井の頭歯科

「サブスタンス」を観ました     THE SUBSTANCE

2025年6月9日 (月) 09:06

 

コラリー・ファルジャ監督     GAGA     吉祥寺オデヲン
2025年公開映画/2025年に観た映画   目標52/120   17/49
ロバート・ゼメキス監督の名作「永遠に美しく」みたいな感じなのかな?と思って観に行きました。
ぜんぜんちがいます・・・
最近は予告の動画も観ないので観たい映画を決めるのですが、映画の告知に使われているジャケや宣伝文句が「かわいいが暴走して、阿鼻叫喚」となっている・・・
予想していたのは、若さを手に入れて感じるギャップに、どう対処するのか?とか社会に見られるとかルッキズムとか、老いへの恐怖とかそういう話しかと思っていました。
ぜんぜんちがいます・・・
青い皿(?床かも)の上に殻から出された卵の黄身に注射器で黄色い液体を注入すると・・・というのが冒頭です。
あ、そういえば80年代にはたくさん見られたエアロビ映画です、高橋ヨシキさんもきっと好きなはず。しかもちゃんと進化してる。
デミ・ムーアがこれこそ身体を張っている、です。もしかするとスーツアクターならぬボディアクターがいるかも知れませんし、それはそれでいても居なくても、とにかくこの映画に出た60歳前後の決断が凄い。
デミ・ムーアと言えば、「ゴースト ニューヨークの幻」なんでしょうけれど、何か全然乗れない映画だったなぁ・・・でも今作に出たのは本当に凄い。
基本誰でも裸で生まれるし、そういうモノだと思いますが、ホモサピエンスは知能を持っているので、羞恥心もありますし、モラルという文化も持ち合わせている生物。だから人前で裸を出す事に抵抗感があるし、なんなら恐らく、大多数の男性は裸の女性を観てしまうモノだとも言える。そしてもちろん若くて美しいモノも大好きです。けど多分それは女性も一緒。
マーガレット・クアリーも本当に美しいし演技も自然でイイんですけれど、とにかく尖った作品ばかりチョイスしている、ように見えます。ライリー・キーオもそういう傾向感じるなぁ。でもこの人とデミ・ムーアとでは覚悟が違う。
何を見てもリビドーやエロを感じ取る人もいますし、それはもう感じている方見ている方に問題があるし、なんなら文化度が低いし、下品だと思います。自ら気づけないのが恐ろしい。
実際にこの映画の中でも、新しいエアロビクス番組のエクササイズが、まぁ煽情的。そして露骨。直接的過ぎるし、それって上品ではないと思います。でもそれが狙い、ギャップ、だから仕方ないのかも。
私は結構長い作品に感じました、ちょっとやり過ぎな感覚が中盤、とくに後半部分全部に感じます。そこを、そここそを善しとする人も居る事が、友人との会話で分かりました。友人ありがとう。
決して、若さとかルッキズムの話しではなく、サスペンスでもなく、ホラー作品でした。
私はパーマンのコピーロボットがいかにうまく出来ているか?をずっと考えていました。
そして、多分、女性の方々はいろいろ思う所がある作品だと思いますけれど、当たり前ですが、ホモサピエンスは老いる存在です、なので、あまりそこに執着しても仕方ない、なんてことは重々承知の上でしょうけれど、手放せないから苦しい。というような話しでは無いです。
ホラー作品が好きな方、デミ・ムーアが好きな方、そしてもちろんマーガレット・アメリア・クアリーが好きな方にオススメします。
アテンションプリーズ!
ここからはネタバレありの感想ですので、未見の方はご遠慮下さいませ。
↓「
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ネタバレありですと、
まず、魅せたい事がある、という動機はよく理解出来ますし、女性がいかに男性から視姦されている、と感じているのが分かります。けれど、基本頭の中はワカラナイので、せめて何をどう感じているか?は相手の自由という考えに立ってほしいけど、そうはならない流れなんですよね・・・だってハラスメントってそういう事だから・・・でも正直、頭の中は分からないんじゃないかな、とは思います。思うのと実際に行動するのは、めっちゃ決定的な違いがある。
そして、魅せたい事を起こす為に、どう工夫するか、何を設定すれば良いか?考えたんでしょうけれど、もう少し捻りがあっても良かったのではと思います。
でも、普通こういう設定なら、老いに対する抗い、とか目で見る消費についてとか、ルッキズムとか、そういう話しになるのかと思ってたけど、監督の志向性が全然違うのね。もっとショッキング・ホラー向きな人。
あらすじから言えば、年齢を理由に番組を下ろされ美貌に陰りを感じる50歳のアカデミー俳優が、羨望を浴びたいという欲求の為に、SUBSUTANCEというクスリを手に入れ、若返った自分を手に入れる。ただし、7日間毎に入れ替わらなければならない。若い時分は羨望を浴び、本体の自分は相手の身体、美貌に嫉妬していき、若い時分が7日以上に意識と身体を支配。バランスが崩れて自分同志でケンカ、ラストは新たな自分を作り出すもモンスターになって、そのままNEW YEAR’S EVEのテレビ番組の司会として登場。会場がキャリー状態に。ラストは自分のハリウッドの名前入りプレートの前で潰される。
スーのエアロビシーンの、女性が考えている、男性ってこういうのが好きなんでしょ、がよく分かる絵作り。でも、一般的かもしれないけれど、直接的なのってそんなにエロくはないと思うんだけどな。でも監督というか製作者側は、そう思ってると言うのが分かる絵作りです。
それと、細かなスローとすっごく細かな音の描写で、ああ、女性の人たちはこういう風に男性を観ているんだな、と分かる食事シーン、アレ結構キモチワルイですね・・・人前で食事するのが嫌いになりそうです、私もあんな感じなんだろうなぁ・・・
で、若い時自分スー(マーガレット・クアリー)と元の自分エリザベス(デミ・ムーア)は別の脳なので意識の連続性が保たれていない。だから、起きて部屋が汚れてるだの、男を家に上げている事に気付けていない描写もある。しかし、せめてルールや日記程度の意思疎通を、文章を残すとかさえ、しないのが、触るポイントの1。あ、これはやっちゃダメな人も居るでしょうけれど、私の感想なんで。
7日毎に変わらなければ非常事態が生じるのは理解していると思えるのに、全然躊躇が無い。だから急に電話で助けを求めるのも浅はかに見えるし、なんなら、同種のおじさんと会話をして情報を採るべきなのに、特に理由もなく、それさえしないのが触るポイントの2。
その上、嫉妬なのかなんなのか?全然ワカラナイのですが、若い自分の成功をうらやみ、クスリの継続の中止、しかも中止を選択すると決して戻れないとの忠告を受けての選択なのに、いざ急にラストのクスリをわざわざ心臓部に刺した後、中止を辞めると言い出す情緒不安定さが触るポイントの3。全部自分なのに・・・でも、もう少し繕ってよ~せめて自分同志でも争う理由に、もっともらしい、衝動ではない理由が作れてないから、製作者側が、いがみ合せたいんだな、という風に見えるんですよ・・・もしくはエリザベスが凄く頭悪いか・・・
細かいの指摘しておくと、
デカい看板、電子看板じゃないから、明日の宣伝には使わないと思うよ、せめて1ヵ月は前にするんじゃないの?
サブスタンス会社はどうやってもうけを出しているのだろう?
職場と家近いのね、いや近すぎ!
えっと、その豪邸、アパートなんだ!!そして、そんな別空間作れるんだ!!
そういう人がいてもいいけど、部屋の中に自分のポスター張っておくの、キモい。自分好き過ぎる・・・吉田恵輔監督「さんかく」の主人公の車はもっとすごいけどw
前歯が、しかも側切歯が歯根2つに分かれている確立は・・・まぁいいや
裸で7日間横にしておくと、褥瘡が出来ますよ
おい、その縫合は無いんじゃないか?背骨どうなっとるん?
警備員は顔と姿を見てるけど、入れちゃうんだ・・・
などなど細かな点もありますけれど、
多分、細かな設定や理屈をこねくり回すのではなく、雰囲気を楽しむ映画。たまたま劇場で会った友人曰く「現実に見れないモノを観に来てるんじゃないの」という事で、映画のラスト20分くらいが最高!との事。なるほど。
私は現実のメタファーとか、この社会や現実に対しての意見だとか、考えさせられる刺激、風刺を受けたくて映画を観に行ってるところがあるので、同じ映画を観るという事にしても全然違うし、みんな違ってみんな良い。
衝動で行動みんな起こすでしょ?と言われると、いや、みんな考えて行動起こしているんじゃないの?と答えてしまった。本当に同じ事象、同じ作品でも感想はみんなそれぞれ。
で、これ、男性映画監督が撮るって今は出来ないでしょうね、それって差別なんじゃないの?とは思いました。

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