井の頭歯科

「グエムルー漢江の怪物ー」を観ました

2019年10月16日 (水) 09:25

ポン・ジュノ監督         角川ヘラルド

ポン・ジュノ監督作品は結構観ている方だと思います。何といっても私が最初に観た韓国映画が『殺人の追憶』でしたから。もうとてつもない傑作だと思ってます。今でも、好きな映画のベスト30くらいには入ってくる映画ですし、数少ないですが私が見た韓国映画のベスト1な作品です。そんなポン・ジュノ監督の中で全然どう感じれば良いの?と思ったのが『母なる証明』で、それ以来少し離れてしまったのですが、新作『パラサイト 半地下の家族』が素晴らしいとの噂も聞こえてきたので、見逃してた今作を見ようと思い、いつものごとくNetflixにあったので見ました。本当にNetflixは有り難い沼ですね。

川岸で販売店を営む親子の息子カンドゥ(ソン・ガンホ)は周囲に馬鹿にされています。そんなカンドゥには娘が居て・・・というのが冒頭です。当然ネタバレにはなりますが、この後河から恐ろしい生物が出現します。

この生物がとても薄気味悪く、それでいて何処が足でどういう構造で、とついいろいろ観察したくなる不思議な形態をしています。さらに、これは日本だったらまさに『シン・ゴジラ』的な話しになりかねないところを、家族の話しにしてしまうのが、ある意味ポン・ジュノ的とも言えますし、ハリウッド≒アメリカ映画っぽいのですが、不思議と嫌な感じがしません。普通の家族モノですと、すごく無理に家族の形に落とし込む所が、それぞれ独立しつつ、家族でもある、ある種の違和感を抱えたまま、な部分が凄く良かったです。

とにかく、ソン・ガンホの映画は総じて素晴らしいと思います。毎回いろいろなキャラクターを演じていますけれど、毎回そういう人に見えます、この点が素晴らしいです。そして、お父さん役の人の少々オーバーな感じも良かったですし、頭のキレる弟、美人で唯一この困難から抜け出せそうな妹、が素晴らしかった。さらに、子役の凄さ、未成熟であるが、さらなる加護を求められる存在に接した時の決意を、演技できる子役、凄かったです。

父親と、長男、その娘、次男、長女、という家族が、怪獣や汚染、そして国家と対峙する話しです。そう考えると、『シン・ゴジラ』って相当変わってますよね?全然家族の話しが出てこなかったところが面白いと私は感じます。

もちろん、韓国映画なので、正直文化の違いもあって、良く分からないメタファーもありました、多分黄色いガス何らかの比喩表現だと思うのですが、良く分からなかったです。

しかし、ポン・ジュノ監督作品のクオリティは高いですね。ヘンテコな映画も撮ってますsし、このグエムルもどうして撮ろうと思ったのか?謎ですけれど、似ているようで違う、アメリカ映画の家族万歳ではない、1人1人の違いがありつつ一緒になれる構造としての家族の話しです。

ポン・ジュノ監督作品が好きな方、シン・ゴジラが面白かった方に、オススメ致します。

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