井の頭歯科

「ブルークリスマス」を見ました

2015年5月22日 (金) 08:49

岡本 喜八監督      東宝
尊敬出来る方の好きな映画監督の中で唯一見た事が無い監督だったので、岡本喜八監督作品を見たくなり、タイトルと借りられてなかった作品だったので見ました。タイトルもその場の検索で知りましたし、予備知識は全くなかったので本当にびっくりしました。
1970年代の日本。国際的な学会の席で科学者兵藤はUFOの実在に関する独自の見解を述べて学会は混乱します。同時刻、自衛隊の基地からスクランブルで飛び去った戦闘機が消息を絶ちます。また、国営放送JBCのドラマに出演の決まった新人女優である高松の報道がされる中、その高松の知り合いである木所(岡田 祐介)から気になる証言を得た新聞記者の南(仲代 達矢)は・・・というのが冒頭です。
ちょっとした群像劇な展開で幕を開けるんですが、出演者が豪華です。ロケもアメリカやフランスで実際に撮影されていますし、非常にお金のかかった大作だと思います。そして、仲代達矢さんの演技が素晴らしいです。
また、ちょい役ではありますが、とても印象的なのが沖 雅也さんです、ちょっと観た事の無い悲しい目の演技はすごみがありました。そしてJCBの局長で出演されている小沢栄太郎さんの演技もかなり良かったです。
これだけ群像劇としてスタートし、様々な流れが本筋に合流していく伏線回収はなかなか見事ですし、まぁちょっと大袈裟な感も否めませんが、見事な脚本だと思います。後半には群像劇から突然メロドラマな展開が待っています。
よく分からなかったのが天本英世さんです、代議士風のこの人物がどんな役目があったのか、ちょっと謎でしたが、その謎もまた陰謀、謀略、という意味で良かったのかも。
色彩的な意味でもラストはなかなか秀逸ですし、SFを扱った作品なのにとことんリアリズムで撮られた映画、という意味では「ソイレントグリーン」と似ていると思います。
何を「人間」だと規定するのか?を扱った作品でもあります。
SF作品が好きな方にオススメ致します。
どうやら岡本喜八監督作品では異色な扱いのようです。今度は岡本喜八監督作品の入門編である「独立愚連隊」を観ようと思ってます。
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