井の頭歯科

「ガール・ウィズ・ニードル」を観ました     The Girl with the Needle

2025年12月12日 (金) 08:57
https://www.youtube.com/watch?v=kEaffvQMY4g
マグナス・フォン・ホルン監督     NORDISK FILM     U-NEXT
2025年公開映画/2025年に観た映画   目標52/120   45/124
劇場で観たかった作品ですが、どうしても行けなかった・・・のが、やっとU-NEXTさんに来ました。
モノクロの濃淡の絵と画角と役者と美術が融合していて素晴らしい作品。
第1次世界大戦末期のデンマーク。凄く象徴的に、人間の顔に注目されるコラージュがモノクロの光と影で展開されて・・・というのが冒頭です。
基本的には何も知らないで観るのがベストだと思いますし、割合近いのはもしかするとロバート・エガース監督の「The LIGHTHOUSE」かも知れませんが、もっとリアル寄りですし、もっと業の深い話しです。ファンタジー要素無しと言えるでしょう。
戦争の銃後ではこのような世界が広がる可能性の話し。
演者のヴィック・カルメン・ゾンネさんとトリーネ・ディルホルムさんは物凄く良かったですし、主演ヴィック・カルメン・ゾンネさんの瞼の開き具合、凄くこの映画に合ってる。
また、美術、それも町、道、服装、生活用品まで凄く作り込まれてて、これは凄かった。
そしてタイトルのNEEDLEをどう捉えるか?も気になります。
基本的に女性の方にオススメします。
で、普通は終わりなんですけれど、これネタバレ無しで話せる事が無いですし、予告とはかなり違った印象が残る作品。
アテンション・プリーズ!
ここからはネタバレありの感想です、未見の方はご遠慮くださいませ。
私はこの主人公カロリーナにあまり同情的になれなかった。そういうものだ、そしてホモサピエンスとしての行動はそうだ、というのは理解出来るけれど、謎が謎のままに残る部分と、意図的にそうだと飲み込める部分と、脚本としてのご都合が絡んでいて納得出来兼ねる部分があります。
この辺がリアルとも言えるし、もう少し何かしらの目配せに私が気付けなかった可能性もあるので、この後ネットで読める感想を見て回ると思います。
それは夫が手紙を返さなかった理由、そしてカロリーナに会いにくるタイミング、です。もう1つ2つあるんですが・・・・
まず手紙を返さなかった理由ですけれど、凄惨な怪我からの精神状態という理由はなんとなく理解出来るんですけれど、このタイミングがちょっと合致し過ぎてて気になりました。突然の訪問じゃなく、手紙でも良かった気がしますし、仮面の怪我の描写もあまり好ましくなかったように感じましたし、結局それだけで、この夫の存在があまりストーリーに絡んでこないのも、もう少し寄せられるのではないか?とも思いました。
それと、実在の人物でもう少しシリアルキラー的(というのもデンマークのwikiでもどうにもはっきりしない、生活の為なのか欲望や嗜好なのかも判然としないので)ダグマー・オーバー・バイの存在からの着想みたいな作品で脚本なんですけれど、里子探しというのは上手い設定だと思いますし、カロリーナとの共犯関係という意味で上手いのですが、娘(?)のエレナとの関係性も微妙に気になります。
エレナは恐らく母(?)ダグマー(役名:演者トリーネ・ディルホルム がまた演技上手い!)の所業を観ているし認識して、カロリーナからの授乳が受けられなくなる存在である新たな里子を圧迫するわけで、既に行動に出ている。その子を引き取るラストのカロリーナの感覚も、法廷での目配せ、あなたを告発しない代わりに、頼む、という事なんだろうけれど、新たなダグマーになりそうで怖いし、なんなら何故ダグマーがエレナだけを特別扱いしたのか?も気になります。
そしてエーテル。恐らく麻薬的な常習性のある薬物なんでしょうけれど、これも扱いにもう少し何か理由が欲しかったなぁ。
と言う感じで謎は残るし、整合性も気になる部分はあるのですが、確かにイイ映画でした。
NEEDLE、お針子とかあみものの棒とか心の中の刃とかいろいろ暗喩含めてあったけど、これだ!という解釈がまだ見つからなくて考えてしまう。
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