井の頭歯科

「イントゥ・ザ・ワイルド」を見ました

2011年4月25日 (月) 08:55

ショーン・ペン監督       パラマウント

友人に勧められて見たのですが、素晴らしかった!

大学を素晴らしい成績で卒業、しかし両親との諍いが絶えなかったクリス。原因は両親の不仲に、見てくれだけの、世間体だけを気にしたモノでしか気持ちを表せない部分などにもあるのですが、その不満を解消するために、ある計画を立てていました。それは両親との関係を断ち切り、孤独ではありますが、個人の自由を最大限生かした生活をすること。大学時代に貯めたお金のほぼ全てを寄付し、車に乗って一路西へ。そして最終的にはアラスカの大自然に己の力のみで挑戦することを強く決意していたクリス。車を捨て、身分証を捨て、ついに名前まで捨てて、新たな男スーパートランプ(凄い放浪者)として様々な人と出会い、しかしストイックに個としてあり続けた23歳の青年の荒野への挑戦を描いた作品です。

クリスの、自律を強く求め、したたかに、そして強く自分の欲望を叶えようとする前向きな姿勢がとてつもなく爽やかでした。トルストイとジャック・ロンドンとソローを好むという傾向、そして個人の、自分だけのチカラで達成しようとする嗜好。そんな青年が様々な人々と出会うことで、まるで化学反応のように、一瞬の煌きを魅せ、そして離れて行きます。その一瞬の煌きの深さ、日常では味わえない個性的強さを持ったスーパートランプの求める幸福とは一体なんなのか。そして家族のあり方についても、非常に考えさせられます。

ロードムービーとしても、成長物語としてもレベルの非常に高い作品だと感じました。決してドラマではない(ハリウッド制作の実話を基にした という作品とは一線を画した)作品、本当に素晴らしかったです。また見たい、と思わせます。そして観終わった後にそう思わせる映画はそんない多くはありません。

映像も自然を捉えていると思いますし、この作品は劇場で観るべきでした、悔しい。役者さんも素晴らしく、旅先で知り合う人々のどの方も存在感ありました。

このスーパートランプの、ちょっと飛びぬけた徹底、そしてその意思の強さと、それでいて周囲から少しづつ受け入れる部分もあり、しかもそれを言葉ではなく態度や表情で分からせてくれて素晴らしい。非常に心を高揚させる映画でした。

私には全然無いアウトドア志向や、覚悟あるポジティブシンキングに、何か明るく、正しく、潔い強さに感銘受けました。ここまで突き詰められるのであるなら、凄いの一言に尽きますし、しかも本当にあった事件を基にしているのですから、凄い。もちろん多少脚色はされているでしょうけれど、アメリカ人である、というプロテスタントのなせる業なのでしょうか、そんなことを意識させます。

青年期を味わった方に、ストイックな姿勢に触れてみたい方にオススメ致します。

是非、原作読もうと思いました。

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