井の頭歯科

AIR MAIL

2011年1月17日 (月) 16:52

数日前にアメリカにいる患者さんから電話で問い合わせがあったのです。それは「歯を抜かなければならなくなったが、どうしたら良いか?」というものいでした。

その患者さんは生活の拠点が海外にあり、しかし海外はとても医療費が高いので、日本に帰ってきた時にクリーニングと治療を行っている患者さんのうちの1人でした。最近、こういう方がとても増えています。今回の方も、歯に痛みがあってアメリカの歯科医に受診したところ、問題の歯を特定した後に『治療した結果抜歯になる可能性が高いがそれでも良いか?』と聞かれたので、その他の可能性も含めてご相談のお電話をいただいたのでした。

たしかに、海外の治療費はとても高い場合が多いですし(アメリカもイギリスも高いですよね)、母国語ではないための意思疎通の困難もあって、なかなか受診する足は遠のくと思いますが、激しい痛みや噛めないといった問題があると、そうも言っていられません。ただ、現在の状況が分からなかったので、多少質問をさせていただくと、まず専門医ではなかった(アメリカでは、一般医と専門医に分かれています)、とのこと。歯を抜くというのはもう元に戻せない不可逆性の治療法です。どうしてもな場合であれば仕方がありませんが、その可能性を専門医(この場合、歯内療法専門医 ENDODONTIST )に診断していただくのが必要と思われました。どんな状況であっても、歯は抜かないで済むにこしたことはありません。今回は歯の中に感染が起こっている根尖性歯周炎の可能性と、歯の根が割れている歯根破折である可能性の大きく2つが考えられたのですが、この診断は難しいケースも多いですし、多少コストがかかっても、新しい歯が生えない以上(私はインプラント治療を行いますが、できればインプラント治療を選択しないで済む方が望ましいと考えます)、歯を抜かないで済むのであればより良いとお伝えしました。

AIR MAILはそのお返事でした。専門医の先生ではなかったようですが、とりあえず歯を抜かなくて済んだ、とのことでした。多少は役立つことが出来て良かったです。が、これから私はもっと気をつけなければいけません。海外に生活拠点を移す方はこれからも増えるでしょうし、その移住先の歯科事情は様々なことが考えられます。私に出来ることも限られているでしょうが、注意すべき問題であると考えさせられました。とにかく抜かないで済んでよかったです。

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