井の頭歯科

「THE OFFER ゴッドファーザーに賭けた男」を観ました

2022年8月23日 (火) 08:57

 

パラマウント製作     U-NEXT

 

本当に面白い、映画では出来ないドラマを10話で描いた、名作映画「ゴッドファーザー」(1972年公開)が出来るまでをプロデューサー視点で振り返る作品です。
名作「ゴッドファーザー」はこんな感じで作られていたのか!!という驚きに満ちています。
恐らく、映画が好きな方ならかなりの確率で観ていて、しかもそのほとんどの人が面白い上に格式高い、と感じさせて、なおかつ、名作と呼べる作品だと思います、フランシス・コッポラ監督の「ゴッドファーザー」という映画は。
映画が好きな方の中でも、役者が好きな方もいらっしゃれば、監督で観るか見ないか?を決める方もいらっしゃるとは思いますが、プロデューサー視点で観る作品を決める人はそう多くは無いと思いますし、そもそもプロデューサーがどのような働きをしているのか?私も良く分かっていませんでした。
プロデューサーにもいろいろなかかわり方があるのでしょうけれど、この映画の主役であるアルバート・ラディ(マイルズ・テラー)さんの場合は、本当に映画の関わる事なら、何でも行う、というタイプでして、まさに製作、という感じがしました。映画が出来上がるまでには想像以上の困難があり、そのすべてを解決、もしくは妥協の連続であり、かつ監督は作品の完成度を上げる為に無理難題を行ってきますし、製作費を出来る限り抑えたい映画会社からすれば、余分な予算は絶対に出したくない上、映画会社の親会社からも様々な難題を押し付けられるプロデューサーの胃が心配になるくらいの仕事内容でした・・・本当に想像を超えて、難易度の高い仕事だと思います。
そんなラディを支えるのは秘書であり、ただの秘書ではないベティをジュノ―・テンプルさんが演じていて、この1970年代では考えられないくらいにパワフルで頭の回転が良く、機転が利き、諦めないガッツがある素晴らしい人物を好演しています。全然知らない役者さんでしたが、この人の他の作品を是非見てみたいです。
そしてラディの直属のボス、プロデューサーとして長い年月映画界に君臨してきたロバート・エヴァンスをマシュー・グートが演じていて、この人のスーツが無茶苦茶にカッコイイし、恐らく物凄い値段をかけています・・・観るだけでわかる上質さ、まさにリッチな人間だけに許される雰囲気を醸し出していて、この人の着ているスーツが欲しい、と思わせてくれます。何でこんなにカッコイイんだよ、同じ人間には見えないです・・・そしてこの人、あのウディ・アレンの迷作「マッチ・ポイント」の、あのダメ兄貴を、ボンボンの雰囲気しか出せてないあの役者さんが!という驚きがありました。もう俳優さんの凄さには本当に驚かされます。凄く人間的にはダメな人だと思いますし、傲慢で直観的で、軽薄な上に、美味しい事には鼻が効くタイプ、おおよそ私個人が普通であれば全く好きになれない人物なんですけれど、物凄く愛嬌があり、そして誰にも負けないくらいに映画への愛があります。この2点だけですべてを許せるくらいにカッコイイです。こういうキャラクターに出会えたことだけでもこのドラマを見て良かったです。
ここに、非常にこだわりの強い、原作者マリオ・プーゾと監督のフランシス・コッポラが加わってきて、この2人がどう考えてもホモソーシャル感溢れる、可愛い馬鹿丸出しのシーンがあって、本当に最高です。
とあるランチのシーン、実際のコルレオーネ家の食事のシーンを知っているだけに(つまりもう、私は完成作である「ゴッドファーザー」を観ている!未来を知っている!)、非常にアガるシーンになっています。こういう、あ、映画のあの場面だ!を知っている人が楽しめるしかけに満ちています。
さらに、それだけでは無く、1970年代の映画界、それもハリウッドの内幕やら、映画配給会社の横のつながり、さらには映画会社の親会社との関係、そして映画を愛する人たちの栄光と挫折を味わえ、しかも、あの名作ゴッドファーザーの制作秘話なわけで、本当に面白かったです。
これまでは、私映画の決定権は監督にあって、絶対的な決定権があると思ってきたのですが、プロデューサーがどれほど重要で難しい仕事をこなしているのか?を初めて理解しました。

この作品を観た人と、いちいち名場面を語り合いたいです!!

本当に、いろいろな人々の努力の上に映画が成り立っていて、どの人も、素晴らしい仕事をした結果(特にピーター・バート!!!!!!!この人が居なかったら!!!!!そこを認めるエヴァンスがまた!!!!)が映画なんだと思うと、どんな作品であれ簡単に否定的な意見を述べる事が出来なくなります。もちろん、どんな感想を抱くのも、その人の自由。そこは譲れませんが、だからと言って、どんな作品であれ、最初から傑作になる事を決定付けられている訳では無い事、そして座組や資金が潤沢であっても、結構な駄作がいっぱい世の中には存在しますし、きっと駄作を作ろうと思っている監督やプロデューサーは1人も居ないと思っています。それでも、時間にもアイディアにも資金にも天気にも何もかもに制限があるんです。次回感想にまとめるある映画で、この事を凄く感じられました。
ゴッドファーザーを見た事がある人に、オススメ致します。

 

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