井の頭歯科

「犬王」を観ました

2022年12月26日 (月) 09:23

 

湯浅正彦監督   アスミックエース   U-NEXT
2022年見逃し後追い作品 その4
天才・湯浅監督作品を劇場で見逃してしまったのは本当に良くなかったです。これは劇場で観るべき作品でした・・・
車が行き交う交差点を低いアングルで捉えていたと思えば、カットを割る毎に時代が遡っていきます。時代は南北朝。壇ノ浦で海底に沈む平家の遺物を掘り出して生計を立てる男の息子ともな(森山未來)は・・・というのが冒頭です。
湯浅監督作品は何と言っても「マインド・ゲーム」が最高傑作だと思うのですが、今作も湯浅監督のアバンギャルドな、非常にエッジに効いた演出効果が、音楽、アニメーション、色彩、動きといった様々なモノに趣向凝らされて演出されていて、とても面白かったです。
アバンギャルドというよりはサイケデリックという事なのかも知れません。そして前衛的というよりは湯浅監督っぽさとでも表現出来る、個性として感じられます。
しかも今作は歌と踊り、それも舞台芸術に対して主眼が置かれていますので、どうするのか?と思ったら、非常に振り切った演出、これはこれで凄い!と思いました。
でも、今作で少し気になったのは、コリオグラファーは誰なのか?という点です。
非常に、はっきり、モーリス・ベジャールの「ボレロ」から取ったと思われる動きがあったのと、そこかしこにバレエ的な演出がされていて、理解はできるし現代的な事にする意味も分かるけれど、この振付はだれが行ったのか?気になりました。凄くH・アール・カオスを彷彿とさせる演出もあったように感じました。誰がこの動きを振り付けたんでしょう・・・
ストーリィとして、飲み込みにくい部分結構ありましたし、手塚治虫の「どろろ」みたいな設定は果たして良かったのか?とかも気になりますし、ラストの決断もなんか微妙にしっくりこない感覚もあるんですけれど、この冒頭はきっと「幕末太陽伝」のアレですよね。
湯浅監督が好きな方に、あと、出来ればダンス、舞踏に興味のある方にオススメ致します。

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