井の頭歯科

「夜と霧」を観ました

2023年10月24日 (火) 09:21

アラン・レネ監督     日本ヘラルド     DVD
スティーブン・スピルバーグ監督「シンドラーのリストを観た事ですし、マッティ・ゲショネック監督「ヒトラーの為の虐殺会議」も観ましたし、コテンラジオでのナチス関連もいろいろ聞いてきましたし、ミック・ジャクソン監督「否定と肯定」も視聴、中でも最も重たかったのはコスタ・ガヴラス監督「ミュージックボックス」でしたが、それも視聴したので、いよいよ重い腰をあげ、今作を観る事にしました。
おそらく、ナチス関連のドキュメンタリー映画作品としては古典的な作品でしょうけれど、最重要作品だと思います。
wiki調べですけれど、有名なヴィクトール・E・フランクル著「夜と霧 ドイツ強制収容所の体験記録」(未読)とは同じようなテーマを扱っていますけれど、原作ではないようです。
第二次世界大戦時に、ドイツで行われたホロコーストの記録映像や写真(モノクロ)と、戦後にその強制収容所をカラー映像をコラージュした記録映画です。
ホモ・サピエンスが、いかに簡単に、同胞ではない、と判断した場合、もしくは科学的(それは今となっては間違った優性論だったわけですが)に、正義が自分の側に属していると信じた結果、残酷になれるか?を記録した映画と言えます。
現在の所、遺伝子的に、ホモ・サピエンスに亜種はなく、どの国籍であろうと、肌の色や瞳の色、髪の毛の色が違おうと、同じホモ・サピエンスです。
ですが、それは現代の科学に於いてであって未来永劫変わる事は無い、とは言い切れません。
それでも、同じ生命を宿した、思考する動物でありますし、区別する事は出来ないと思います。そして同じ惑星に住む同胞だと、基本的には感じます。
(とは言えコテンラジオでも話題に挙がっていたもし、仮に、A.Iが個別性を持ち始めたら・・・)
同胞ではない、と区切る事の、それが、宗教や国籍や言語等なんであれ、区切る事の恐ろしさを如実に表す映画。
科学は今の所、最も合理的で再現性のあるツールですが、それも万能で変わらないわけではないけれど、今の所、という中腰で耐える姿勢が求められると思います。
それと、音楽が非常に印象に残った。異化効果というのか不明ですけれど、物凄く悲惨な状況を目にしつつ、音楽が荘厳で感情的で、何を観させられているのか?という不思議な気持ちになりました。
全人類が観るべき映画。だから視聴にかなりハードルが高い状況は個人的には悔やまれます。
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