井の頭歯科

「荒野にて」を見ました

2019年12月4日 (水) 09:20

アンドリュー・ヘイ監督     A24

2019年見逃し後追い作品 その8

今信頼できる製作、出資、配給会社であるA24が配給していて、しかも予告編が大変美しかったので手に取りました。

チャーリーは15歳、父親と2人暮らしだが、かなり生活が荒廃している上に、父親がまた大変困った感じだが、しかしそれなりに対処する毎日。しかし、ある日、父親の浮気相手の旦那が家に来て・・・というのが冒頭です。

大変キツい現実を描いた作品でした。

チャーリーには、恥じる、という大変日本的な感覚があり、単純に施しを受ける事に違和感を抱いています。

もちろんチャーリーの行動の全てを、許容する事は出来きません。

しかし、誰にでも経験があるであろう、責任を負う、という社会的な義務を果たせる前に、社会との断絶があり、繋がりが大変希薄な状況に陥ってしまう・・・あなたにも、私にも起こりえたかもしれない出来事を扱っています。

その際に、チャーリーの社会との繋がりをかろうじて感じたのは、美しい馬だけだった事の悲劇性を丁寧に扱った作品。

美しい、とは何か?を扱った作品。

そのラストまで含めて、大変美しかったし、チャーリーの場合はそれでもまだ救いがあった事に、安堵を感じますが、そうでなかった場合も事を、やはり悲しみを感じずにはいられません。

スティーブ・ブシェミが、大変素晴らしい演技をしてくれています。

美しいモノが好きな方にオススメ致します。

2019年に観た役者さんの中で、最も厳しい姿を見せてくれたと思います、主役のチャーリー・プラマー、名前を憶えておこうと思います。

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