井の頭歯科

「パリ、ジュテーム」を見ました

2013年3月5日 (火) 08:26

オムニバス映画     東宝東和

患者さんのご紹介で見てみたくなり手に取りました。オムニバス映画でして、しかも1本が5~10分弱で、それが18人の監督作品になっています。

パリの18区を舞台に、それぞれの区で、それぞれの監督が短編映画を作り上げていて、どれも非常に面白かったです。

個人的に面白いと感じたのは、地下鉄の駅での旅行者の不安と擬音をコミカルに扱ったジョエル&イーサン・コーエン監督作品「1区」、ある男が妻に別れを切り出そうとしてカフェへ呼び出したことから始まるイザベル・コイシェ監督作品「12区」、亡くなった子供に捉われ続ける母親の夢の世界を描く諏訪敦彦監督作品「2区」、パントマイム氏の日常を斬新なカットと何処か可笑しさ溢れる綺麗な映像で魅せるシルヴァン・ショメ監督作品「7区」、ちょっとしたミスリードの種明かしが心をくすぐるアルフォンソ・キュアロン監督作品「17区」、有名であることや女優であること重さと発散の乖離を見事な短編小説のように描くオリヴィエ・アサヤス監督作品「3区」、1杯のコーヒーが見させる夢のような時間と現実の鬩ぎあいの妙オリバー・シュミッツ監督作品「19区」、ああフランスとしか言いようの無い会話と関係と街を描くリチャード・ラグラヴェネーズ監督作品「9区」、盲目の青年の恋を早回しやカットを変えて映像として面白く描くトム・ティクヴァ監督作品「10区」、そして最後を飾るある女性がフランスで体験するなんでもないのにかけがえのない『その時』を捉えたアレクサンダー・ペイン監督作品「14区」です。

18本の短編作品を集めていますので、様々なパリの顔が見れますし、監督が違いますのでテイストも様々で華やかです。花の都パリ、いつかは行って見たいですね。

役者さんもかなり気になる演技でして、やはりコーエン兄弟映画に出てくるとこういう役かぁ、と唸ってしまうスティーブ・ブシェミがイイです。こういう人にシンパシー感じます。あと、やはりマジー・ギレンホールとキルスティン・ダンストの区別が私にはつかないので、映画「マリー・アントワネット」ソフィア・コッポラ監督作品のメイキングモキュメンタリーかと思いました。それからジュリエット・ビノッシュの狂気に満ちた悲しみから救われる表情や、短編作品としてはどうかと思うのですがやはりチャーミングなイライジャ・ウッド、個人的な印象ですがああ大人のフランス人女性のファニー・アルダン、笑顔が気に入りましたエミリー・モーティマー、こういうエキセントリックな役柄が自然に見えるようになってきたナタリー・ポートマンなどなど。中でも気に入ったのが最後の旅行者を演じたマーゴ・マーティンデイルです。自然な演技でこの映画の中で最も気に入りました。

どの作品もそれぞれの面白さがあって良いのですが、普通ならコーエン兄弟作品を最も好みと思うのですが、今回は最後のアレクサンダー・ペイン監督作品が素晴らしかったと思います。

パリ、という街が気になる方にオススメ致します。

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