井の頭歯科

「The Power Of The Dog」を観ました

2022年2月25日 (金) 09:31

ジェーン・カンピオン監督     Netflix

そういえば初めて観る監督です。名作と言われている「ピアノ・レッスン」も未見ですが、本当に映画ってたくさんありますし、全部は見れないですよね・・・ただ「ピアノ・レッスン」はネタバレを知ってしまったがために見ていないのですが、こういうネタバレを知ってしまいやすい、というのは今の情報社会だと割合遭う事なので、自衛するしかないのですが、過去作だと割合やられてしまう事があります。私も気をつけているつもりですが、多分細かな部分で気がつかない事もあるかも知れません、もっと注意を払わないといけないですね。

それと、個人的な話し(もうずっと個人的な話しでしかないのですが)で恐縮なんですけれど、幼少期に浴びるように西部劇を観させられ続けたおかげで、立派なアンチ西部劇になりました・・・やはり、甘いモノでもテレビゲームでもなんでもそうですけれど、我慢させ続けると反動が大きいですし、刷り込みが強いと反面教師にしがちです。私は勧善懲悪モノがどうにも好きになれなくて、そんなに単純な世界は嫌だし、凄く複雑な世界で混沌としていると感じる毎日なので、より好きになりにくいのかも知れません。

だいたいにおいて西部劇は1990年の作品「ダンス・ウィズ・ウルブス」までは勧善懲悪の作品がほとんどだったと言い切っていいかと思います。もちろん例外もあるのでしょうけれど。それに西部劇って時代としてそんなに長い間の話しじゃないです。かなり短い多分30年間くらいの話しなんですよね。それにインディアン(えっと、もちろんネイティブアメリカンが正しい呼称でしょうけれど、過去作品の中でははっきりとインディアンという呼称を使っていた事を指して使っています)という悪役がいて、はっきりと、ほぼ完全に、悪役としてしか出てこないのも、非常にイヤな気持ちになるわけです。同じ人間なんですけれど、めちゃくちゃ野蛮人のような描かれ方しか、しないのが。これがメキシコ人でも同じでして、名作と言われる事が多い「荒野の七人」とかのメキシコ人の描かれ方は、当時としても流石に・・・という気持ちになります。また字幕が嫌いという事もありたどたどしい英語を話すのが、さらに・・・

前置きが長くなりましたが、そういう偏った私の感想です。

1925年のモンタナ州。「父が死んだとき、僕は母の幸せだけを願った」というナレーションに続いて。フィル(ベネディクト・カンバーバッチ)は大牧場の経営者で兄。弟のジョージはその兄に逆らえない性格なのですが・・・というのが冒頭です。

章立てていますが、別に区切らなくても、という感じはしました。

基本的に、これまでの西部劇というスタイルに新たな視点を持ち込んだ作品、という風な意図を監督が持っている、と感じました。感じましたが、いささか既に、古くなってきていると思います。もはや西部劇だろうが、何でもありの状態と言って良いですし、それこそ観てないですしあまり食指が動かない「ブロークバック・マウンテン」なんかもそうなんですけれど、なんか違和感があるんです。

基本的に性的嗜好がどうであったとしても、どの時代にも、多分どんな国や文化でも、いらっしゃったとは思います。そしてある意味隠れた存在ではあったと思います。

でも、それが、映画、本、などのテーマの題材として扱われるのであれば、その意味が何かしらあるのであれば、扱う意義がありますが、今作は、正直あまり感じられませんでした。取ってつけた感じなんです。

多分、マチズモの中の、という事なんでしょうけれど、なんか上手くない。

カウボーイの仕事は、それは大変厳しい肉体労働ですし、マッチョな世界でしょう、マルボロの宣伝でよく見る、アレだと思って間違いないです。でも、その世界でも、様々な性的嗜好の持ち主が当然、います。

それが凄く極端。しかも極端に極端を重ねる、極端な例を持ち出しているので、いかがなものか?という感覚を感じました。

決して悪い映画ではないけれど、さして良い、という感じでも無かったです。

ベネディクト・カンバーバッチが好きな方にオススメ致します。

しかし、まさか、とは思いましたが、ロシアがウクライナに侵攻・・・本当に信じられないですが、第1次世界大戦の時も、長引くとはだれも考えていなかったので、凄く怖いですね・・・

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