井の頭歯科

「聖なる証」を観ました

2022年12月28日 (水) 09:13

 

 

セバスティアン・レリオ監督     Netflix
2022年見逃し後追い作品 その6
映画のセットの前で急に話しかけられる、凄くメタ構造の効いた出だしです。1862年のアイルランドの田舎に絶食して生きている11歳の少女アナ(キーラ・ロード・キャシディ)が聖者と認定されるか?が争われていて、そこに看護婦としてリブ(フローレンス・ピュー)が観察者として派遣され・・・というのが冒頭です。
凄くヘンテコリンな映画ですけれど、まっとうな作り方をしています。非常にお金をかけ丁寧に作っているのに、見せ方がヘンテコリンです。その意図も分からないでは無いのですけれど、何と言いますか、めちゃくちゃ女性が当時陥っていた世界を救う話しです。
宗教が実際にまだ権威を持っていた時代の終わり、科学の進歩が著しくなり、世界のありようを『神様』を介さないで説明出来る、ようになりつつある時代、聖者という極めて宗教的な証を科学からも認めようと試行錯誤している世界のように見えました。
そして、非常に女性にとって世界がもっと苛烈に生きにくかった時代で、その意味でとてもクエンティン・タランティーノ監督「Once Upon a Time in… Hollywood」的な作品です。エンターテイメント性は無いにしろ、女性にはもっと響く作品かも知れません。
ですが、個人的には、結構乗れないところもあって、とても感情に揺り動かされる、それも個人の、自分の過去の個人的出来事が、動機になっていて、その部分が、私には飲み込みにくさであり、恐らく女性からは、だから重要、という部分が評価が分かれるポイントなのでは無いか?とも思えました。
とにかくフローレンス・ピューと、初めて観るキーラ・ロード・キャシディの演技合戦が凄いです。この作品をロバート・エガース監督作品「ウィッチ」みたいにしないところが良かった部分でもあり、だからこそ動機が重要な気がしますけれど、そこが飲み込みにくかった(私には)作品です。
女性の人にオススメ致します。
ところで、リブの舐めていた薬?はなんだったんでしょうね。

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