井の頭歯科

「ドント・ブリーズ」を見ました

2019年2月8日 (金) 09:00

フェデ・アルバレス監督       ソニー・ピクチャーズ

tbsラジオのアト6という番組の『視覚障碍者たちの〈見えている〉世界とは?』という特集を聞いていてテクストに挙げられていた映画なので観ました。この特集が素晴らしく面白い特集で、知的興奮を感じました。この作品、ホラーという事になっていますけれど、すっごく上質な作りになっていて、確かに面白かったです。ホラー作品の形を採っていますけれど、上質なサスペンスでもあります。

過疎の進むデトロイト。住民も皆が逃げ出すような、ゴーストタウンのような街並みもあるのですが、3人の若者が空き巣に入っています。ロッキー(ジョーン・レヴィ)はその中で唯一の女性、リーダー各のマネーと付き合っています。実は空き巣に入っているのはもう1名のアレックスの親が営む警備会社の顧客なので、簡単に侵入出来ているのです。ロッキーは親に育児放棄されているような状況で、しかし幼い妹の為に大金を稼いで家を出たいと思っています。そんな3人組に、新たな情報が・・・というのが冒頭です。

この冒頭のシークエンスも驚異的に濃縮されているのですが、手際が良くて素晴らしい上にテクニカルです。が、それも納得でして、全編で88分!90分を切る短さなんですけれど、素晴らしくコンパクトで無駄なシーンが1つもないくらいソリッドです。しかも創意工夫がものすごくされていて、まぁこの映画はほぼ一軒家の中でしか動かないのですけれど、この一軒家の構造、何処に、何が、置いてあったのか?が最初のシークエンス(多分シームレスに1カットに収まっていますけれど、ここは編集してると思います)で理解できるようなカメラワークになっていて、しかも、それは侵入者だから部屋を一つ一つ調べるというちゃんとした動機の上で行っていて、本当に素晴らしい出来栄えです。

ネタバレなしの感想なので、詳しい事は言えないのですが、とにかく様々な画面での変化が起こります。それも、具体的にはとても理にかなっな理由があって、起こるので納得度が大きいです。見るキッカケとして視覚障害の話しをしてしまいましたし、予告映像でも出てきてしまうのでお話しすると、襲われる家の家主が視覚障碍者なんです。しかしこの視覚障碍者である事を逆手に取った様々な工夫が本当に素晴らしいのです。

映画を撮る上での工夫に満ちていて、本当に面白かったです。ホラー作品、というだけで避けてしまっていたので、キッカケがあって本当に良かったです。

サスペンスが好きな方に、オススメ致します。

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