
2025年もいろいろお世話になりました。
まさか2025年の年末まで生きているとも思わなかったのですが、まぁ明日だってそうなんですけれど、本当に不思議です。毎日生きている事に感謝と新鮮な驚きがあります。これが老人力©赤瀬川源平です。どんどん老人力が付いてきていて、我ながら驚きです。私は身体的老化の速度が本当に早いです、適性が高いんだと思います、老化に対して。そして残念ながら精神的な成熟が、全く起こらないので、本当に哀しいのですが、仕方ないです。
なんでこんな気持ちになるかというと、今年は、いやさ、今年も、敬愛する、尊敬できる、大好きな、巨人が亡くなられてしまっているからです。デヴィッド・リンチ、ジーン・ハックマン、小林じんこ、ダイアン・キートン、ウド・キアー、そしてロブ・ライナーに、何と言っても驚愕なのが仲代達矢・・・こんな偉大な方々と比べるわけでは無いですけれど、この方々がご存命のうちに何も返し出来てないのに、のうのうと生きてる事が申し訳なく感じたりします。
今年は映画館では28本しか映画が観られなかった、残念、配信とかDVDとかで全部で135本観れました。まぁまぁな数字です、私の能力の低さからしたらこの辺が限界。
結果
理由は説明出来るけれど、あえてしないけど、ワーストを挙げておきたい。
かなりヒドイ映画だと個人的には思います、好きな人多いけれど、それって本当にどうなの?と思いますし、人には人の感想があり、好きな作品もあるけれど、嫌いな作品も同じようにある。
ワースト第3位 Wicked: Part I
普通に駄作でこれ以下はもうないと思っていたが、3位ですよ・・・伝わらないと思いますがSWⅨの後の世界に生きてて、これは無い。
ワースト第2位 国宝
国宝って、なんだか知ってますか?調べたらいいですよ。
ワースト第1位 近畿地方のある場所について
これ本当に映画なんですかね
普通に真剣に観た結果です、当然好みの問題もあるけれど、好みとか以上に、これでいいのか?本当に?と思う事多かったな。多分私の心が狭いからなんでしょうけど。
2025年日本公開映画 極私的ベスト10
第10位 Anora
ショーン・ベイカー監督作品は全然観てないし、なんなら自分の好みとはちょっと違う気がします。それでもこの作品を新宿ピカデリーで観たのは、直前に今年のワースト3位に入る映画体験があったからで、あまりにこのまま帰る気持ちになれなくなり、この作品を続けて観た経験もあって、普通に鑑賞するよりもハードルが低くなってたからもありますが、何より一緒に劇場で観ていた方々(ちなみにほぼ満席)が、中盤の、あのドタバタ劇から捜索が終わるくらいまで、こんなに劇場で笑っていいの?というくらい体感でお客さんの8割が、声を出して、笑っていたからです。こんな体験は後にも先にもありません。なんというか、お笑いのライブを観ているくらいに(すいません、よく考えたらお笑いのライブに言った事が無い・・・想像上のお笑いライブ体験とお考えください)皆が声を出して笑っていたからです。私が映画館で体験してきたこれまでで、映画館の中では静寂に!というのがマナーですけれど、そんなマナーなんかみんなが同じように笑ってたら意味が無くなる、という初めての体験でした。多分この先も日本の映画館でこんなに笑いがこだまする事は無いと思ってしまうくらい、大爆笑の渦でした。座席が揺れるくらいですよ。凄い体験でした。映画も楽しかったし、脚本はイマヒトツですけれど、それ以上に映画のパワーを感じました。だってこんなに笑ってる劇場は私の映画体験では稀有だったので。
第9位 One Battle After Another
今年普通にオススメ出来る映画で言えば、間違いなくほとんどの人がこの作品を挙げると思います。それくらい全方向的に面白く素晴らしい作品。本当に良い映画でした。だから普通この作品が1位なんです。でも、これを上回る映画に出会えている事に感謝。しかし本当にPTAは映画上手い人。そしてトマス・ピンチョン早く読まなきゃなぁ。それと、ディカプリオは本当に凄い役者になりましたね、出てきた時の「ギルバート・グレイプ」も凄かったですが、ずっと最前線で様々な監督と組んでいて、ちょっと凄すぎますね。同時代に生きていられて嬉しい役者さんの一人です。
第8位 敵
ちょっとどうかと思うくらいに、長塚京三が素晴らしい作品。モノクロで大正解ですし、なんなら2回も観ちゃいました。正直、この映画の前半の生活を営みたい。恐らく私の考える全ての羨ましいが詰まった作品でした。しかし、長塚京三でさえ、いやさ筒井康隆でさえ、男性という生き物の悲哀、リビドーに支配されてしまうの、悲しいし、50オーバーのリビドーってただ苦しいだけなんだと思いますが、そこからも自由になれないの、生き物として仕方ないとはいえ、哀しいですね。キャスティングも最高ですし、なんならこういう最後も憧れるけど、何にもない人もいますよね(私)。
第7位 トワイライト・ウォリアーズ 九龍城寨之圍城
これもエンターテイメントに振り切った作品ですが、その振り切り方は、ちょっと突き抜けてまして、今年観た映画の中でも最高峰です。役者さんたち全員が素晴らしかった。特に最初の床屋のシーンはどうかしてる。あそこで心を鷲掴みにされました。アクション映画にはあまり興味が無い私でも、これは凄い。ただ悪役がちょっと強すぎる気もしましたが・・・香港映画にはまだまだ頑張って欲しいです。
第6位 ウォレスとグルミット仕返しなんてコワくない Vengeance Most Fowl
やはり、この作品は外せない!クレイアニメの決定版です。今作も素晴らしかったけれど、そして本当に気の遠くなる作業を行っていただいているのに、本当に言いにくいんだけど、今年の新作映画の中でも6位なんだけど、「ウォレスとグルミット ペンギンにきをつけろ」のアクションの驚きには勝てなかった気がします。それくらい私はペンギンにきをつけろのアクションシーンが大好きです。列車シーンの驚きの機転、本当に面白いですし、グルミットが本当にカワイイ。結局この映画見た後に、何度も見ちゃいました。
第5位 KIM’S VIDEO
恐らく映画が好きな方ならやられてしまう作品。だって映画を、ビデオを救う話なんですよ。しかも、大物スターが大活躍するんです、そして様々な過去の傑作を、映画館で、観れる。この興奮はちょっと無い。私の大好きなジョエル&イーサンも出てきて最高。
第4位 The Apprentice
ドナルド・トランプという人物がどういう人なのか?コテンラジオのリンカン編も聞き、そして馬鹿にしない、というコンセプトや考えやその重要性を理解しても、権力に忌避があるにしても、それでもなお、どうなの?と思ってしまう人物の前日譚を知る事ができたのは良かったですし、何よりもロイ・コーンという人物の恐ろしさを知ることができたのは良かった。続けて観た「ロイ・コーンの真実」という作品がさらに色々補強して来れたのですが、本当に恐ろしい・・・そして、トランプを知ってしまった世界は無かった事にならないので、次はもっと酷くなるんでしょうね・・・
第3位 みんな、おしゃべり!
この作品はラジオのアフター6ジャンクションを聞いてなかったら観に行けなかったです。世の中は本当に広いですね。エンターテイメント作品に仕上がっているのが本当に尊い。観ている間はかなり笑ってしまいますし、微笑ましい映画。そして観終わった後に、とても考えさせられる。コミュニケーションってどんな人にも必要な能力で、まぁこれが低くて困る事が多いのですが、だからこそ勉強が必要。アップデートが必要なんです。もし、アップデートしない事を保守と言っているなら、それは保守じゃないのではないか?封建主義なんじゃ無いのか?とか思ってしまいます。役者さんも最高でしたが、主演の長澤樹さんの魅力、ちょっと飛び抜けてる。
第2位 銀河特急 ミルキー☆サブウェイ
私にとっては2025年は銀河特急ミルキー☆サブウェイを観た年として記憶される事になります。それくらい衝撃度、中毒性の高い作品です。1話3分ちょっとの12話で完結のYoutubeで見られる動画なのですが、アニメーション作品として観たことがない、大変にフレッシュな作品です。本来ならこれが1位なのですが・・・
第1位 I Saw the TV Glow
基本的に恵まれた時間を生かさせていただいている、と思いますが、それでも世界と自分の断絶を感じない日は無いでしょう。大変に哲学的な映画、とも言えますし、わからない人には、わからない映画だと思います。しかし分かる人には、分かる。多分、わからない人は幸せだからこそ、です。気づかなくて正解かも。だが、気づいてしまった人には、無かった事にならない。だからこそ、個人的な映画。しかもデヴィッド・リンチの遺伝子を持っている。そして、なのに、優しい。そう、よく考えると、ポジティブではありつつネガティヴを通り抜けない限りポジティヴになれない私には、私にしか受け取れない何かを受け取ってしまって喰らった作品です。だからこそ、みんな、おしゃべり!とも繋がる映画。この映画の冒頭に、アスファルトに書かれている、この言葉がまさに私にとっての救いであり、その時を選ぶ事が出来る、それが自由というものでは無いでしょうか。There is still time
それ以外にも、ひゃくえむ。も素晴らしかったですし、プレイ・ダーティも間違いなく最高の映画体験なんですけれど、今の気分だと、このランキングです。
蛇足
イーストウッド監督作品は好き嫌いがいろいろありますが、何度見返しても、この作品を超えられない気がします。私のイーストウッド最高傑作です。
来年もよろしくお願い致します。





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