井の頭歯科

「回路」を観ました

2025年6月4日 (水) 08:50

黒沢清監督     東宝     U-NEXT
2025年公開映画/2025年に観た映画   目標52/120   16/46
友人のオススメで観ました。黒沢清監督の2000年の作品。キュアが1997年の作品ですけれど、キュア、全然古びない映画ですね。さて、回路はどうでしょう・・・
船の上で遠くを見つめる人物の背後をカメラは捉えていて・・・というのが冒頭です。
そして、今作も、ビニールのカーテン出てきますし、今回は精神の話しというよりも、幽霊、です。
未知なモノ、それだけで恐ろしいとも言えます。ですが、社会や生活に定着してしまうと怖くなくなります。分かりやすく言えば、江戸時代の末期に入ってきたカメラ、写真という技術は、原理を説明出来るけれど、当時の人は魂が抜かれるだの、3人ので撮影した時は真ん中の人が危ないだの、こういう都市伝説というか適当な責任を取らないで相手を脅す言動をとったものです。とくにテクノロジーやサイエンスに未知な人に多い現象なんでしょう。
2000年だとまだネットの意味がよく分かって無かったからこそ、成り立つ話し。2025年の今だとAIについて、そんな感じなのかも知れません。シンギュラリティポイントが訪れれば何でも解決できる、と思っている人や、機械が自我を持ち人類を抹殺しにくるとか、いろいろですけれど、これは分かってない、使いこなせていない、未知のモノだからだと思います。
黒沢清監督って、とにかく世界の終末が大好きで、そこに如何に至るか?で話しの導入が違うだけな気がします。ですが、私も世界の終わりってとても興味があり、そこにSF的な理詰めがあるとさらに好みになるのですが、黒沢監督は、終末の見せ方、本当に上手いと思います。
さらに、今作は黒沢清映画キャストが大集合しています。そこも見ものです。
麻生久美子さんってこんなにオーラ出ないんだ、という感覚もありますし、武田真治さんも、この違和感凄いと思いますが、何と言っても主演の加藤晴彦さんの普通さ、その根拠なく抗うまともさが面白かったです。
ビニールカーテン、廃工場、拳銃、本当に大好きなんですねぇ。
黒沢清監督作品が好きな方にオススメします。

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