井の頭歯科

「ファイブ・フィート・アパート」を観ました   Five Feet Apart

2025年4月30日 (水) 09:05

 

ジャスティン・バルドーニ監督     CBSフィルムズ     U-NEXT
2025年公開映画/2025年に観た映画   目標52/120   12/33
友人に勧められたので、何も調べずにそのまま観ました。
human touch(字幕ではスキンシップ)は基本的なコミュニケーション手段の一つで・・・という説明がホームビデオのような動画と共に流れて、というのが冒頭です。
いわゆる恋愛映画でした。
冒頭のスキンシップとhuman Touchの間には結構な解釈や言葉から受ける印象に幅がある気がするのですが、この映画を見ようと思ってる人には、共有できるイメージがあるかもです。私はこういうところで躓いてしまいます。
例えると、最近(2025年4月上旬)映画館に行くと必ずと言っていいほど繰り返される映画の予告に「パリピ孔明」という作品名の映画があるのですが、この単語というか造語にも同じ感覚で引っかかってしまうわけです。
パリピというのは恐らく、パーティーを好む人≒みんなで集まって騒ぐのが好きな陽気な人みたいな意味だと認識していますし、明確な定義は定まっていない可能性もあるけれど、雰囲気としては多分こんな感じですけれど、孔明は三国志演義的なキャラクターで、全然パリピっぽくない。なんなら軍師として存在している(のが短い予告編でも分かる)のですが、全然孔明はパリピじゃないのになんでこんな「パリピ孔明」というタイトルにするのかと思うのです。
なんとなく、ですけれど、パリピに孔明がついてると、その2つにギャップが発生し、そもそも続かない単語が続いた時の語彙の強さを、耳目を集める事を重要視しているからであって、孔明がパリピになったという単語から理解される意味とはかけ離れていて、要するにインパクトだけなんだな、と思ってしまうわけです。
と言う風に躓く私にとっては出だしから触る映画ではありましたが、広い心で、一応フラットな気持ちで見ました。そしてその感想です。前置きが長い・・・
割合真っ当な恋愛映画だとは思いました。まぁ凄く手垢のついたジャンル映画ではありますし、難病モノというジャンルすらある。それに恐らく、ですけれど、そしてwiki情報でも触れられているけれど、180cmは6フィートになるんだけれど、これも恐らくだけれど、語彙というか韻を踏んでいる方が記憶に残るという取捨選択をプロデューサーか監督か脚本家がしたんだろうな、とは思いますし、1フィート短くなるのは嚢胞性繊維種の患者及び団体からはクレームが来ることくらいは理解していたと思います。けど、売名行為は言い過ぎだと思いますが、この病気を患っている人たちからの感覚からは離れても致し方ない、という判断だったんだと思います。
いつもながら、受け手である私が感性の死んだ50オーバーの老人であるので、擦れてしまっているので、どうしても、結局のところ、恋愛(に限らず夢中とか自我を忘却し、理性を失った状態)というのは、当事者は思い入れがあるのでしょうけれど、外から見ていると判断力を失った状態になるので、頭が悪く見える、状態ですけれど、そういう状態を希求する人には、支持されそうな作品です。かくいう私も飲酒というカルチャーには、自我の忘却まではいかないけれど、自我の麻痺が起こるのが大好きです。多少の麻痺くらいが心地よいです。
人類というかホモサピエンスは、いつまで、需要がないにも関わらず、自分は恋愛の対象として見られたい、私も参加する権利を主張したい、と思いたいのでしょうか・・・若年層で恋愛体験がない人が憧れる気持ちは理解できますけれど、何度か経験すれば、ああ、こういったモノですね、という概観は理解できると思います。それでも、自我を忘却したいというのはあるのは理解できますが。でも、自我の忘却は恋愛じゃなくても出来るので、ね。
多分ホモサピエンスは自我を忘却することを希求する生物なんだと思いますし、そういう動物とも言える。そして若さという好奇心とか未知なるものへの畏れが感じにくいうちだからこそ、冒険できる。それが子孫繁栄とか遺伝子の乗り物としての刷り込み、なのでしょう。文化的側面もあるかも。
触れる、が出来ないというのは大変かも。そして障害が大きいほど、カタストロフィが大きい。
死が近い状態にいる、という視点は重要で、病気に限らず、生まれてしまうと必ず死ぬわけで、だからこそ生きているだけで大変だし、理不尽で辛いわけですが、もちろんだからこそ生に意味がある。
もう少し、映画だから顔を見せたいのは理解できるけれど、マスクの徹底はしていた方が良かったのではないか?とは思います。
一応、円環構造になってて、頑張ってる。色々工夫はしている。けど、キャラクターの癖が強すぎるんだよなぁ・・・
恋愛映画が好きな人にオススメします。
私の好きな恋愛映画は、結局「恋人たちの予感」でこれを超える作品には出会えなかったなぁ。そして、これはまさに年代の問題。今の人の恋愛映画について愚痴を、言いがかりをしているのと同じになってしまっているのだとは思いますが、これも素直な私の感想なので、すみません。
アテンション・プリーズ!
ここからちょっとだけネタバレありの感想になります。
未見の方はご遠慮ください。
ネタバレありの感想ですと、
言及しておきたいのは、主人公のステラの性格・・・すっげぇ面倒な人・・・物に当たるのも、ちょっとひく・・・そして親友が亡くなった後にロマンティックに浸れるの、凄い。こういう人を恋愛体質と呼ぶのだと思うし、山本文緒の「恋愛中毒」という恐怖小説を思い出しました。依存とか共依存関係は本当に恐ろしいモノだと思うのですが、それが幸せ、という人もいるのが世界。
自我の忘却、これが癖になるのだと思うし、そういう風に本能が出来ているのだがら、仕方ない。と言える人は性犯罪被害者に、同じように言えるのか?と思うのです。流石に、それは出来ないと思うんだけど。そして何が本能と科学的に言い切れるのか?をまだホモサピエンスは解明していないと思います。
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