分もいい。
これ、現代にもう1度作ってもいいと思います。いかに現代が拝金と性衝動をエンジンにして社会が回っているか?をそろそろ映画的に捉えてもいいと思います。
全ての男性にオススメします。