井の頭歯科

「エレクション」を観ました

2020年7月14日 (火) 08:46

ジョニー・トー監督       ツイン

香港がどうなってしまうのか?気になってます。そこで、香港の監督ジョニー・トーの代表作でNetflixにあったので。2部作の1作目です。

中国香港に長い年月裏社会を統治する組織、和連勝会の会長は2年に1度の選挙で決められています。警察組織もこの事を理解しており、抗争を避けるべく行動を取るのですが、手荒いディーと冷静なロクの間で後継者争いが揺れていて・・・と言うのが冒頭です。

これはまさに香港映画の記念碑的作品で、大学時代に先輩の家で観た(ああ、私が1年の時のキャプテンT先輩、お元気かなぁ・・・オフコースと中島みゆきと「男たちの挽歌」が大好き、というアメフト部としてはかなり変わったキャプテンでした)「男たちの挽歌」的な香港ノワールじゃないですか!

「男達の挽歌」は、最初、大変ハードボイルドを煮〆たような作品に感じていましたけれど、その後見返すうちに大好きになってしまいました。うん、こういうのもアリだと思いますし、特色です。そもそも「男たちの挽歌」は深作欣二監督の「仁義なき戦い」に影響を受けているでしょうし(死んだ人物の兄貴とか弟とかが次作で出てきて、死んだ俳優が同じ役柄を演じるとか)この辺は入り組んでますよね、オマージュとかいろいろなレベルであると思います。

そんな香港ノワールの担い手と認識していながら、1作「愛に目覚めて」という異色刑事ものしか見ていないので、なかなか手が出なかったのですが、ノワールが観たくなって手に取りました。

とにかく、役者さんの顔の個性派がたくさん出てきて、しかも、それをニックネームのごとく用いるのが、これは翻訳でなされた行為なのか、そもそも原語でも言われているのか、確かめられなかったのですが、凄く良かったです。

とても手荒なディーをレオン・カーフェイが演じているのですが、どんどんソン・ガンホさんに見えてきます。それくらい良かったとお考えください。

相対するロクを演じる方も凄く良かったと思いますが、それ以外の構成員の顔の個性の強さが、大変際立ちます。何しろ結構な数の役者がどんどん出てくるのですが、そのどれも強烈なキャラクター性を、顔、で表現出来てしまっています。これはなかなかにスゴイ事です。

また、ノワールならではの、顔にかかる影、表情の読み取り難さを与えつつも想像の余地がきちんとある、この構図も伴った影の使い方が非常に上手いと感じました。

なるほど、ジョニー・トー監督、見て良かったです。続きも早いうちに、と、言いつつ、また2年間、歯科医師会の役職に就く事になりました、しばらくは映画を観る事が難しくなると思います・・・

ノワール映画が好きな方に、オススメ致します。

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