井の頭歯科

最近読んだ漫画

2022年4月19日 (火) 10:50

漫画は比較的、映画を観るよりは、集中力を必要としないと思います。読み返せますし、止める事も出来る。とにかく集中力が続かないし、疲れが抜けないので、しばらくは試運転で。

「タコピーの原罪」     タイザン5著    ジャンプ+

大変局地的かも知れませんが、話題になっているコミックで、2巻で終了しているとの事。本当はwebで読めるそうですけれど、私は書籍漫画は紙派です。紙の手触りまで含めて、こちらの調子を調整出来ますから。ネタバレ無し感想としては、非常にまず、煽りが上手い。これは批判的ではなく、キャッチ―さ、流行に乗る、と言う意味で必要と思います。但し、それだけの事をするのですから、当然物語やキャラクターや絵に、それなりの責任が発生すると思います。ハレーションを起こす為にこの設定なり煽りを使う事に違和感を覚えますし、それだけなら意味がない。ショッキングを使うのであれば、そこにそのショッキングな意味だけではない責任、それに伴う説得力が必要だと思います。

しかし絵は素晴らしく上手いですし、デフォルメもポップな感覚も素晴らしいです。そして非常に流行るのも理解出来る。物語の語られるスピード、展開が早い。こういう部分は素晴らしいと感じました。

で、私はこの作品の結末や解決策、ひいてはその基になった事への言及、物語の波及が全く描かれなかった事に不満を感じますし、安易なショッキングに飛びついた、選んだ、と感じています。惜しい。もっと出来たはずなのに。こういう作品を読むと藤子・F・不二雄先生の偉大さを強く感じます。

「ミウラさんの友達」     益田ミリ著     マガジンハウス

こちらは私にとっては衝撃作だった「僕の姉ちゃん」の作者益田さんの新作です。私は姉も妹もいない世界で育っているので、本当に衝撃の作品でした「僕の姉ちゃん」。今回は本当に不思議な話しです。ですが、非常に感銘受けました。かなりの完成度と、非常に練られた脚本というか見せ方、4つの言葉の意味、友達という概念を考えさせるところまで行きます。登場人物は少ない上に、偶然という名の脚本が確かにご都合主義に見える部分もありますが、この作品のテーマはそこじゃない、と言える強みがあります。あくまで結果の為の都合であって、本来のテーマは・・・というのはネタバレに繋がるので避けておきます。どんな方にもオススメ出来る名作。

「チ。地球の運動について」     魚豊著     小学館

いわゆる地動説をどのように描くのか?という科学+歴史+宗教の漫画ですが、本当に最近の中ではかなり面白い作品でした。ただ、ちょっと後半は難しかった。たたみ方というのも非常に重要ですが、少し作者はこの作品のヒットの仕方や漫画で描く事への躊躇があったのかも、と感じる部分が後半は多々ありました。それでも、構想が素晴らしく、見せ方も非常にクレバーでイイですし、何と言っても展開の早さはここ数年の私が読んでいる漫画の中では断トツに突き抜けて早いです。ココが最も特徴あると思います。これはかなりの時間を費やして準備しないと出来ないです。だからこそ、余計にたたみ方をもっと丁寧に出来たんじゃないか?と思わずにはいられないです。しかし、そういう事を除いても稀有な驚きに満ち溢れた作品です。しかし本当に宗教とかなんでもそうですけれど、私が絶対の正義の側にいる、と思った人間ほど無慈悲な残忍さを表しますよね・・・権力がある側はだからこそ、無い側への配慮、それもある種の優しさは必要だと思いますね。それが出来ないのであれば民族浄化を肯定する事になります。それも恐ろしい。人間は進化出来てない、と強く思います。テクノロジーが進化したので、進化している様に感じますけれど本質は全然変わってないと思いますね。

「北北西に雲と往け」     入江亜季著     角川コミック

アイスランドを舞台に描かれるミステリーです。昔観た映画、フレドリック・トール・フレドリクソン監督 永瀬正敏主演の「コールド・フィーバー」を思い出させてくれる漫画です。旅行をしているかのような感覚になれるまさにコロナ禍に求められる作品だと思います。かなり突飛な作品、ファンタジー色強めな作品ではあるのですが、それだけじゃなく、非常にリアルな食事や文化を描いていて、なかなかなミステリだと思います。ま、かなりのファンタジーではあるので、その点は仕方ないと思うし、完結していないので、まだ判断保留ですけど。

くらもちふさこ原画展にも足を運びましたが、本当にときめき、だけに特化した作品が多いんですけれど、それって非常に王道で、だからこそごまかしが効かないわけで、本当に凄いと思います。特に天然コケッコーとアルファと連作+アルファは名作ですけれど、さらに駅から5分と花に染むも素晴らしかったです。

最後に漫画じゃなくて頭の中をぐるぐる回る曲を。頭の中を侵食される感覚。

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