井の頭歯科

「A GHOST STORY/ア・ゴースト・ストーリー」を観ました     A Ghost Story

2025年12月24日 (水) 09:36
デヴィッド・ロウリー監督     A24     U-NEXT
2025年公開映画/2025年に観た映画   目標52/120   50/131
年末押し迫ってきました・・・で、なんとか目標達成まであと2本という所まで来たのに、なかなか新作観に行く事が出来ません・・・
身体的に疲れが溜まってきていて、元気が出ない。そんな時に蓮見重彦先生が書籍の中で大変に褒めていた、デヴィッド・ロウリー監督。ショットが素晴らしいらしく、私は蓮見重彦先生とは別人ですし、映画の勉強なんてしたことないので、どう感じるのか?と思ってU-NEXTさんに遭ったので観ました。
どうしてコレ公開当時に観なかったのか?というくらい気に入りました。何も知らずに映画館で出会いたかった。
そしてホラー作品、という事になっているけれど、これ、どちらかというと、ファンタジーな作品なのではないか?と思います。
古い一軒家に住む男(ケイシー・アフレック)と女(ルーニー・マーラ)は・・・というのが冒頭です。
なんでファンタジー映画として、美しい映画として、宣伝しなかったのでしょうか・・・間違いなくホラー作品では無いと思うのですが・・・
これは幽霊の話し、です。タイトルの通り。そしてその幽霊は、人が死んだあとの残留思念のようなモノです。
ですから現実世界とは別のルールがある。
そのルールの中で、出来る事が大変に少ない。なんなら見る事くらいしか出来ないのですが、そのルールすら、幽霊も、観客も、ワカラナイ。
その分からなさ、を理解していく映画なので、エンターテイメントではないし、能動的に、観客が、面白さを掘り出さなくてはならないタイプの映画ですけれど、掘れる人には大変に刺さる映画だと思います。
恐らく、ちょっと観た事が無い低予算映画でしょうし、技術的にも難しい場面は少ないと思います。
ですが、俳優は豪華。ここにお金をつぎ込んでいる。そして、衣装、というか幽霊の姿形が造詣が、上手いです。
生き物は必ず、ほぼ必ず、死にます。個体としての役割には限界がある。
しかし、継承していく事で、繁栄というか存続する事が出来る。
同時に、リチャード・ドーキンスの言うように、遺伝子の乗り物、なのかも知れない。そのままの形では次世代に繋げられない。そういう進化をしてきたし、だからこそ、多様性が担保され、特定のウイルスで全滅する事は可能性が低くなっている。
ただ、もし、霊という存在が本当にあるなら、という想像を、そして時にホモサピエンスは、長い歴史の中で、信仰や科学やテクノロジーを手にしてきたけれど、それでも残る謎があり、そこに想像を巡らせてきました。
何もない空間でも、それまでの経緯、物語からそこに不在でも、物語的な解釈、考え、思念、想像から、何かの存在を感じる事が出来る。
もしかすると脳が自分をだましているだけかもしれないし、将来科学的に立証される可能性もあるけれど、その余地がある中では、感じる事が出来る。
その感覚は、意味のない事かもしれないし、そこに信仰や神を持ち出す事はしないけれど、二度と会えない何かを託す自由は個人にはあると思います。
凄く優しい映画。
しかし、ルーニー・マーラの美しさは別格ですね。
生きている人にオススメします。
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