井の頭歯科

「コレクティブ 国家の嘘」を観ました

2023年7月28日 (金) 09:31

アレクサンダー・ナナウ監督   トランスフォーマー   U-NEXT
これも本当は劇場に観に行きたかったのですが、なかなか時間が合わなくて・・・
冒頭の字幕を書き写します、これが映画の最初に字幕で語られます。
「2015年10月30日 ブカレストのライブハウス ”コレクティブ”で火災が発生
 若者27人が死亡 180名が負傷した
 出口が1つしかない店が放置されていたことに怒り、
 市民は腐敗した政権を糾弾するデモを行った
 全国に広がる激しい抗議行動を受け
 社会民主党政権は退陣
 怒りを鎮めるべく指名された無党派の実務家が
 次の選挙までの1年間政権を担った
 火災後の4カ月間で更に負傷者37名が
 入院先の病院で死亡した」
というのが冒頭の字幕です・・・なかなかヘヴィーな案件だと思われます。普通、ライブハウスの責任を政権批判まではなかなかいかない気がしますので。でも、重大な火災事故の後に指導体制がどうであったのか?は重要ですけれど。
さらに、火災後4カ月の間に37名の被害者が病院で死亡しているのは、なかなかな数字だと思います・・・まず、この点が最も気になりました、どういう事なのか・・・
マスメディアの役割はかなり重要ですし、政権には批判的であって欲しいし、それは監視、抑止の為に必要ですし、政権運営側も、その批判にその都度答えなければなりません。議事録も残して欲しいし、改竄があったら、それは信用度が著しく下がると思いますね。そもそも国家権力が強すぎるから、透明性や抑止する憲法が必要な訳で、より良い方法を本当に熟考したのか?が問われて良いと思いますし、それは政治家への批判じゃなくて手続き上必要な事です。でも、感情論では難しいんですよね・・・
さらに、ドキュメンタリー作品は公平に見えて、かなり結果をコントロールできる手段だと思います。だからこの映画だけで、政治腐敗があったのか?は言及しにくいし、しない方が良いと思います。
それでも、かなりヘヴィーな案件で、凄く考えさせられます・・・
個人的に気になったのは、1年間だけ保健相に任命されたヴラド・ヴォイクレスクさんです。ジャーナリストを扱った映画作品ですが、この大臣の意思決定の場面まで、かなり近い所まで映像に収めていて、ある種、この人が最も努力しているし、改革をしようとしている ように見えました。交渉も話術も悪くないです。
逆に、抵抗勢力の、既得権を持っている側の、論点をずらしたり、民族や国家感情を揺さぶってくるのは、常套手段で、大変効き目があるモノなのだろうな、と思いました。これが簡単に効いてしまうのは、正直民度の問題な気がしますけれど、不当に外国を優先させるのか?という声の大きい人への反論は難しいだろうな、と感じました。
いつもなら、このままぐるぐる思考が回ってしまうのですが、自分的には新しい疑問があって、そもそも民度が高い国って過去に存在したのだろうか?多分かなり限定的で、それこそ古代ギリシャでさえ難しいと思います、奴隷制があって働かなくて良くても、民主的でも、です。そして、人間という動物が理知的になれるのか?疑問に思われます。民俗的かどうか?は別にしても、先の大戦すら、何がどう良くなかったのか?を自らの加害性を考慮して国民国家的なコンセンサスさえ取れていないのではないか?と思うのです。良い所もあった、アジアを解放した、とか、終戦とか進駐軍とか転進とか、欺瞞に満ちていると感じますし・・・
閑話休題
正直、小品の表示を疑う、という事はあまりない事だと思います、特に手指消毒に関するものだと、確かに薄められていても分からないかも知れません、恐ろしい・・・
で、サブタイトルの国家の嘘、が何処までなのか?が全然解明されないのがちょっと怖いです、切り方も恐ろしい・・・・
今、ルーマニアはどうなっているのでしょうか。
ルクセンブルクも近いと言えば近いですし、大変気になります。
ドキュメンタリー映画が好きな方にオススメ致します。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

ブログカレンダー
2024年5月
« 4月    
 1234
567891011
12131415161718
19202122232425
262728293031  
アーカイブ
ブログページトップへ
地図
ケータイサイト
井の頭歯科ドクターブログ