井の頭歯科

「トゥルー・グリット」を観ました

2011年4月21日 (木) 09:42

ジョエル・コーエン、イーサン・コーエン監督     パラマウント

14歳になるマティの父親が、チェイニーという父親の元で働いていた男に殺されます。マティは家族を代表して死後の手続きを行うのですが、その後、チェイニーへの復讐を心に決めていました。保安官によればチェイニーは小悪党、逮捕の優先順位は低く、待っていても埒が明きません。そこでマティは自信のあった交渉術で父親の商売の後片付けをし、そこで大金を手にし、父親の仇を手伝ってくれる男を雇うことにします。噂を聞き、その法廷での姿も見て決めた保安官はコグバーン(ジェフ・ブリッジス)、隻眼でやたらと酒の臭いがする老人ですが、腕は確かなようです。さらにチェイニーを昔から追っているテキサスレンジャー・ラビーフ(マット・デイモン)も加わり、3人は居留地に向けて旅立つのですが・・・というのが冒頭です。

正直、これがコーエン作品か?というくらい抑えに抑えた演出でした。奇抜なこと、ブラックなユーモアも出来るだけ削ぎ落としてます。ただ、だからこそストレートに、トゥルー・グリット(=真の勇気)とは何か?を、物語の産むチカラを素直にむき出しにしているように感じました。もちろんコーエン兄弟らしさが全く無いわけではなく、熊の歯医者(何のことやら分からないでしょうけれど、ネタバレ無しなのでここまでです)や、むきになる射撃の腕前競争など、ずらす笑いはあるものの、そういうシーンは非常に少なく、シリアスに、物語と向き合っている感じがしました。ある意味よくある話しと言えますし、あっと驚くような展開はありませんが、マティの物語として完結しています。明らかにコグバーンの、ヒーローの話しではなくなっています。

成長物語的な側面もあるかもしれませんが、私は少女マティの、覚悟とその覚悟を伴った真の勇気の話しと理解しました。

普遍的物語に興味のある方にオススメ致します。

映画評論家町山さんの「トゥルー・グリット」解説、動画でも見られるのですが、とても面白かったです。なるほど、と思わせる様々な予備知識が分かると確かに見方も変わりますよね。

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