井の頭歯科

「ジョジョ・ラビット」を観ました

2020年2月4日 (火) 09:35

タイカ・ワイティティ監督     フォックス・サーチライト・ピクチャーズ

最初から結論になってしまいますが、物凄く凄く良かったので、是非たくさんの方に観て欲しいです。

私はたまたま時間が合ったので、吉祥寺オデヲンのレイトで観ましたが、もっとたくさんの人が観る映画だと感じました。

『愛が最強』というキャッチコピーは、響く人には響くでしょうが、だから行かないって人もいると思うので、そういう人に、声を大にして言いたいです、ベタでもあるけれど、それだけじゃない素晴らしい作品。私が、そういうベタな作品だったら全然評価出来ない、わざわざ行かない人間ですけれど、大丈夫です。

第2次世界大戦中のドイツ。10歳の小さな男の子ジョジョ(ローマン・グリフィン・デイビス)は、お母さん(スカーレット・ヨハンソン)と2人暮らしです。戦争中でドイツのプロパガンダを浴びて生活しているせいか、また孤独な為なのか、イマジナリーフレンドがヒトラーという子供です。唯一の友達ヨーキーと一緒に、少年少女を集めた軍事訓練合宿に参加する事になっているのですが、大変不安を抱えていて・・・というのが冒頭です。

最近のスカーレット・ヨハンソンは、立て続けに良作に出演していますし、もはや演技はベテランの域に達したと思います。よく考えるとすごく難しいと思われる事を、事も無げに出来て安心感があります。流石のキャリアのなせる業。
しかし何といっても今作の白眉は、ジョジョくんとその新たな友人になるエルサを演じたマシン・マッケンジーさんです。ネタバレに繋がってしまう為に伏せますけれど、とても魅力的!
そこに、友人のヨーキー役の男の子を演じるアーチ―・イェーツくんの好演も光ります。微笑ましい好演です。
さらに、サム・ロックウェルが、物語をイイ意味でソリッドにしてくれています。サム・ロックウェルさんも最近様々な良作に出演していて、まさに旬の役者さんですね。
大変ファンタジックな作品になっています。が、これは現実をさらに鮮明にするために行っている為だと私は解釈しました。ある意味ジャン=ピエール・ジュネ監督『アメリ』が好きな方ならまず大丈夫な作品だと思います。
ベタな事象を、ベタなだけで届かせるのは、とても難しいです。が、脚本を練りあげ、緻密に背景を描き、演技に注意を払って、細部にまで目を配らせた上で、最後に当たり前の事を訴えかけると響くのと同じだと思います。たくさんの本、映画、舞台、写真、絵画を観る事で、人は少しづつ細かな差異に重大な意味が潜むのに気が付けるようになると思います。落語のオチを知っていても、噺家によって好みがあるのと同じだと思います。そういう意味で、この作品は優れていると思う次第。ま、今の私には、という事ですので、めちゃくちゃ浅いとは思いますが。
案外、愛の押し売りは少ないですから、大丈夫です。
また、敬意を表する、それも全体主義的な事への同調と同意、と捉えられるある行為を、そのまま行っているのにもかかわらず、見事に笑いに変えた監督タイカ・ワイティティの凄さ、そして自らヒトラーを演じる事での突き抜け感と、あくまで役者じゃなく監督がわざわざ批判を呼ぶ役目を引き受ける覚悟は、賞賛に値すると感じました。

ジャン=ピエール・ジュネ監督作品が好きな方に、ベタなモノと距離を置いている人に、オススメ致します。

今年は始まったばかりなのに、こんなに面白い作品が多くて、時間が無いのが残念。パラサイトも今作ももう何回か観たい作品です。

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