井の頭歯科

「ブラック・スネーク・モーン」を観ました

2021年9月24日 (金) 09:19

クレイグ・ブリュワー監督     パラマウントヴィンテージ

またまたまた、また映画好きの友人のオススメでもうすぐU-NEXTで観られなくなってしまうので、なるはやで!という指令があり、全然知らない作品を、もう何だかワカラナイけれど、この方のオススメなら観なきゃ、という条件反射になりつつある動きで、見ました。結果、観て良かった!

現代のアメリカ、恐らく南部。あるカップルが別れを惜しんでいるのですが、どうやらロニー(ジャスティン・ティンバーレイク)は軍隊に入隊するようです。彼女であるレイ(クリスティーナ・リッチ)は悲しみに暮れているのですが・・・というのが冒頭です。

冒頭の冒頭に、おそらくブルースの有名な方の、ブルースとは何か?という言葉が差し込まれるのですが、恐らくこれがテーマだと思います。男女の愛、それがブルースなのだ、というのですが、それだけではなく、そこに赦し、もう1度関係性を結べるのか?そして克服する努力を払えるのか?というのがテーマだと思います。凄く、難しい問題ですが、ここに流石アメリカ、プロテスタントが作った国だけに、やはり神が存在するのです。

南部のアフリカンアメリカンとして生きるだけでもかなりのハードモードだと思いますが、ここにもう1名の主人公であるラザラス(サミュエル・L・ジャクソン)は、理由は不明ですが、妻が家を出て行こうとしています。推察するしかないのですが、恐らく敬虔な信徒の生活に疲れたのだと思います。敬虔な信徒としての生活を守りたい、しかし妻はその生活をしたくない、という人格が二分されるようなジレンマに陥っています・・・

ココに至り、とある事件から、ラザラスはレイを介抱する事になるのですが、この苦難を、ラザラスは神から与えられた試練と捉えて、進んで自ら、対処しようとするのです。

この神が試練を与えて試されている、という考え方の持つ恐ろしいまでの作用を考えると、宗教の持つ恐ろしさを考えずにはいられません。良い方に働く分には善き事で済みますが、悪に対しても同じ事をしていた事は歴史が証明していますし。特にプロテスタントの中でもカルヴァン派は既に神のノートには結果が記されている、という考え方すらありますし、なかなか難しいですね。

ただ、私個人は神の存在を証明も、神の不在の証明も出来ませんが、基本的には過酷で不条理溢れる世界を生き抜くために人間が考え出した存在だと、今の所は考えていますし、宗教がある事で人間が(科学文学芸術音楽すべてひっくるめて)進化進歩してきた事実を認めた上で、宗教を乗り越える事が出来るような気がします。神が言っているのではなく私自らが善き事として選択している、覚悟を持った選択であるしその結果を受け入れる努力を払う気持ちがある、という事なのですが、もちろん抗ったりもします。もし神がいるのであれば、理由はなんにしろ、余りに過酷過ぎると思います。しかし宗教を軽視するのではなく、尊重しますし、だからこそ無神論者も同じように尊重されるべきだと思うだけです。

サミュエル・L・ジャクソンが凄く渋みのある、大人であり、大人であり続けたい、責任や結果を引き受けたい、という強い意思を持ったしかし苦悩する男を熱演しています。ギターは演奏しているのか?不明ですけれど、素晴らしい。

あ、もちろんこの映画でも、いつものサミュエル・L・ジャクソンのセリフを聞かしてくれます。なんだこのスタンプラリー感は。

クリスティーナ・リッチ、多分初めて認識しましたが、この体を張った演技の説得力と、何と言いますかキツイ現場だったと思います、結構裸足であるかされますし・・・最も難しい演技とも言えますが、役者さんってスゴイですね。

黒い蛇の蠢き、欲望とか邪な考えとかなんでしょうけれど、そりゃ若いと難しいですし、年を取っても抗う事の難しさを覚えますね・・・

あ、この映画の中の最も大きな被害者はリンカーンだと思いますね・・・凄くトラウマになると思います、怖かったとしても、楽しかったとしても。

人間の業について考えてみたい人にオススメ致します。

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