井の頭歯科

「テイク・ディス・ワルツ」を見ました

2013年4月12日 (金) 09:17

サラ・ポーリー監督       ブロードメディアスタジオ

新作DVDコーナーに出ていたので借りてみました。結構気になってたのは主演の2人がミシェル・ウィリアムズとセス・ローゲンだったからです。映画「ブルー・バレンタイン」の演技が凄まじかったので興味湧きましたし、セス・ローゲンが関わっている映画はどれも個人的な好みだからです。

結婚して5年目のフリーランスのライターであるマーゴ(ミシェル・ウィリアムズ)と料理レシピ本のライターであるルー(セス・ローゲン)は仲睦まじいカップルではあるものの、何処か空疎な雰囲気に包まれた状況です。ライターとして記事取材で訪れたある島で知り合った男ダニエル(ルーク・カービー)と意気投合するのですが、偶然にも近所に住んでいることが分かり・・・というのが冒頭です。

恋愛モノは落とし所が難しいと思いますし、共感させる為の伏線なり仕掛けが重要だと思うのですが、そのひとつひとつが割合丁寧ではあったと思います、少しありきたりでベタでチープだとは思いますが、だからこそ共感できるというものだろうと思います。

何よりも、役者ミシェル・ウィリアムズの演技の素晴らしさが光る作品です。アンニュイな日常に檻としての閉塞感を感じていることが、言葉では全く説明されていないのにも関わらず、しかも演出だってくどいわけではないのに、演技で、表情で、気分の浮き沈みの激しさで、見事に表現されています。夫婦である2人がいちいち言葉に出し、確認している表層的な挨拶や言葉が、いかに空疎で上辺だけの間柄であるのか?というのを、また、その過程を見事に演じていると感じました。何かの分かり易いターニングポイントがあったわけではない、日々の日常の中で積み重なった様々な感情の澱のような物が現実味を奪ってゆく推移を上手く描けていると思います。

ストーリィとして、果たして良いのかどうかは疑問を覚えますし、正直予告編の切り口が正しいとも思えませんが、共感を呼ぶ作品であることは事実だと思います。そして共感を呼ぶのであるならば、是非見ていただきたいドラマだと思います。

ある意味映画的なクライマックスが終わった後を描く物語、そのストーリィはともかく、着地点は素晴らしいものがあると感じました。

ストーリィの終末、ある人物の吐露にこそ真実があると感じました、おっしゃるとおり。しかしいろいろ衝撃的な映画でした。

ミシェル・ウィリアムズが気になる方にオススメ致します。

カテゴリー: 映画 感想 | 1 Comment »
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